日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

昨年エジプトに行って、セキュリティについて感じたこと

2005年07月24日 15時03分27秒 | イスラムライフ
ヒジュラ暦1426年ジュマーダー・ッサーニヤ(6月)18日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日)

 またテロが起こった。今回は、エジプトのシャルム・エル・シェイクか。

昨年、エジプトを旅行した際に感じたのだが、警官も軍隊も数は増え、ホテルの入り口にも金属探知機がついていたが、「穴」が多すぎる。

日本人イスラム教徒の旅行者ということで、現地でも話題となり、他のツアーの現地ガイドやら、ホテルの支配人やら、空港係員やら、警備員やら、とにかくもう、いろいろなエジプト人が接してきてくれて、それはそれで楽しかったのだが、「警備に緊張感が無い」ということはいつも気になっていた。

警官や軍人は数がいればいいというものではないだろう。ルクソールからアスワンに観光バスで向かったときのこと。
バス数台を、多くのパトカーと装甲車で囲むようにして移動したのだが、休憩地で警官に話しかけ、冗談で「腰にさげている、その拳銃を持たせてくれないか?」と言ったら、あっさりと持たせてくれた。私がもしテロリストで、そこで乱射したらどうするのか?

地域ごとに、観光バスに乗り込んでくる「セキュリティ」と呼ばれるスーツ姿の警備員。個人的に話してみると、「今、足を痛めていて実は警備ができないんだ」とか、「ここらへんは安全だから大丈夫」だとか言う。
観光地で、他の客もいるのに、私との話に夢中になるのも危ないと思った。

ホテルの警備も甘い。日本人や、偉そうな人は金属探知を潜らなくてもOKだし、例え潜って「ピーピー」鳴ったとしてもフリーパスだ。

こういう油断は、あっという間に、対象が日本人以外にも広がる。「同僚だから潜らなくてもいいや」「まだ少年だからOK」などと、だんだんと、警備が甘くなると思う。

ホテルの入り口の警備員たちとも談笑したが、警備員全員が私との話に参加して、その間、入り口はフリーパスということもあった。
ときには、自分たちの話で盛り上がり、警備そっちのけのホテルもあった。

また、ホテルの礼拝室はたいがい地下にあるのだが、駐車場からは警備無しであっさり入れるようになっているところがほとんどだ。
同じイスラム教徒やエジプト人を無差別に吹っ飛ばすようなヤツらは、平気で礼拝室にだって爆弾をしかけるだろう。

警官、軍人、警備員の数をいくら増やしても、「守るためのノウハウ」が全くできていない。そんな風に感じていたので、今回のテロの報に接したときには、「来るべきときが来てしまったなあ」と残念に思った。
油断の芽はそこら中に転がっているのである。