ウッドなベースのギター弾き

ウッドベースとギター使いのJAZZCATの、音楽どっぷりの雑話。プレイヤー受けを狙っている。

デジタルPFのアイデア

2009-11-09 22:33:31 | ひとりごと
あの大御所の中本マリさんとピアノ大御所の吉岡ひであきさんのライブを見てきて、意外な発見があった。
ライブでの楽器はCASIOのプリヴィア。
デジタルPFの中においては、タッチ・音質とも割合に良い方の機材である。
今までその楽器を使っていろいろなピアニストやキーボーディストの演奏を聞いたことがあるが、
いわゆるデジPfの音だった。
単音はいいんだが、和音がうまく溶け合わない感じ。
また、ffで弾いたときに音のピークが鋭く、歪みが耳につくアノ感じ。
で、吉岡さんがソレ弾いたんだが、全く印象が異なった。
よりピアノっぽいというか、少なくてもデジPfのあのイヤなピークが感じられない。
なぜこうもいい音がするのか・・・ポイントに気付いた。
まず、ボイシングがやや少なめ、あまりペダルも踏んでいないようだ。
これは、生PFだと結構音を重ねていっても各弦の音が互いに楽器本体の中で影響しあい、
複雑ながらも一体のイメージとして聞こえてくるが、
デジPfは、基本的に単音のスイッチのため、音を重ねて弾いたときにそれぞれの音が影響しあわないので、
ヘタするとただ濁る。
だから、デジPfでは、複雑なハーモニーは向かない。
あと、生Pfよりタッチを弱く繊細にしているようだ。
生Pfの鍵盤を強弱つけて弾いたときのpp~ffまでの変化量に対してデジPfは変化量が少なくしかも変化のカーブが急激なので、
生Pfのつもりのチカラ加減では、スグにMaxとなってしまい、
アノ耳に付くいやな歪み音がでてしまう。
音色を優先に考え、デジPfが表現しうる音色上限に注意しながら、タッチを弱めていたようだ。
足りない音量は機材のボリュームで調整してたみたい。
普段はバップPfで力強いプレイの吉岡さんが弱めのタッチで弾いていたのは
こんなことからか。