新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

トランプ氏銃撃=劇場化と分断化で自壊する民主主義社会

2024年07月15日 | 国際
  候補者自ら危機を呼び込む 2024年7月15日   米大統領選の最中、共和党のトランプ氏が銃撃を受け、「民主主義の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて容認できない」、「民主主義の土台を支える選挙が暴力で脅かされている状況を深く憂慮する」という声一色です。異論はありません。    岸田首相は「民主主義に挑戦する暴力には毅然と立ち向かわなければならない」との談話を発表しま . . . 本文を読む

(終)コロナ闘病記=全快するまでにボンベ生活3か月

2024年07月09日 | 社会
急性肺炎を起こした憎きウイルス 2024年7月9日  新型コロナが感染症法の5類の分類(インフルエンザ並み)に移行し、すっかり安心していましたら、「地震と重病は忘れた頃にやってくる」でした。5月下旬にコロナウイルスが無断で私の体内に侵入し、重度の急性肺炎を起こしてくれました。    救急車で病院に搬送され、10何年ぶりかの入院生活です。入院そのものは2週間で終わり、自宅療養 . . . 本文を読む

政治ジャーナリズムが衝撃を受けた石丸氏のネット選挙

2024年07月08日 | メディア論
  報道の変革が迫られている 2024年7月8日  東京都知事選でテレビ、新聞は小池知事の3選を大きく取り上げています。私は都知事選における最大の注目点は、人口3万人弱の広島県安芸高田市の前市長で、立候補表明時は「その人誰?」の扱いだった石丸伸二氏が、人口1400万人(有権者数986万人)の東京都の知事選で165万票をわずか2か月で獲得、第2位になったことです。    「小池対 . . . 本文を読む

円安による税収増=インフレ税を歓迎する政府

2024年07月02日 | 経済
  投機を呼ぶのは政府・日銀側 2024年7月2日  1㌦=160円が防衛ラインだと思っていたら、あれよあれよと、161円台まで円安が進みました。市場関係者から「1㌦=200円もありうる」という声まで聞かれます。プラザ合意(1985年)の時の235円のレベルに言及する人もおります。    林官房長官は1日、「為替市場はしっかり注視し、過度な変動には適切な対応をとる」と発言しまし . . . 本文を読む

政権支持率の低下を招いているのは岸田首相より自民党

2024年06月27日 | 政治
  メディアも右往左往 2024年6月27日  連日、岸田降ろしの風が吹きまくっています。こうなると何が正しい選択なのかより、岸田首相がいつ退陣するか、だれが後継首相になるのかに関心が移ってしまうのが政治ジャーナリズムの悪習です。    政治の底流より、表層雪崩の動きばかりを報道する。かりに次の総裁が決まったとっしても、日本の政治がどう変わっていくのかが分からない。スローガンだ . . . 本文を読む

都知事選の広報騒動で見た間抜けな選挙管理委員会

2024年06月24日 | 社会
  出し抜いた候補者たち 2024年6月24日  東京都知事選の選挙公報が配られてきました。唖然、茫然です。回を追うごとに違和感のある候補者の広報が増えてきており、今年は一挙にタガが外れた感じです。14㌻もあるこんな広報紙を都民722万世帯に配布し、都内1万4000か所にポスターを貼る掲示板を設置した都選管は間抜けとしかいいようがありません。    候補者の方は狙いを定めて悪 . . . 本文を読む

国際情勢は重大なのに政治部は空疎な記事を乱造

2024年06月21日 | 政治
  駆け引きより政策論争を 2024年6月21日  イタリアでG7(先進国首脳会議)が先日開かれ、7人の首脳のうち6人が来年も参加できるか分からないと指摘されました。岸田首相、バイデン米大統領、マクロン仏大統領らです。G7が1975年に開かれ約50年経ち、国際情勢の力関係は様変わりとなり、G7はすっかり力量が低下しました。大波乱の世界史の時代です。    日本の一人当たりのGD . . . 本文を読む

異次元金融緩和の最終的な出口は2、30年先か

2024年06月16日 | 経済
   国債減額は出口の入り口 2024年6月16日  日銀は金融政策決定会合で、長期国債の買い入れを減らしていく方針を決め、7月に規模を決めることにしました。その規模は「市場参加者の意見を確認しながら計画を作る」、「1-2年程度の減額計画を決める」と、植田総裁は述べるにとどめました。慎重というか、市場への地ならしというか、自信がないのでしょう。    新聞は「マイナス金利の解除 . . . 本文を読む

第4回コロナ闘病記=退院後初の検診で朗報「7月上旬解放」

2024年06月13日 | 社会
  携帯ボンベでバス初乗り 2024年6月12日  コロナウイルスによる重症の急性肺炎にかかり、立川相互病院に救急車で搬送され、丸2週間入院していました。退院したのが6月1日で、昨日の11日に退院後初の検診にいってきました。結論は「次回検診の7月9には、酸素補給器と酸素ボンベが不要になり、普通の生活に戻れます。そのつもりでいてください」という朗報でした。    「あとひと月も酸 . . . 本文を読む

(続々)コロナ闘病記:慢性の誤嚥性肺炎が重症化の引き金?

2024年06月06日 | 社会
  ウイルスに突かれた弱点  2024年6月6日  私は毎朝、朝刊社会面の死亡記事に目を通します。何歳くらいの誰が亡くなったかを知るためです。死因に誤嚥性肺炎という表記がしばしば目につくようになりました。以前は、あまり見かけなかった表記です。特に80代前後に人の死因に目立つ。    急に誤嚥性肺炎が増えたのではなく、医療記事などでも誤嚥性肺炎が題材になることが多く、死亡記事で漠 . . . 本文を読む

(続)コロナ闘病記:肺損傷で酸素不足、せん妄、無声状態

2024年06月03日 | 社会
  酸素補給器が必携に 2024年6月3日  5月19日(日)の未明に救急車で病院に搬送され、2週間、入院しました。退院できたものの、自宅ではしばらく酸素補給装置付きの不便な生活です。私の場合、コロナウィルスが急性肺炎を起こし、その肺機能が元通りになるには、2か月ほどかかるという宣告です。    感染症法5条に移行して、公式の発表も報道もあまり見かけなくなりました。私もすっかり . . . 本文を読む

コロナ闘病記=重症化、急性肺炎、救急搬送、緊急入院、2週間

2024年06月02日 | 社会
肺破損で酸素供給生活の後遺症 2024年6月2日  コロナウイルスが感染症法第5類に移行し、油断していたら、感染し、重度の急性肺炎(後で判明)になりました。ある晩、身動きが取れなくなり、もがいていても、もがいても手足が全く動かない。そのうち朝になり、救急車の出動を要請しました。    5月19日(日)の未明から早朝にかけ、ベッドから何度も立とうとしてあきらめ、うとうととし、 . . . 本文を読む

NHKニュース編成が示すG7最下位の報道の自由度

2024年05月12日 | 評論
  大谷選手、能登震災、那須町殺人の3点セット 2024年5月12日  NHK「ニュース7」(夜7時定時)は毎晩、ほとんど見ています。11日は「能登半島震災、那須町の夫婦殺害事件、大谷選手の活躍」に加え、北朝鮮による日本人拉致問題を巡る国民集会が主なニュースでした。    最初の「3点セット」は、多くの視聴者は「またそのニュースか」と、うんざりしているでしょう。拉致事件も被害者 . . . 本文を読む

「こどもの日」はこどもでも読める社説を書こう

2024年05月05日 | 社会
  工夫する新聞は増える 2024年5月5日  5月5日の「こどもの日」の大きなニュースは、子ども(15歳未満)の推計人口が1401万人(総務省推計)だったことです。前年より33万人減り、43年連続の減少です。    12-14歳は317万人に対し、0-2歳はコロナ危機の影響で結婚、出産が減ったこともあって235万人と、大幅な減り方です。今後も子どもの人口がさらに減り、日本全体 . . . 本文を読む

立憲全勝、自民全敗も政策思想を欠く空白の争い

2024年04月29日 | 政治
  政治空白と円売りの連動を懸念  2024年4月29日  衆院3補選で立憲民主党が3勝、与党の自民党が3敗しました。「岸田首相の政権運営に打撃」、「自民1党優位体制に崩壊の予兆」、「岸田首相では次期衆院選を戦えない」との声が強まっています。日本の政治は長い空白期に入ると思います。    立憲民主党と含む野党に、「厳しさの増す国際環境の中で、日本をどうしていくのか」という統一さ . . . 本文を読む