国会は「大きな政治」に取り組め
2025年6月7日
連日、「令和のコメ騒動」対策に走り回る小泉進次郎・農相の報道が流れています。決意満ちた表情、歯切れのいい語り口に接して「やる気だね」とは感じます。その反面、「コメ」が政治、経済、社会の最大の焦点になっているのをみて、政治はもっと大きな問題にこそ取り組んでほしいと思っています。
日本を含め多くの国は「三重苦」の時代に . . . 本文を読む
インフレ税の定着を狙う
2025年3月28日
トランプ米大統領の予測不可能な政治手法に、世界は振り回されています。経済の不確実性は高まっても、インフレ状態がかなり続きそうです。世界が振り回されている中で、財政危機に頭を痛めている日本政府は「物価が上がれば、税収が増える。いい湯加減だ」と、内心はほくそ笑んでいると考えます。
石破政権が財政危機対策で消費税率、所得税率、 . . . 本文を読む
異次元緩和批判本が続々と
2025年2月2日
安倍政権下で日銀総裁を務め、異次元金融緩和策(アベノミクス)を10年も続けた黒田東彦氏は、いつまで沈黙を守り続けるつもりでしょうか。異次元緩和・財政膨張策への検証、批判が噴出しています。前任の白川方明総裁は分厚い回顧録を残しました。黒田氏には証言する責務があると思います。
日銀は異次元金融緩和を含む過去25年間の金融政 . . . 本文を読む
財政金融の一体改革が必要
2025年1月25日
トランプ米大統領の就任演説、石破首相の施政方針演説、それと日銀の0.25%利上げが続きました。大統領、首相、中央銀行総裁らの言動は大々的に報じられている。メディアでは表面的なことばかり詳細に報道され、腹の中ではかれらが何を考えているのかが伝わってこない。
彼らは自分に都合のいいことは大声で言います。トランプ氏は「米国第 . . . 本文を読む
そこまで言って委員会
2025年1月17日
植田総裁になってから日銀役職者から、守秘義務違反まがいの発言が飛び出すようになりました。日銀の金融政策は金融政策決定会合(今回は1月23、24日)で決めることになっているのに、それに先立ち氷見野・副総裁が追加利上げを示唆するような発言をしました(14日)。
虚を突いた「サプライズ」で市場を驚かすことを好んだ黒田・前総裁と打って変わ . . . 本文を読む
第三者機関抜きの自己弁護
2024年12月28日
日銀はアベノミクスの異次元緩和を中心に、過去25年間の「政策多角的レビュー」をしました。安倍首相・黒田総裁が2013年から始めたアベノミクスは10年に及ぶ前例のない冒険であり、開始してから2、3年後には検証しておかなければいけなかった。今ごろになって公表しても「後の祭り」です。
アベノミクスは安倍政権、その同調者は「 . . . 本文を読む
巨額の国債が詰まっている
2024年12月9日
三菱UFJ銀行で行員が4年半にわたって、貸金貨から顧客の現金や貴金属を盗んでいた事件が起きました。被害総額は時価10数億円だそうです。60人分の資産で、減っていることに気づいた顧客の問い合わせで発覚しました。まあ、盗まれていることに気が付かない富裕な利用客が大勢いるのに驚きます。
その後、続報らしい続報がないところをみ . . . 本文を読む
市場にサプライズするのは日銀
2024年8月24日
植田・日銀総裁は23日、国会の閉会中審査に出席し、「市場は引き続き不安定な状況で、極めて高い緊張感を持って注視する」と述べました。「高い緊張感」は言わずもがなの表現で、ほとんど意味がない。日銀は常時「高い緊張感」を持っていてくれなければ困るのです。日銀は異次元緩和の「負の遺産」で身動きが取れず、そうでもいうしかないのでしょう。
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市場機能を封印してきたつけ
2024年8月11日
7月末の日銀の利上げ、植田・日銀総裁の「さらなる利上げ」示唆、それが契機になったような株価の大暴落、慌てた内田・副総裁の火消し発言と、続きました。日銀史上、まれにみる「日銀執行部の動揺」です。黒田・前総裁の時は、相次ぐサプライズで市場をきりきり舞いさせました。
今度は、日銀が市場にきりきり舞いさせられ . . . 本文を読む
日銀が最大の株主の異常
2024年8月6日
史上最大の暴落となった株価は、6日に若干戻したものの、しばらく方向感覚が定まらないでしょう。欧米の株価の下落幅(2-3%)に対し、日本株の下落は12%、先月の最高値からは25%という大幅な下げです。日本が突出しており、日本固有の原因がありそうです。
日本株は世界市場で最も「仮装相場」の色彩が強いと、私は思ってきました。20 . . . 本文を読む
グランドデザインを書き直せ
2024年7月26日
日銀は30、31日に金融政策会合を開きます。日経新聞は「追加利上げを会合は支持する。政策金利の0・25%上げが有力」と強気な書き方をしています。読売新聞は「そうした見方がある一方、賃金や個人消費の動向の見極めが必要との声もある」と、曖昧で自信のない表現をとっています。
7月の利上げは、日銀がやりたくても、先送りされる . . . 本文を読む
投機を呼ぶのは政府・日銀側
2024年7月2日
1㌦=160円が防衛ラインだと思っていたら、あれよあれよと、161円台まで円安が進みました。市場関係者から「1㌦=200円もありうる」という声まで聞かれます。プラザ合意(1985年)の時の235円のレベルに言及する人もおります。
林官房長官は1日、「為替市場はしっかり注視し、過度な変動には適切な対応をとる」と発言しまし . . . 本文を読む
国債減額は出口の入り口
2024年6月16日
日銀は金融政策決定会合で、長期国債の買い入れを減らしていく方針を決め、7月に規模を決めることにしました。その規模は「市場参加者の意見を確認しながら計画を作る」、「1-2年程度の減額計画を決める」と、植田総裁は述べるにとどめました。慎重というか、市場への地ならしというか、自信がないのでしょう。
新聞は「マイナス金利の解除 . . . 本文を読む
「新しい資本主義」は空念仏
2024年4月25日
円安が止まらず25日、1㌦=155円台後半にまで下落、株価も3万8000円割れの大幅安になりました。日銀が25、26日の金融政策会合で0・25%程度、緊急に金利を引き上げ、財務省が為替介入(円買い・ドル売り)すれば、一時的に円安は止まるとしても、その効果は限定的でしょう。
あまりにも長期にわたる金融緩和・財政拡充策の . . . 本文を読む
「断固たる措置」は口先だけ
2024年4月19日
円安が進むたびに、財務省は「行き過ぎた投機的動きには断固たる措置をとる」と強調してきました。財務省所管の為替介入というげんこつ(断固たる措置)を振り上げたものの振り下ろさないのです。
政府がけん制する「投機的動き」を誘っているのは、日本の超低金利です。日本で資金を調達して海外など運用すれば、儲けることはたやすい。自国 . . . 本文を読む