京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

京の話題(平安京その12)不思議な三本足の鳥居

2011-09-22 10:07:04 | 京の話題

不思議な三本足の鳥居が有ります!

前記の京福電鉄の「西院駅」(さいえき)から10分たらずの駅に「蚕の社駅」が有ります。そこから歩いて五分・けんけんで十分(又始まった)の所に「蚕の社」が有ります。

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一般的には「木島神社」(このしまじんしゃ)と呼ばれていますが、正式名称は「木島坐天照御霊神社」(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)と言う長たらしい名前です。祭神は「天之御中主神」(あまのみなかぬしのかみ)他です。

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この地は「太秦」(うずまさ)といわれ、「続日本記」によると、 七世紀頃、渡米人の秦氏の根拠地 でした。又、秦氏は養蚕や酒造りの技術にも優れていました。よって一般的にこの神社を「蚕の社」と呼ぶようになりました。

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この、神社には世にも不思議な三本足の鳥居が有ります。三方どこから見ても「鳥居」のかたちにの正面に見えます。(三柱鳥居)また、真上から見ると三角形に見える不思議な鳥居です。

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中央の下には「元糺の池」が有ります。昔は湧水が有り「神の池」でしたが、現在は湧き出ていません。上に石を積み上げ御幣を立てて「神座」(かみくら)と言われ、宇宙の中心を表し三方より拝むことが出来ます。

三本足には諸説が有りますが、秦氏はシルクロードを通じて絹織物の交易をおこなっていたので、古代オリエントと通じていました。この古代オリエントで広まった景教の影響を受けていた秦氏は三本鳥居でキリスト教の三位一体を表した説。

また、秦氏は鳥居の三方が関わりの深い「稲荷山」「松尾山」「双が丘」(ならびがおか)の三方に有る遥拝所(ようはいしょ)に向かうように造ったという説もあります。冬至に稲荷山から昇る朝日と松尾山に落ちる夕日の二面から拝する事ができ、そしてもう一面から双が丘を正面に拝することが出来るようにするためです。

しかし、本当のことは審らかでは有りません。巨木が並び立つ薄暗い森の涼しげな空気の中で、この三本足の鳥居が不気味に立っています。

次回は、「蚕の社駅」から京福電鉄(嵐山線)に乗り15分位で行ける「龍安寺」の不思議な「石庭」を散策します。不思議な謎が隠されている石庭ですよ。

注:太秦(うずまさ)の地名のいわれは雄略天皇があちらこちらにいた秦氏を集めて租税としてカトリ(上質の絹)を朝廷に沢山積み上げたため、天皇はうず高く積み上げた絹の様子を見て「うつまさ」という姓を賜えたところから「太秦」とついたと言われている。

注:景教とはネストリウス教キリスト教

注:続日本記(しょくにほんぎ)平安期初期に編集された「日本書紀」に続く六国(りっこく)の第二に当り、菅原道真らが延暦16年(797年)に完成した。奈良時代の基本資料である。