新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

権威主義という政治用語は誤解を生む

2022年01月31日 | メディア論
  「強権的な政治国家」と呼ぼう 2022年1月31日  新聞、テレビ、書物によく登場する権威主義という政治用語が気になって仕方がありません。「中国、ロシアなどの権威主義の国」というのは止めて、「強権的な政治国家」と呼ぶようにすべきです。    政治学では権威主義をある程度、定義していますから、使うのをやめるわけにはいかないでしょう。せめてメディアが使うときは「権力主義政治」か . . . 本文を読む

未成年皇族をめぐる週刊誌報道を叱る宮内庁の未熟

2022年01月27日 | メディア論
  「いかがなものか」は的外れ 2022年1月27日  秋篠宮の長男、悠仁さまの高校進学先について、週刊誌報道が騒がしく、宮内庁が苦言を呈する見解を公表しました。    悠仁さまは現在、お茶の水付属中3年です。伝統的な進学先の学習院ではなく、提携関係にある筑波大付属高校に進まれるのではないかとの週刊誌報道がしきりです。    宮内庁は「受験期を迎えている未成年の進 . . . 本文を読む

黒田日銀総裁に向けた財務官OB2人の指摘

2022年01月22日 | 経済
金融緩和の出口はあるのか 2022年1月22日  米欧がインフレを警戒して、長期にわたる大規模な金融緩和から抜け出そうとしています。日本では、史上空前の財政拡大が異次元金融緩和と直結しており、日銀は身動きが取れず、もがいています。    13年4月から異常な金融緩和を積極的に続けてきたのは、黒田総裁の個人的な金融政策思想によるところが大きく、安倍・元首相がそこに目をつけ、ア . . . 本文を読む

政治とメディアが増幅するオミクロンの不安

2022年01月18日 | メディア論
  世論調査の動向に過剰に反応 2022年1月18日  政府は新型コロナウイルス感染が拡大している東京を含む首都圏など11都道府県に「蔓延防止等重点措置」を適用する方針を決めました。感染が広がる変異株オミクロン対策です。新潟、熊本への適用も検討しています。    コロナ危機がまるで振り出しに戻ってしまった感じです。16日の感染者数は2万人を超えたのに、重症者は8人、死者は4人で . . . 本文を読む

日経の「SDGs教」企業広告は新聞用紙の浪費

2022年01月14日 | メディア論
  連日の大展開は異常 2022年1月13日  経済専門紙の日経を開くと、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・企業統治)、脱炭素などの大特集記事、全面広告が連日、溢れかえっています。40㌻を超す紙面の何㌻もこれらが占める異常さです。    周辺の知人は、「SDGsにはプラス面もマイナス面もがあるのに、この御旗が見えないのかと言わんばかり」「目標と実現可能性には乖離があるの . . . 本文を読む

1000円を超す新書が示す出版物の値上がり

2022年01月07日 | 文化
  再販制が招く悪循環 2022年1月7日  手頃な価格で買いやすかった新書が最近、1冊1000円を超すようになり、税込み(消費税10%)だともっと高くなる。安かった文庫も7、800円台が目立ち、買うのをためらう読書家も多いでしょう。    新聞社には出版局や系列の出版社があるせいか、出版物の値上がりについて触れる意欲はないようです。そこで手元にある本を手にとり、定価の動きをチ . . . 本文を読む

経済理論の安直な政治利用を戒める近刊の名著

2022年01月04日 | 経済
  単純化したモデルの限界を指摘 2022年1月4日  10年以上にわたり、日本は経済理論をよりどころに、異常に膨張的な金融財政政策を展開し、コロナ禍による経済停滞からの脱出のためとして、さらに拍車がかかっています。    経済理論を我田引水、都合のいいように掲げる「日本的政治現象」にとって、必読の書ともいえる名著が出版され、注目されています。猪木武徳・阪大名誉教授による近著「 . . . 本文を読む