新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

白川前総裁による日銀批判の波紋

2018年10月23日 | 経済
  物価目標では課題を解決しない 2018年10月23日  黒田日銀総裁の前任者だった白川氏(青山学院教授)が1冊5000円もする分厚い日銀論の本を出版しました。金融・経済の専門書というより、継続している異次元緩和によるデフレ対策への批判論が展開され、波紋を投げかけています。総裁経験者による異例の著書は、古巣への異例の警告でもあります。  白川氏はエコノミスト・タイプの人物で、総裁就任 . . . 本文を読む

皇后とでんでん虫と平和への願い

2018年10月21日 | 社会
  読書経験で磨かれた感性 2018年10月21日  皇后さまが84歳の誕生日を迎えられ、来年4月に天皇が退位することを踏まえ、「皇太子が築いていく新しい御代の安泰を祈り続けていきたい」との思いを綴った文書を公表されました。誕生日を迎えるごとにお気持ちを公表するのは、これが最後となります。  文書に「これからは、手つかずになっていた本を、一冊ずつ時間をかけて読めるのではないかと楽しみに . . . 本文を読む

軽減税率は弱者救済になるという神話

2018年10月16日 | 経済
  今や単一税率が世界の主流 2018年10月16日  安倍首相が来年10月に消費税を10%に引き上げることを表明しました。このことは消費税法に明記されている既定路線で、目新しさはありません。意味があるとすれば、社会保障財源の確保のために、3度は先送りしない、もう逃げないと、首相が退路を断ったことでしょう。    10月9日のブログで「消費税10%を確約する首相声明を出せ」と、私は主張し . . . 本文を読む

新聞に期待する社会的な役割は激変

2018年10月15日 | メディア論
  「10分しか読まない」の意味 2018年10月15日  秋の新聞週間に合わせて、新聞に対する国民の意識調査(世論調査)を各紙が実施しています。新聞がメディアの主軸であった時代はともかく、情報社会が多様化したにもかかわらず「新聞の役割は何ですか」、「新聞は信頼できますか」などと、読者に尋ねるというのは、奇妙な慣行です。  たとえば、自動車メーカーが「車の役割は何ですか」、「車は信頼で . . . 本文を読む

消費税10%を確約する首相声明を出せ

2018年10月09日 | 経済
  3度目の見送り説を打ち消せ 2018年10月9日  消費税を来年10月に10%に引き上げることは消費税法で決まっています。選挙対策で公約を2回、破って先送りを決めた際、「今度こそ」と、安倍首相が決断したにもかかわらず、今だに延期説がくすぶっています。「それを打ち消すには、10%への引き上げを確約する談話か声明をだすべきだ」との声が上がり始めました。私は社会保障財源の確保、赤字国債の発行抑 . . . 本文を読む

児童虐待死は親に極刑求める声が続々

2018年10月05日 | 社会
   少子化対策が空転、虐待最多 2018年10月5日  虐待を受けている疑いがあるとして、警察が児童相談所に通告した人数は今年上半期、過去最多の3万7000人に上りました。政府が重視している少子化対策、出生率の引き上げが空転しています。多くの人の涙を誘った船戸結愛(ゆあ)ちゃんの虐待死事件の検証報告書(3日)も公表され、児童相談所の連携がずさんだったとの指摘がなされました。虐待死 . . . 本文を読む

ノーベル賞受賞に思う科学強靭化の予算

2018年10月02日 | 政治
  科学者出身の国会議員が必要 2018年10月2日  京大特別教授の本庶佑氏が「がん免疫療法」の功績を認められ、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。日本人がノーベル賞を受賞すると、基礎科学研究の予算充実が避けばれても、その時だけで、一過性で終わります。積極財政につながる国土強靭化計画は叫ばれても、科学研究予算を増やそうという声は小さいのです。  本庶氏は29歳から3年、米国に留学し . . . 本文を読む