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胃癌日記50(番外編1-4)

2012-11-15 19:25:43 | 闘病

     胃 癌 日 記 50(番外編1-4)

         -スキルス胃癌発見(10月15日)から1年の日々-

           夏期登山、大峰山脈の弥山・八経ヶ岳

 (八経ヶ岳西稜線から弥山を振返る。小屋が見える)

 

 14時15分小休止。これは私が要求した。このあたりで村役場から標高差約950m以上登っただろうか。私の脚が言うことを聞かない。最初の急登から誤魔化し誤魔化し登ってきたが、いよいよ脚の筋肉に激痛が走る。きついコムラガエリが繰り返し起こってくるような症状で、筋を伸ばしたりマッサージしたりするが、治まらない。胃癌手術の退院後毎日の通勤で、10kmは歩いているのだが、やはり手術後の体力の低下がこんなところで出てくるのか。少し悲しいやら複雑な思いになった。

 

「これは、無理かもわからん。」

 

「どうするの?」

 

「皆は元気だし、次女がリーダーで計画通り登山して、俺は下りるかもわからん。下りて天川のどこかに泊まって、明日皆が戻ってくるのを役場で待っていてもいい。」

 

「一人で下ろされへん。」

 

「俺は大丈夫。それより皆で行動したほうがいい。」

 

 (弥山頂上にある大きな看板。元気な孫とツーショット)

 そんなやり取りをしながら脚をマッサージし続けた。暫く休憩し次女からポカリスウェットを貰って飲んで、脚をマッサージしたりストレッチを続けているうちに、激痛がだんだんと治まってきた。この先から暫くは、ナメリ坂、ナベの耳など上りやすそうな緩やかな道のようだ。

 

「少し収まってきた。後標高差300m程やし、とりあえず狼平までは、誤魔化し誤魔化しでも行ってみようか。いよいよ駄目だったら狼平小屋で考えるわ。暫くは登りも楽そうやし。」

 

「大丈夫?」

 

「たぶん大丈夫やろ。」

 

 ふと『へらへら』と笑った状態の登山靴に目をやり、なんとも情けなくなってきたが、気を取り直し14時25分出発。暫く行くと思ったとおりナメリ坂、ナベの耳と緩やかな登りで、ここは何とか順調に過していく。やがて頂仙岳(1,718m)の西側を大きく巻いたあと再び尾根に合流すると前方の視野が拡がった。そして前方には、目的の弥山・八経ヶ岳、それに連なる細尾山、日裏山が視野の中に飛び込んできた。15時10分、「やっと来た」これが正直な実感だった。

(以下続く)

 

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