弁護士パパの子育てノート

3人の子供の子育てにかかわる日常の中で、「これってどうなんだろう?」と考えたことをいろいろと記してみたいと思います。

エスカレーターにおける危険性

2015-05-24 07:15:00 | 子育て

小さな子どもを持つ親にとって、エスカレーターは事故の起こりやすいとても危険な場所というイメージがあると思います。

エスカレーターで生じる事故のうち、
・乗降口でつまずいたりして転倒する
・エスカレーターが何らかの原因で急停止し転倒する
・手すりの上に身を乗り出したりして転落する
等といった事故については、その態様を明確に思い描くことが出来ます。

ところが、小さな子どもの事故として、よくエスカレーターの踏板(ステップ板)や手すりに足や手が巻き込まれて指の切断等を生じてしまうといった恐い話を耳にするのですが、私には正直その態様がイメージしにくいところがあります。

というのも、エスカレーターに乗って踏板(ステップ板)や手すりをじっと見てみても、人の指が巻き込まれるような隙間などないように見えますし、降口付近で踏板間の上下段差が徐々になくなっていく動作などを見ても踏板と踏板の間、踏板と降口との間に足の指がはさまるような隙間が生じているようには見えないからです。

そこで、ちょっとエスカレーターにおける過去の事故の記事等を見てみたのですが、実際に生じている事故と自分のイメージとには齟齬があることに気付きました。

まず、少し前に大きな社会問題とあった樹脂製のサンダルを履いた状態での巻き込み事故などをみますと、態様としては、踏板の側方とサイドの壁との間にサンダルが挟まることで巻き込みが生じることが多かったのですね。

たしかに、あらためて見てみますと、エスカレーターの踏板の側方にはほんの少しだけ隙間があるように見えます。

私はてっきり、巻き込まれてしまうのは踏板の前方とばかり思っていたのですが、側方(横)も危険だったのですね。たしかに、エスカレーターの踏板には黄色い線が横にも描かれています。

もちろん、踏板の前方や後方でロングスカート等が引っ掛かって巻き込まれてしまう事故もあるようですので、前後左右とも、踏板の黄色い線の内側に立つことは大切ということになります。


次に、手すりに手の指が巻き込まれる事故について、エスカレーターの乗降口付近で手すりベルトがU字型に曲がって下で吸い込まれていく箇所(吸い込み口)で幼児が手を巻き込まれて指を切断してしまったという事故がとても気になりました。

大人の目線からは乗降口付近の手すりベルトの吸い込み口などには通常目がいかないのではと思いますが、しゃがみこんで見てみると、確かに、そこにはちょっとした隙間があり、好奇心旺盛な子どもが思わす手を入れてしまいたくなるような雰囲気があって、とても危険な個所にみえます。


エスカレーター付近で子どもがひとりで遊ぶのは危ないということを実感させられます。


上に書いてみたような事故態様は一部であって、エスカレーターの事故態様にはもっといろいろなものがあるはずで、日頃、普通に乗っていては思いもしないような形で事故が生じるのだと思います。

そして、サンダルの巻き込み事故などでは3歳から5歳までの幼児が75%を占めているようで、やはりエスカレーターでは小さな子供の事故が多いようです。

よくアナウンスで流れていますが、
「エスカレーターご利用のお客様は、ベルトにおつかまりになり、黄色い線の内側にお乗りください。小さなお子様をお連れのお客様は、手をつなぎステップの中央にお乗せください。ベビーカーは危険ですのでエスカレーターでのご使用はご遠慮ください。エスカレーター付近で遊んだり、エスカレーターから体を乗り出したり、駆けあがったりは、大変危険ですので、おやめください。」

今は、無駄なく大切なことが言い尽くされているように聞こえます。



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洋式トイレとおしっこ

2015-05-18 04:55:36 | 子育て
結婚してからあっという間に10年という年月が過ぎてしまいましたが、結婚以来ずっと私の役割となっているのが、風呂・洗面台・トイレといった水回りのお掃除です。

習慣になっているからか、意地になっているからか、妻が育児休暇に入り保育園の送りなどの他の役割が一時免除されても、水回りのお掃除は私の担当のままです。

毎日、浴槽をゴシゴシ洗ったりしていますが、週末にはちょっと力をいれて全体の掃除をし、これが終わってようやく本当の休日気分に浸ることが出来ます。

そんな水回りのお掃除担当者にとってちょっと考えさせられるのが、小さな息子たちの洋式トイレにおけるおしっこの仕方です。

休日に、トイレの便器や床を磨き上げて「あ~、終わった~!」と爽快な気分に浸っているときに、「おしっこ、おしっこ~」と言いながら息子がトイレに入っていき、出てきたときには便器や床がぬれてしまっているなんてのを見たときの空しさは言いようがないものがあります。

そんな時、私は息子たちに、「家では座っておしっこしてくれないかな~」と言うのですが、長男は「男の子はトイレでは立っておしっこするって教えてもらっている。」と言って拒否、次男は失敗して注意されるのが嫌なのか最近座っておしっこをするようになっているのですが、それでも「保育園ではおしっこは立ってするって言われているよ。」とあまり納得していない様子。

そういえば、私が子供だった頃には、洋式トイレにはよく奥の壁に使用方法を記したシールが貼ってあり、「男性 小便=便座をあげて立って行なっているイラスト」が書かれており、洋式トイレはそのように使うものだと当然のように思っていました。

でも、このシール、最近まったく見なくなりましたね。

男性の場合、家の外では、男子トイレに小便器が設置してあってこれを使用することが断然効率的で、あえて洋式トイレでおしっこしたいなんていう人はいないでしょう。

ところが、家の中では洋式トイレしかないのでこれを使用するしかないわけですが、便座をあげて立っておしっこすることが必ずしも作業として効率的とは思えない一方で、トイレを清潔に保つ観点からみると座っての方が断然効率的に思われます。

トイレ掃除ばかりしているわけにはいかないので効率は大切。

と、水回りの掃除担当者としてはどうしても考えてしまうのですが、この点、あまり強調すると、子どもたちから自分の仕事が楽になることばかり考えている人と思われかねないので、適当にはしています。

それでも、ふと気づくと、私が上記のようなお願いをするようになってから、息子たちがトイレを汚すことはめったになくなったように感じています。

「掃除する人のことを考えて、注意してくれているのかな。」とちょっと嬉しく思っているところですが、楽観しすぎでしょうか。



胎児と相続2-借金って相続するの?

2015-05-10 05:55:27 | 相続
「胎児と相続1」で触れたとおり、胎児も相続人となります。

したがって、初めての子どもを妊娠中に夫が亡くなった場合、妻と生まれてくる赤ちゃんとが相続割合2分の1ずつということで夫の財産を相続することになります。

ここで注意しなければならないのが、相続とは、相続人が被相続人の財産に属した『一切の権利義務を承継する』ものであって(民法第896条)、現金や預貯金、土地・建物、自動車などといったプラス(+)の財産のみならず、借金等の負債や連帯保証人の責任などのマイナス(-)の財産も引き継ぐということです。

「借金などの負債も相続の対象となる。」

これは相続における基本ですが、意外と認識のない方も多いのではないでしょうか?

借金などの負債を相続することについては、相続人が幼児や赤ちゃん、胎児であったとしても何ら変わりはありません。

したがって、先ほどの例で、例えば、妊娠中に亡くなった夫に200万円の借金が残っているといった場合には、相続によって、妻と生まれてくる赤ちゃんは100万円ずつ借金の返済義務を引き継がなければならないということになります。


では、このような場合に生まれてくる赤ちゃんは、必ず父親の借金を背負って生きていかなければならないのでしょうか?

そんなことはありません。

相続人は、家庭裁判所に『相続放棄』の手続をすることで、被相続人の財産を相続しない(はじめから相続人とならない)ことが出来ます(民法939条)。

この相続放棄の手続きを行うことによって、預貯金等のプラス財産を一切引き継ぐことが出来なくなりますが、借金などのマイナス財産も一切引き継がないですむことが出来るのです。

もちろん、胎児も、生まれてきた後に相続放棄をすることが出来ます(※)。

この相続放棄手続ですが、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」に行なわなければならないとされており、胎児の場合には、出生の後、法定代理人(先ほどの例では子どもの母親)が子どもに相続が生じていることを知った時から3か月間に行わなければならないと考えられています。

この期間を過ぎてしまうと、相続放棄が認められなくなる可能性がありますので要注意です。

また、例えば、相続人が亡くなった被相続人の預貯金を引き出して使ってしまうなど財産の処分行為をした場合にも、相続放棄が認められなくなる可能性がありますので、注意が必要です。


子どもの健全な経済状態を守ることは親の大切な役割のひとつですが、誰しもがある日突如としてマイナス(-)の相続を受ける可能性があることを考えると、『相続放棄』という手続きの存在を頭の片隅にもっていても損はないと思います。

そして、この『相続放棄』の手続は、家庭裁判所のHPを参照したりしてご自身で行うことも出来ますが、分かりにくいところがあったり時間的に手続が困難というような場合には、信頼できる弁護士に依頼して処理を任せたほうが安心できると思います。

※夫に借金等がある場合、子どもが生まれるまでに妻自身がすでに相続放棄の手続をしていることが多いと思いますが、この場合には、妻と生まれてくる子どもとは利益が相反しないことから、妻が子どもの法定代理人(親権者)として子どもの相続放棄の手続をとることが出来る(特別代理人の選任は不要)と考えられています。


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消防博物館

2015-05-02 06:15:50 | 学び場
先日、家族で私の事務所のある市ヶ谷から四谷三丁目までブラブラと散歩をし、「消防博物館」という所に遊びに行きました。

この消防博物館、実際に稼働している四谷消防署の建物の中に入っていますが、何階かにわたってかなり広いスペースがあります。

地下にある消防車の展示スペースには、まさに絵本『しょうぼうじどうしゃ じぷた』から出てきたような古いポンプ車やはしご車が並んでいて、昭和の香りがプンプン。

地上には四谷消防署の現役消防車たちも並んでいるので、消防車が好きな子ども達にはたまらないでしょう。

子ども達は、消防服やヘルメットを着てみたり、屋上に展示してある消防ヘリの操縦席に乗ってみたり、企画で行われていたプラパン作りに挑戦したり、アンケートに答えてお土産グッツをもらったりと、楽しいことがいっぱいです。

もちろん、消防の歴史に関する展示物や火事・地震などの防災関連の展示物など、大人の勉強になるものも沢山あります。

その中には、マンションのリビングのショールームを使って住居の中に潜む子どもにとっての危険個所を説明したコーナーがあり、つい最近次男が手を挟んだばかりのドアの蝶番辺りの箇所も注意事項とされていて、おもわず「なるほど。」と呟いてしまいました。

窓付近には転落防止への注意が書かれており、先日の記事でも触れたいわゆる「高所平気症」にも触れてありましたが、この高所平気症に対しては、ブランコ遊び等で子どもに高さの感覚を身に付けさせるべきとの意見が書かれていて、「さすが消防、考え方がポジティブ。」と感心しました。


この博物館、見晴らしがよくて自由に飲食も出来る広い休憩スペースが設けられていますし(テーブル席が並んでいます)、授乳室まで用意されていて、子育て中の家族にはとても遊びに行きやすい場所だと思います。

しかも、大人も子どもも入場無料です!

ちょっとしたお出かけスポットとしてお勧めの場所です。




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