メディアも右往左往
2024年6月27日
連日、岸田降ろしの風が吹きまくっています。こうなると何が正しい選択なのかより、岸田首相がいつ退陣するか、だれが後継首相になるのかに関心が移ってしまうのが政治ジャーナリズムの悪習です。
政治の底流より、表層雪崩の動きばかりを報道する。かりに次の総裁が決まったとっしても、日本の政治がどう変わっていくのかが分からない。スローガンだ . . . 本文を読む
駆け引きより政策論争を
2024年6月21日
イタリアでG7(先進国首脳会議)が先日開かれ、7人の首脳のうち6人が来年も参加できるか分からないと指摘されました。岸田首相、バイデン米大統領、マクロン仏大統領らです。G7が1975年に開かれ約50年経ち、国際情勢の力関係は様変わりとなり、G7はすっかり力量が低下しました。大波乱の世界史の時代です。
日本の一人当たりのGD . . . 本文を読む
政治空白と円売りの連動を懸念
2024年4月29日
衆院3補選で立憲民主党が3勝、与党の自民党が3敗しました。「岸田首相の政権運営に打撃」、「自民1党優位体制に崩壊の予兆」、「岸田首相では次期衆院選を戦えない」との声が強まっています。日本の政治は長い空白期に入ると思います。
立憲民主党と含む野党に、「厳しさの増す国際環境の中で、日本をどうしていくのか」という統一さ . . . 本文を読む
解散・総選挙は遠のく
24年4月5日
自民党は派閥の裏金事件を巡り、安倍派、二階派の計39人の処分を決めました。新聞各紙をみると、表現にかなりの違いがあり、新聞社のスタンスが反映されています。朝日は「自民裏金」、毎日は「裏金事件」と表現したのに対し、読売は「不記載」としています。
読売は関連記事でも「自民党派閥の政治資金規正法違反事件」という表記です。意図して「裏金 . . . 本文を読む
政治不安がマネーばらまく
2024年3月8日
泥沼状態にはまった米大統領選、岸田政権の支持率の急落といい、日米ともに深刻な政治危機に陥っています。その中で株価は両国とも史上最高値を更新しました。政治的安定がマネー市場の安定に欠かせないという常識がもう通用しないようです。政治不安から財政金融の膨張策が長く続き、大量のマネーが市場に供給された結果なのでしょうか。
金価格 . . . 本文を読む
稀にみる政治改革の好機到来
3月2日
自民党派閥の裏金事件を巡り、2日間わたる政治倫理審査会が行われ、日本が政治を刷新する好機がきたのに、虚しく時間を空費しています。新聞、テレビも説教調の報道を続けていれば、自民党が自ら改革に動きだすとでも思っているようです。
岸田政権支持率も自民党支持率も20%台に低下し、「支持政党なし」は50%台まで上昇しています。こんな時でも . . . 本文を読む
罪は民間人に押し付ける
2024年2月9日
週刊文春は「五輪汚職、高橋被告が独占7時間」というインタビュー記事(2月15日号)を掲載し、五輪組織委員会に高橋被告を理事として招き入れた安倍、森元首相に憤懣をぶちまけています。「なぜ俺が全ての罪を被るのだ。政治家はどうなのだ」との怒りを文春砲は伝えています。
スポンサー契約を巡り、約2億円の賄賂を受け取ったとする事件で、 . . . 本文を読む
2人の高官の去り際のドラマ
2024年2月1日
日経新聞で定期的な購読者が最も多いと思われる連載コラム、著名人による「私の履歴書」(1か月)に異変がありました。昨年11月に財務省財務官OBで日銀総裁を務めた黒田東彦氏、今年の1月には事務次官OBで東京五輪組織委員会の事務総長だった武藤敏郎氏が登場したからです。
黒田氏(1944年生まれ)は国際金融、武藤 . . . 本文を読む
時代の中核的世代が政治を担え
2024年1月20日
政治資金の還流疑惑事件で、東京地検特捜部は安倍、二階、岸田派を立件したものの、会計責任者らだけを起訴し、幹部議員は見送りという尻切れトンボの幕引きになりました。検察も自民党も正体を見せたのです。
予想された通りの結末になる一方で、安倍派(96人)、二階派(38人)、岸田派(46人)の3派が派閥解消を決めるという予想 . . . 本文を読む
ドキュメントと経済理論の対決
2024年1月4日
植田・日銀総裁の下で異次元金融緩和からの転換が始まろうとしています。タイミングよく中公新書から「財政・金融政策の転換点」(飯田泰之・明大教授)、岩波新書から「ドキュメン 異次元緩和」(西野智彦・元TBS報道局長)が出版されました。筆者も主張も好対照です。
ジャーナリストの手による岩波新書では、安倍・元首相が主導した . . . 本文を読む
政界版の資金洗浄に相当か
23年12月9日
自民党最大派閥の安倍派で中枢幹部6人がパーティー券収入から多額のキックバック(還流)を受けていた疑いで、東京地検特捜部が捜査しています。捜査対象はもっと大勢の議員です。次々に情報がリークされ、更迭は松野官房長官にとどまらず、岸田内閣は空中分解するでしょう。
空席となった閣僚ポストを受ける議員は、岸田内閣という泥船に乗ること . . . 本文を読む
トップにも中堅にも人材が不在
2023年11月14日
9月の内閣改造後、政務三役の更迭は3人目となりました。NHKの世論調査でも内閣支持率は29%(7ポイント下落)で瀬戸際の30%を割ってしまいました。普段は高目の支持率が出るNHKでさえこの有様ですから、今後、さらに支持率の下落は続くでしょう。
最近、はやりの「持続可能な開発目標」(SDGs)にちなんで言えば、「持 . . . 本文を読む
世論調査は6割が反対
2023年11月11日
岸田首相は年内の衆院解散を見送ることにしました。主要新聞は「首相の誤算」とか「支持率低迷で追い込まれた」などと書いています。首相にとっては誤算であっても、物価高対策としては無益な定額減税、選挙目当ての浪費とみて、6割が解散に反対(世論調査)していた有権者にとっては「勝利であり、朗報」であると思います。
日本の政治ジャーナ . . . 本文を読む
国も自治体も動きだしたら止められない
2023年10月6日
札幌市は2030年冬季五輪の招致を断念しました。東京五輪における増収賄事件で「平和の祭典」というイメージに泥を塗り、さらに国、自治体に大型プロジェクトを運営する能力がない。予算総額も発表当初は小さく見せかけ、最終的には2倍程度に膨れ上がり、「済みませんでした」と謝る手口が国民に通用しなくなったのです。
市は . . . 本文を読む
企業経営の基本を否定したも同然
2023年9月28日
岸田首相は26日、10月にまとめる経済対策の策定を閣議で指示しました。首相官邸で記者団に「物価高に苦しむ国民に成長の成果を還元し、コストカット型経済からの歴史的転換を図る」と述べました。
記者説明では「コストカット型の経済から30年ぶりに転換」と書いたパネルを持ち出しましたから、言葉の上滑りからでた発言ではなく . . . 本文を読む