京の話題

12000年以上続いた「平安京」の文化・寺社仏閣・お祭り等を紹介します。

京の話題(平安京その16)化野念仏寺のお参り

2011-09-26 19:05:33 | 京の話題

もうすぐ紅葉の季節です。ちょっと先取りですが、京福電鉄に乗ったので、終点の嵐山駅から1.5Kmほど歩いて、嵯峨野の「化野」へ行ってみます。

ここも弘法大師のゆかりの地です。平安時代、貧しい庶民は、天災や飢餓が続いて多くの人が死んでいきました。道端には多くの死骸が放置され、その為、疫病が蔓延し悪循環となります。その時代は埋葬する所は三か所しか有りませんでした。東の鳥辺野、北の蓮台野、西の化野でした。庶民はこの三か所に死骸を集めて野ざらしにしました。

弘仁2年(811年)ここを訪れた弘法大師(東寺で詳細紹介しました)が野ざらしにされた死骸を憐れみ、また厄病を無くすために庶民に土葬を教えて供養の為千体以上の石仏を祀ってここに、如来寺を建立しました。

後にここが「化野念仏寺」となります。今でも多くの石仏がひっそりと並んでいます。

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本尊は阿弥陀仏坐像で、現在の本堂・庫裏は正徳2年(1712年)岡山より来たものです。ちょうど訪れた時はお彼岸法要でした。

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毎年8月23・24日にこの石仏に蝋燭を灯し、先祖の供養をします。嵯峨野の夜の何か物寂しい、しかし心優しい景色が浮かんでゆきます。(アベックにはもってこいです)有名な「千灯供養」です。

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また、出来れば来年その不思議な光景を紹介します。

注:化野(あだしの)とは「化かす」「化ける」の事でここの不思議な読み方は、「はかない」「むなしい」からきた読みで「あだしの」となります。「化野」は「この世には人が生を受けて死んでいくはかないもの、よって極楽浄土に行く事を願う」と言う昔の人々の思いが込められています。