楽天ここからが本当のスタート(田尾監督解任への私見)

田尾監督解任を1面トップで報じる地元の河北新報

我が仙台市を本拠地とするプロ野球『東北楽天ゴールデンイーグルス』の
田尾監督の今季限りでの解任が一昨日発表された。
この解任に対して当たり前だが賛否両論がある。
それはそれぞれの視点の違いでありどちらも否定されるものではない。
そこで自分なりの私見を書いてみた。

昨日時点での成績が134試合38勝95敗1分でダントツの最下位である。
昨年近鉄とオリックスというパリーグで最下位と5位のチームの合併で
余った選手を中心に作られた球団の戦力でしかもチーム立ち上げの準備期間がたった3ヶ月では誰が監督をしてもこの成績だったろう。

自分流に考えれば結果が同じなら監督は誰でもいいってことだと思う。
・・・ということはそんなときに何も無理に名将や知将を呼ぶ必要はないと
考えたのだろう。

だったら新しい球団にとって何よりも大切な話題作りと地元受けを優先する監督人選は企業としては至極真っ当な考え方だったのではないだろうか。
その意味で新しい球団に名前は売れているが監督経験がなくしかも人柄・人格や
現役時代のスター性で申し分のないフレッシュなイメージの田尾氏の起用は
とても良い人選だった。
しかもその手腕が未知数ゆえに逆に期待感もある。
負けて当たり前のチームなので球団にも強いプレッシャーがかかることもない。
新球団立ち上げにはもってこいの監督だったと思う。

球団としてもできることなら田尾監督に人気だけじゃなく実力が伴っていることを願ってはいたと思うし本来それが理想だったとも思う。

しかし現実には戦力差以外・・・監督の采配などで負けた試合が多いということを自分の周りの野球通からも聞いていたし、評論家の間にもそのような意見が多かったという。
実際仙台市民も全部が田尾マンセーではない。
ただヒステリックな人の声の方が大きいだけで冷ややかな人も多い。



さらに地元の河北新報の記事によれば「このチームにまったく一体感がなかった」という選手の監督に対する厳しいコメントも載っており、この寄せ集め集団をまとめるのには田尾監督のソフトさや優しさが逆効果になったのかもしれない。
(各選手のコメントでは元近鉄の選手と他チーム出身選手とで内容の違いが大きいようだ)

マスコミでは成績不振のため解任の文字が躍るが、実際にフロントのコメントを読むと「負けてもしかたがないが、来年以降に希望が持てる監督か?」という部分の分析を重視したという。
これはすごく大切な姿勢だと思う。


このままいっても楽天はやがては開店セールが終わった状態になる。
そこからはその店の本当の実力でお客さんを呼ばなければならない。
プロスポーツで強いチーム作りは至上命題であり、特に今年の内容を冷静に見ればここまで脆弱なチーム状況では新人監督にとってあまりにも荷が重いということはハッキリしていると思う。
3年契約のことをいう方もいるが「契約があったので会社が潰れました」では話にならない。
(ただ違約金とかはきちんと対応しなければならない・・・これをうやむやにしないっていうのが本来の契約社会という意味だと思うが)

河北新報27日朝刊にはあるベテラン野手の話として
「田尾監督は自分が現役時代天才タイプだったため挫折を繰り替えしては這い上がってくる選手の気持ちがなかなか分かってもらえなかった」
とのコメントが載っている。
また8月のお盆以降は試合中にも関わらず選手が代わる代わるベンチ裏のロッカー室にきてはタバコを一服するほどチームはすさんだ状態だったという。
選手が悪いという見方もできるが会社でも学校でもモチベーションが下がるのははたして下の人間だけの責任だろうか?
プロだからというなら、その理論でいけばそれをまとめ指導する立場の人はさらにプロでなければならないはずだ。

その意味では次期監督が噂されている「野村選手再生工場」異名を持つ野村監督に球団の一からの基礎作りを任せることはいいことだと思うし、その選手再生の手腕にも期待したいものである。


一時的には田尾監督への同情論が出るだろうが、ハッキリ言って「ファン心理は秋の空」的なところがあり弱いチームはやがて必ず人気が低迷する。
特にサッカーと違い試合数の多いプロ野球ではその問題が致命的でこれが
今まで相次ぐパリーグ球団の身売りの原因になってきたことは否めない。
球団は絶対に先を見る姿勢が大事だと自分は思う。

田尾監督にはほろ苦い経験だったかもしれないが、とにかく監督デビューを
果たしたし最初の監督経験で失敗した後、それを糧にさらに成長して大成した
監督さんが球界には実に多い。
田尾氏は今回の経験を生かしまたきっと球界に復帰することができる人材だと思う。
田尾監督の1年の労をねぎらうと共に今後のご活躍を心から期待したい。

そしてこの解任の理由に『強いチーム作りこそファンの熱い思いに応えること』といった球団社長の言葉が実践されること強く望む。
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