弁護士パパの子育てノート

3人の子供の子育てにかかわる日常の中で、「これってどうなんだろう?」と考えたことをいろいろと記してみたいと思います。

弁護士というお仕事

2015-06-21 20:23:05 | 子育て
私が弁護士になりたての頃、生まれ故郷に戻るたび、祖母から、「大変じゃね~。悪い人の味方をせんといけんから。」と言われていました。

おそらく、祖母の中では、弁護士という仕事についてテレビドラマなどで培われたイメージしかなかったのでしょう。

私は、そんな祖母に対し、刑事事件において被告人が罪を犯しているとは限らないこと、罪を犯した人間にもどこかにいいところがあるはずであること、そもそも、弁護士って刑事事件ばかりやっているわけではなく、普通は時々しかやってないということ、等々を一生懸命説明したものでした。

ところが、次の年も、祖母は私の顔をみると、「大変じゃね~。悪い人の味方・・・・」と同じことの繰り返し。亡くなるまでそうでした。

私も、知らないうちに、「そうなんよ。大変なんよ~。」と笑って応じるようになってしまっていました。


そんな経験があるからかもしれませんが、私は、子ども達に自分がどんな仕事をしているか、一度も説明をしたことがありません。

きちんと理解してもらうことは無理、とはじめから思い込んでいるからかもしれません。

でも、「パパはどんな仕事をしているの?」という質問に、いつかはきちんと答えなければならない日がくるのでしょう。

弁護士の仕事は人によってやっていることが異なりますが、あえて一言で言い表すならば、法律という社会のルールのもとで依頼者の利益を出来うる限り護る、そのために、考えたり、書いたり、しゃべったりするといったようなものになるでしょうか。

でも、こんな説明ではあまりに抽象的ですし、また、社会生活を営んでいく上で誰もが多かれ少なかれ行っている所為であって、子ども達には仕事としてのイメージがまったく湧かないでしょう。

「パパがこの橋を作ったんだよ。」
「パパは火事を消して人を助けているんだよ。」
などと、格好いい、具体的なイメージをともなう仕事の説明ができるといいんですけど。

ところが、私は、頭の中で自分の仕事をイメージしてみても、颯爽と法廷でしゃべっている姿などはまず頭に浮かんできません。

浮かんでくるイメージは、他人が自分で解決するにはストレスを感じすぎる問題について代理人として頭と胃を悩ませている姿、〆切に追われて必死で書面を作成している姿、等々といった、地味~で、疲れてしまうようなものばかりなのです。

決して子ども達にとって格好いいイメージなんかではありません。


私の子ども達は、今のところ、私のことを、(事務所の)近くに『のりもの倶楽部』というびっくりするくらいたくさんの飛行機の模型が山積みされている夢のような場所がある、そんなところに毎日行っている羨ましい人と思っているようです。

大人になると毎日、楽しいことがいっぱいと思っているようで。。

そう思って、勉強など頑張ってくれれば嬉しいわけで、子ども達がもっと大きくなるまではこのままでいいのかな~

という気がしています。




Copyright(C) 中田憲孝法律事務所 all rights reserved
中田憲孝法律事務所











最新の画像もっと見る