新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

日経新聞に溢れる企業広告は読者無視で紙の浪費

2022年11月30日 | メディア論
  紙離れを自ら招く新聞経営の暴走 2022年11月30日  30日(水曜日)の日経新聞が分厚く、どっしりと48頁もありました。ページをめくっていくと、「ひどい。なんだこれで新聞といえるのか」と絶句に次ぐ絶句です。企業から広告費、協賛金、参加費、会費などを集めて作った企業広告、イベント広告、シンポジウム広告で膨れ上がっています。    この種の企業広告の乱用、乱発には、私の周辺 . . . 本文を読む

汚職に続く「官製談合」で札幌冬季五輪はもう絶望的

2022年11月27日 | 社会
  電通と組織委の機能停止で準備不能 2022年11月27日  東京五輪の贈収賄汚職で区切りがつくかと思っていたら、大会事業の受注を巡る入札談合が発覚し、大会組織委員会までが関与した官製談合事件の疑いが浮上しています。来年に決める冬季五輪開催地(2030年)が札幌になることはもはや絶望的でしょう。    東京地検特捜部が増収賄事件の捜査に乗り出し、全容がほぼ明かになった段階で、 . . . 本文を読む

閣僚のドミノ辞任は異常事態でなく「常態化事態」

2022年11月23日 | メディア論
  政治ジャーナリズムの覚醒を求める 2022年11月23日  1か月で3人の閣僚が辞任し、後任の総務相にも「政治とカネ」の問題が指摘され、さらに岸田首相には「宛名のない領収書」疑惑が浮上しています。こうしたドミノ倒し現象は、自民党政治の異常事態ではなく、新常態(ニューノーマル)なのでしょう。    「新常態(ニューノーマル)」というより、以前から自民党政治で恐らく常態化してい . . . 本文を読む

NHK岩田明子記者による「安倍晋三秘録」に注文する

2022年11月18日 | メディア論
  陰陽を書かず陽ばかり強調 2022年11月18日  安倍首相に食い込んだNHKのエース記者で、数々のスクープを報道した岩田明子記者(編集委員)の「安倍晋三秘録」(月刊文春)は興味深い。まだ3回目で、最終的には10回以上の連載となるはずです。    いづれ出版されるでしょう。安倍氏がよくここまでジャーナリストに話したものだと思います。間違いなく安倍研究の必読の書になる一方、安 . . . 本文を読む

東大卒議員と世襲制が日本政治と日本を滅ぼす

2022年11月13日 | 政治
  新しい資本主義より新しい政治を 2022年11月13日  葉梨康弘法相が「死刑のハンコ」発言、「法相は票とお金に縁がない」発言で、辞任に追い込まれました。失言ではなく、本音、暴言でしょう。山際経済再生相に次ぐ2人目の辞任です。「閣僚辞任ドミノ」で岸田政権の前途には暗雲が漂ってきました。    岸田政権の看板である「新しい資本主義」どころではありません。それより「新しい政治」 . . . 本文を読む

五輪汚職を反省し札幌冬季大会の誘致を断念せよ

2022年11月10日 | 社会
  事件の検証に後ろ向きのJOC・都 2022年11月10日  東京地検特捜部は東京五輪を巡る汚職事件の捜査を事実上終結しました。今後、法廷での裁きに舞台が移るにしても、JOC(日本オリンピック委員会)、東京都は汚職を生んだ五輪の運営体制、組織の総点検を捜査当局とは別の観点から独自に検証、反省する必要があります。    どうもその気配がないようです。札幌市、JOCは2030年の . . . 本文を読む

音楽教室の演奏から著作権使用料を取る粗雑な議論

2022年11月06日 | 文化
  実態を踏まえず新たな標的に 2022年11月6日  私は音楽教室に通い、週一回(30分)のピアノのレッスンを受けています。年間50回ほどで、月謝は1万円強です。都内、近郊に40教室を持ち、ヤマハピアノとも提携している中堅の教室です。もう数年になります。    数年前から、「音楽教室の練習も作曲家の著作権使用の対象になる。収益(売上)の2・5%を徴収する」と、日本音楽著作権協 . . . 本文を読む

消えた新聞広告「尋ね人」、増える「ペット探し」にみる世相

2022年11月03日 | 社会
    人よりペットとの絆が大切 2022年11月3日  新聞広告「尋ね人」は世相を映す鏡でした。「太郎、連絡を待つ。父」、「花子、心配するな、すぐ帰れ。母」、「次郎、父病気、会いたし。兄」など、社会面の片隅にほんの一行載る広告には、社会の歪み、悩みが反映されていました。    いわゆる「3行広告」の一つで、求人、求職を3行で載せる広告を読むと、景気のよしあし、失業者の思いなど . . . 本文を読む