珍しいお寺です。(親切で身も心も癒せる、ゑんま様)
昨日の話題で、朱雀大通はほぼ千本通に重なると述べました。「船岡山」までに至る途中の南西に「閻魔前町」が有ると記載しましたので、その所に散策しました。千本今出川上がる西に「千本ゑんま堂」正式には「引接寺」(いんじょうじ)が有ります。なんと、ご本尊は「閻魔法王」です。
百人一首の歌人で平安京の参議・小野篁(おののたかむら・802年~853年)の開基、定覚上人の開山によると言われています。この小野篁は面白い逸話が有り、昼は宮中に仕え夜になると閻魔大王に仕えていました。さらにこの小野篁は「供養法」で後に、この国の伝統習慣である盂蘭盆会(うらぼんえ)へと発展します。その根本道場として現在この地に篁みずから「閻魔大王」の像を彫って建立したのが「ゑんま堂」です。
ここのご住職は庵主様(尼僧・女性の僧)です。なんと気品に満ち溢れた、まるで瀬戸内寂照さんのような方でした。私に、優しく説明くださいました。
本尊は「閻魔大王」で怖いですよ。ご住職のお話では「閻魔大王」人を裁いて地獄に落とすと思われていますが、実は間違いです。本当は地元の人々を守るお地蔵様だそうです。人を災いから救い導く仏様です。人は皆、天と地の狭間にて生かされているというのです、それを守護してくれる有りがたい仏様です。その閻魔様に睨まれて心穏やかに手を合わせて欲しいとのことです。(合掌)別に宗派は問わなくても。
本尊はこわ~い閻魔様です。(地獄に落とされないように)
たまたま、16日に訪れた日はお彼岸の入りで檀家の方数名が法要されていました。勧めもあり厚かましくも法要にご一緒させて頂きました。ちゃんと、お香も手に頂き、焼香もお坊さんが、どうぞ、と言って下さりいたしました。なんと、厚かましくも、昼餉のお下がりも頂きました。(初めて来たのにどこまで厚かましいのや)檀家の方は五名位、その中に私も入れさして下さいました。(毎月16日はゑんま様の日)
皆さまもご一緒に法要を。
厚かましくも、頂いた昼餉です。松茸ご飯です。(今不作で値段が高いのに)御馳走様でした。これに、フルーツも付いていました。
その他、お守りに色々な物も有ります。
まだまだ、この境内で見どころが有ります、もう少し明日紹介します。
皆さまもご存じの、このお寺ゆかりの歌人百人一首にもある、小野篁の一首
和田の原 八十島かけてこぎいでぬと
人には告げよあまのつりふね
百人一首11番目です。次回へ。今回もギャグ無。
注:「開基」寺院又は宗派を創立すること。
「供養法」亡き先祖を再びこの世に迎える行事。
「盂蘭盆」祖霊を死後の苦しみの世界から救済する為の仏事。(語源はイラン語からのurvanとの説も有ります)