"いそ"あらため、イソじいの’山’遍路’紀行’闘病、そしてファミリー

“いそ”のページは、若者のキャリア形成を、目一杯応援するためにも“いそ”改め“イソじい”でリニューアル。

パライソメッセージ20130607

2013-06-07 18:00:07 | メッセージ

========================

パライソメッセージ 2013.06.07

         Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

========================

  「パライソメッセージ20130607」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。

 【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:【良い会社】の見つけ方(4)-『物』『金』『人』『情報』から見る【良い会社】③-

 【良い会社】かどうか、『金の』面から見るのは幾つかの普遍的な指標はある。ただしこれにしても価値観次第ではどうともいえない場合もある。中には、『自分は過去の自己資本の蓄積や内部留保はどうでもいい。要は利益が出るかどうかだ』とか『事業というのは一発勝負で、ハイリスク・ハイリターンが良いのだ』『自分が会社を作っていくのだ。全て自己責任だ』といったような考えもあるので、比較的普遍的な【良い会社】の指標であるかもしれないが、『正解』はないだろう。

 【良い会社】かどうかの指標を『人』からアプローチするとどうなるか。いろんな指標があるだろう。例えば、

・社員を育てる・・・OJTや研修が充実していたりメンターなどの制度がある

・評価制度によって待遇が決まる・・・自分が正当に評価されたい。それが報酬に直結すべきだ。

・年功賃金・・・長く働き続けたい。年数に応じて報酬も上げて欲しい。

・下請けや協力会社を大事にする、育てる・・・下請けや協力会社にも社員や家族がいる。

・福利厚生が充実・・・自分のワークライフバランスを大事にするために、待遇を考える。

・家族的な雰囲気・・・助け合う仲間的雰囲気がいい。

・希望する人の殆どが正社員・・・実際にこういった会社がある。中小に多いが、大手企業にも。

・多様な雇用形態・・・非正規社員の活用などでコストカットを優先するべき。

・徹底的な実力主義・・・コミッションセールス、完全歩合給で実力が報酬に現れる。

等々。これも個々の価値観によって【良い会社】の指標が異なってくるだろう。

 『情報』からアプローチすればどうなるか。

・情報受容拒否・・・外部の情報には影響されない、鵜呑みにしない。信念で行動(仕事)する。

・情報の活用・・・イノベーションの為に、積極的に情報を活用する。

・情報を発信する・・・リスポンスを期待してあるいは実益の為情報を発信する。

・情報を開示する・・・情報を共有することによってアイデンティティを形成。

・企業情報が社会に公開されている・・・会社のCSRが明確。社会的説明責任を果たす。

 等々。その会社が情報にどう関わり、どう処理しているかは自分にとって【良い会社】かそうでないかの判断の指標になるだろう。

 ブラック企業の対極に有る【良い会社】の探し方はその会社を物、金、人、情報のそれぞれから見て、そしてそれらが自分の価値観にどれだけ重なってくるか、ということになるだろう。それではどのようにして、物、金、人、情報を調べるかということだが、これは前に述べたように、会社のHPから業種、取扱品目、トップの話、企業理念、CSR等を見る、また会社四季報、就職四季報、日経テレコン21就活版、学校・ハローワークのウェブ、イントラネット等を読み込むとかなりイメージが出来る。しかし、非常に有効な方法はOB・OGや先輩社員を訪問し話を聞くことではないか。仕事の内容、その仕事の働き甲斐、夢の実現、ワーク・ライフ・バランスや、福利厚生について、社員教育や研修について、など自分が働くことに際してのイメージが随分具体的になるのではないか。

 勿論、OB・OG訪問して話をすれば全てがクリアになるわけでもない。『この会社はひょっとするとブラックではないか』と思っていても、ブラックに染まった先輩の話を聞くと、生き生きと確信を持って仕事をしているかのように話すかもしれない。それはそれで話を聞いて、違和感があったり自分には出来ないなあと思えば、その会社を選択しない判断をすれば良い。

 【良い会社】の判断は、そうして集めた情報を重ねてみれば良い。物、金、人、情報が、なるべく多く重なるのがいいのではないか。例えば『人を幸せにする物』を扱っていても超過酷な労働条件の企業も沢山ある。ハウジングメーカーなど、『お客様の夢を実現する商品』を扱っているというのに、極めて苛酷な労働条件であったり、ハラスメントまがいの研修があったり、といった話は珍しくない。また、また、『従業員や下請けを大事にする』が経営状態は実は火の車といったことも時々は聞く話である。自分にとって【良い会社】としての指標が重なる会社をリサーチするのが、【良い会社】の探し方ではないか。

 物、金、人、情報全てに自分の価値観に適った会社を探すのは、なかなか手間がかかるかもしれないし、考えているうちに就活の時間も過ぎていく。そういったときにもう少し『能率的に』就活をすすめるには、とりあえず大体イメージの適う企業の採用選考にどんどん挑んでみる。そして幾つかの内定がもらえたら、それからOB・OGあるいは会社訪問をして、より自分にとって主体的なキャリアデザイン形成の実現に結びつきそうな企業を選んでいくことも有効である。ただし、そうして会社選びをしてうまくいったときには複数内定があるのだから、内定辞退もしなければならない。その時には、ルールとマナーを守って、丁重に辞退しなければならないことは、いうまでもない。

(次回は「新聞記事から読み取るグローバル社会化への対応」)

 

「一押しBook」

書名:若者はなぜ「就職」できなくなったのか?

著者:児美川孝一郎 1963年生まれ。法政大学キャリアデザイン学部教授(現在学部長)。著作は『権利としてのキャリア教育』『若者とアイデンティティ』『ニート・フリーターと学力』等。

出版社:日本図書センター 2011年2月初版 本体1,500円+税

内容:

 法政大学のキャリアデザイン学部は、創設メンバーとして主要な役割を担われた清宮先生をはじめとして、一貫して学生が主体的に自らのキャリアをデザインしその実現を目指すための教育・研究を進めてきた。その中でも、児美川先生は一貫して学部のミッションの実践を推進してこられた。学部教員は他にも上西充子先生や宮城まり子先生等活躍されている先生方が多くおられる。

 本著において問題意識の軸となっているのは『若者たちの「学校から仕事への移行」プロセスの変容をめぐる諸問題の構造を、できる限り客観的に描き出し、若者たちはそうした変化にどう向き合い、学校や教師たちはどのように若者を支援していけばよいのか』といったことである。

 内容は『学校はいつから『職業人養成所』になったのか』の章では「エンプロイアビリティ」に論及し、現在盛んに行われている文部科学省や経済界が主唱する「キャリア教育」に対して根本的に疑問を呈している。その背景となっている、雇用状況の厳しさ特に若者の雇用環境の厳しさの分析や、従来型の新卒一括採用の功罪の特徴とその問題点の分析も、次章で論及されている。その上で若者が自らのキャリアをデザインしていく上での学校教育の課題を述べている。

 全体を通して、雇用環境の劣悪さを分析・論述し、若者の自己責任への追い込みという社会のトレンドや「エンプロイアビリティ」「就職基礎力」を批判し、若者の主体的な自立を支援する教育の課題について述べられている、極めて実践的に即した問題提起の本である。

 本書は、教員・研究者、先生方の立場からの論述である。現場にいる職員は如何にあるべきか!!

 

イソの評価: ★★★★☆

(続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする