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割れたガラス/ススキノ条例

2006-12-06 22:54:12 | Weblog
「腐ったリンゴ」じゃないよ。でも、ちょっと「似てる」かもね。







ススキノ条例施行1年 カラス族一掃、客引きも激減 ぼったくり店は巧妙化(抜粋)
2006年12月4日(月)

札幌中央署は

昨年十二月一日に施行され一年が経過した札幌市の

「ススキノ条例」

の摘発状況や効果をまとめた。

性風俗店に女性をスカウトする「カラス族」が摘発対象となったことで

「カラス族はほとんど姿を消し、客引きの数も減った」が

高額な飲食代を請求する「ぼったくり店」の客引きの一部は

依然、摘発を逃れているという。
 
●施行後一年間で条例違反容疑で逮捕した人数
 カラス族一人
 客引き四十九人

 客引き約百三十人、カラス族約百人
→現在 客引き約二十人と激減、カラス族はいない。

●カラス族は条例施行後、一般の若者が女性に声をかける「ナンパ」を装って摘発を逃れようとしたが、

「職業安定法違反容疑で、カラス族が所属するスカウト会社を摘発」

した結果、カラス族も街頭からいなくなったとみられる。

●一方、摘発された客引きの多くは

「通行人に性風俗店やぼったくり店を勧めた現行犯」。

→「店ぐるみ」であることや「客引きとのつながりを隠す」ため、

複数の客引きが

「リレー方式」で客を誘い込む

など巧妙化しているぼったくり店もある。

全国的には、

「歓楽街を浄化する条例」を施行後

「スカウトや客引きを伴ったぼったくり店」が

別の地区に移ったり

一時的な自粛後に復活した地区もあることから

道警は「いたちごっこ」にならないよう、警戒を強めている。






実は札幌は

「ニューヨークと同じ」

「割れ窓」理論を

実践してます。



また、ウィキペディアですが、今回は興味深い。


以下、内容抜粋。


割れ窓理論(Broken Windows Theory)

軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカで考案された。「建物の窓が壊れているのを放置すれば他の窓もまもなく全て壊されるだろう」との考え方からこの名がある

治安が悪化するまでには次のような経過をたどる。

一見無害な秩序違反行為が野放しにされると、それが「誰も秩序維持に関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。

軽犯罪が起きるようになる。

住民の「体感治安」が低下して、秩序維持に協力しなくなる。それがさらに環境を悪化させる。

凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。

よって、治安を回復させるには、

①一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる。
②警察職員による徒歩パトロールを強化する。
③地域社会は警察職員に協力し、秩序の維持に努力する。

などを行えばよい。




つまり「窓ガラスが割れたのを放置」してるような街は

「誰も秩序維持に関心を払っていない」ということになり、

どんどん「治安が悪化」するってこと。

だから、「治安を良くする」」には

その逆に「割れた窓を放置せず、すぐに直す」ようにすればいい。




これが「割れ窓理論」。


で、ニューヨークはその理論を取り入れた(ウィキペディア抜粋)。

(ニューヨークの例)
ニューヨーク市は

1980年代からアメリカ有数の犯罪多発都市となっていたが、

1994年に

検事出身のルドルフ・ジュリアーニが、この理論を応用しての治安対策に乗り出した。

彼の政策は「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策と名付けられている。

●警察に予算を重点配分
●警察職員を5,000人増員して街頭パトロールを強化
●落書き、未成年者の喫煙、無賃乗車、万引き、花火、爆竹、騒音、違法駐車など軽犯罪の徹底的な取り締まり
●ジェイウォーク(歩行者の交通違反)やタクシーの交通違反、飲酒運転の厳罰化
●路上屋台、ポルノショップの締め出し
●ホームレスを路上から排除し、保護施設に収容して労働を強制する


→就任5年間の成果

●犯罪の認知件数 
 殺人 67.5%減
 強盗 54.2%減
 婦女暴行 27.4%減

治安が回復し、中心街も活気を取り戻し、住民や観光客が戻ってきた。

需要の増加を反映し、中心街の家賃は45%も上昇。




(札幌の例)
日本では、2001年に札幌中央署が割れ窓理論を採用した。

割れ窓を違反駐車に置き換え、すすきの環境浄化総合対策とした。

具体的には北海道内最大の歓楽街のすすきので

●駐車違反を徹底的に取り締まる事で路上駐車が対策前に比べて3分の1以下に減少

●地域ボランティアとの協力による街頭パトロールなどの強化により2年間で「犯罪を15%減少」させた


(批判)

理論そのものについて

●前提となる「体感治安」について検証出来ない。論文では検証できるような数字は挙げられておらず、ただ漠然としたイメージの叙述があるだけである。
統計を見る限り、秩序違反の状況と実際の犯罪増加のあいだには直接の因果関係は不明確と思われる。

ニューヨーク市の政策について

①警察職員による社会的弱者(特にマイノリティ)への粗暴な言動が増えた。
→この理論には秩序維持のためには多少法を逸脱しても構わないとする面があり、警察職員を抑制できなくなったから。

(例)実際、ハイチ系移民が警察署内でリンチを受けた事件、西アフリカ系移民が私服警察職員4人に職務質問を受けポケットに手を入れたところ41発もの発砲を受け死亡したという事件などが起きている。

②自由の象徴だったニューヨークが自由を犠牲にして安全を得た代償として

「規制社会」

になってしまった。

③そもそも治安が改善したのは別の要因(少子化による若年人口の減少と好景気)が原因ではないのか。

④ゼロトレランスは割れ窓理論とは似て非なるもの。犯罪は更に潜行している。

「外面だけ保ったに過ぎない」。

札幌市の政策について

①客足が遠のき、すすきの界隈の商店、飲食店が閉店を余儀なくされ、シッャターだらけの廃墟のようなビルが増えた。

②治安促進を推進していた商店街組合の会員の閉店・撤退により商店街組合の経営が悪化し、解散する商店街組合も出てきた。

③すすきの界隈では犯罪は減ったが、他の地域の犯罪が増え、市全体の犯罪は逆に増加した。

こうした弊害を少なくするために、警察機関の介入を一定の手段・地域に限定するという代案も提案されている。




札幌もニューヨークも「きれいになった」代りに何かを失ってる。

この記事の内容だけから判断すると

「札幌のキズ」

の方が深い。



せっかく「街をキレイ」にしても、「街の勢い」を殺しちゃあイミが無いよね。

ススキノは自分がいるときから、少しさびれてきてた。

「街をキレイにする」ってことは「街の魅力」をそぎ落とすことにつながることがある。

人間てのは「あんまり、キレイすぎるところ」では落ち着かないもんだ。



知ってるお店でも

「きれいにした」のはいいんだけど、

「雑多な商品」の楽しさや「隠れられる場所」がなくなって、

いづらい場所になっちゃった、ってのがあった。



もう一つ大事なのは

「何を求めてきてるのか」

ってこと。




みんな、普段の「くそ面白くもない日常(会社)」を忘れて「ハネを伸ばしに」来てる。

で、今やってることは

その場所を規則だらけの「学校」に変えちゃうってこと。

せっかく「会社」出たのに「学校」じゃねえ・・・。

「学校でおいしく酒飲める」ヒトはいないし、興ざめだ。



上の記事をみても

悪質な犯罪は「潜ってるだけ」みたいだし、




もう一度、「どんな街にしたいのか?」って考えてみた方がいいと思う。




ぼくは「すすきの」スキでした。華やかで、ホッとする街だった。

確かに「客引き」はウザイけど

「常連」さんにとっては、どうってことないし、なにより、



そういう街作りの基本て、まずは「リピーター」っしょ。
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