京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

京の話題(平安京その498)三月は涅槃絵の季節、真如堂、涅槃図御開帳と花供曽(はなくそ)授与-1

2013-03-07 00:11:27 | 京の話題

「鈴聲山」(れいしょうざん)と号する正式には「鈴聲山 真正極楽寺」で「天台宗」のお寺ですが我々庶民は、 「真如堂さん」と親しいんでいます。このお寺は以前に記載しましたが、三月では「涅槃図」の御開帳が京都では、多くのお寺で有ります。以前に「涅槃図」の特集をしました。私の、大好きな独断と偏見でhttp://blog.goo.ne.jp/itodoya/d/20130225

この三月には、このお寺で「花供曽」(はなくそ)、の授与が有ります。”鼻糞”では無いですョ。

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ここ「真如堂」も年に一度の「涅槃図」御開帳でし。「真如堂」は簡単に、

創建は正暦3年(992年)比叡山の戒算上人。第66代「一條天皇」の勅願寺となり「天台宗」の巨刹として荘厳な伽藍を誇りました。しかし、応仁の乱などで全ての諸堂が焼失し、寺地をてんてんとし、「足利義政」寄進で文明16年(1484年)この地に再建されました。

しかし、その後、移転を繰り返して、ようやくこの地に「徳川綱吉」「桂昌院」などの寄進で、元禄6年(1693年)戻りました。ご本尊は「阿弥陀如来立像」で「円仁」(慈覚大師 794~864年)作と伝えられています。

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「真如堂 」の、「花供曽」(はなくそ)は、正月、御本尊に供えた鏡餅のお下がりを小さく刻んで軽く焼き、黒砂糖をからめてお菓子にしたものです。ほわほわして柔らかく、黒砂糖の風味が程良い、一粒食べたら止められません。美味しいです。

その変わった名前は、仏様への供物を意味します。「花供御」(はなくご)に由来するものと言われています。この「花供曽」をいただくと「無病息災」で過ごせるといわれ、昔からこのお寺で、「涅槃会」に参拝された方に授与されています。(拝観料込みで600円で、この”花供曽”単品で250円です)

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そして、年に一度の「涅槃図」です。堂内は撮影禁止ですが、お断りして一枚だけ撮影させて頂きました。有難うございます。(合掌)

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色々な「涅槃図」を見てきましたが、この「涅槃図」は「釈尊」(お釈迦様)が入滅される時の図で、この「涅槃図」は御弟子様だけでなく、象・馬・虎・彪(ひょう)・牛・痩せ犬・麒麟・猪・山羊・鹿・兎・狐・鼠・蛇・鰻・カマキリ・バッタ・ゴキブリ等の全ての生類も「釈尊」が入滅するのを悲しむ姿が描かれています。面白いのは、猫は描かれていません。猫を除く理由は「釈尊」の急を聞いて駆けつけた「摩耶夫人」が投げた薬が木にひっかかったのを鼠が取りにいくのを邪魔させないとか、猫は鼠を捕って殺生するからだと、いう諸説が有ります。。しかし、弟子の「貞極」はそれは根拠のない事と否定しています。「貞極」の師弟はあらゆる生類を差別なく描くように努めたという事です。

この画像では良く分かりませんので、絵葉書をじっくりご覧下さい。美しい「涅槃図」です

極彩色の美しい絵葉書を購入しました。これを、じっくり眺めてください。

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全くの蛇足ですが、この「釈尊」(お釈迦様)の姿は医学的に理想的な「回復体位」と言って、心肺停止以外で急に倒れた病人を、救急隊員が到着するまで、とりあえずこの姿勢にするのが理想的と聞いています。昔の人は賢かったです。心肺停止の場合は、AEDを準備して、心臓マッサージ(胸骨圧迫、100回/1分)が必要ですが。(実際に、ダミー人形で何度も訓練した覚えが有ります。100回/1分はきついです、疲れたれたら、他の人に代わってもらう必要があります。しかしAEDは賢い)

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なんとも、多種多様な生類が描かれています。動物・魚・鳥類・昆虫まで。

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色々な生類が描かれています。珍しい「涅槃図」です。一度は実物を参拝にお奨めです。勿論、この絵ハガキもお奨めです。(350円)

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次記はこのお寺の庭園を記載します。借景を使った「涅槃庭園」です。

左京区浄土寺真四如町82

(たわごと)

昨日の、「高等裁判所」の「一票の格差」の判決。「最高裁」も二回の判決が出ています。なのに、何も手を付けない、国会議員。人間、自分で自分の首を絞めるのは無理かもしれません。第三者委員会でも設けて、これで「一票の格差」を無くすのと?それは、今の法律では不可能です。何しろ、国会が立法府ですから。難しい、三権分立。