日本人イスラム教徒ゆとろぎ日記 ~アナー・イスミー・イスハーク~

2004年に入信したのに、2003年入信だと勘違いしていた、たわけもんのブログです。

本格的なブログ復活は9月かな?

2006年07月26日 06時24分27秒 | イスラムライフ
ヒジュラ暦1427年ラジャブ(7月)1日 ヤウム・ル・アルビアーィ(水曜日)
‎‎ 7月9日以来、全然更新していません。
 このブログも開設当時は毎日更新していたのに、一度書かなくなるとダメですね。

 なんでもそうだけど、軌道に乗せるのは難しいけど、軌道から外れるのはあっという間ですねぇ…。

 8月16日までに、依頼された本の第一稿を仕上げて、8月後半はスペインに行き、9月には別の仕事の〆切が待っています。10月にはアラビア書道の展覧会と、国際コンテストの作品提出(出場できれば)があるので、それに向けての作品作りも少なくとも9月初めにはやらないと間に合いません。
 うちの職場は二年後に合併するので、ぼちぼちその影響も出てきています。

 …と、それくらいでいっぱいいっぱいの私です。困った。
 その上、つまらない文章ばっかり強制的に書かされていると、つまらない文章しか書けなくなってきてガッカリです。
 健康のために、つまらない文章の書きすぎには注意しましょう。

 本当はレバノンのことも書きたいです。昨年訪れて「内戦の傷から立ち直り、シリアも撤退したんだあ。これからだな」なんて思ってから1年足らず。
 バールベック遺跡周辺で、呑気にヒズボラの連中と話し、Tシャツまで買ってしまったのが不覚です。

 参加したアラブ系のいくつかのイベントについても書きたいんですけどね。
 今年はアラブバザールも、アフリカンフェスタも、東京ブックフェアも行けなかったし、ついでに鎌倉円覚寺の夏期講座も行けなかった。
 その分、こじんまりとした楽しいイベントには参加したのですが、そちらは他の方が書いている日記や文章を見て、「ああ、楽しかったなぁ」と振り返っています。

 アラビア書道の苦戦記も書きたいのですが、とりあえずそんなものを書く余裕も無いくらい苦戦しています。

 これだけ更新していないので、さすがに一日の平均アクセス数が激減していますが、ときどき思い出したように400~500に跳ね上がるのはどういうことなのでしょう? 何が起こっているのか不思議です。もしかして2ちゃんねるあたりで、「日本人イスラム教徒を名乗るくだらないブログ発見!」とか叩かれているのかな?

アラビア書道の国際コンテストの課題

2006年07月09日 07時26分34秒 | アラビア書道
ヒジュラ暦1427年ジュマーダー・サーニヤ(6月)13日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日)
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トルコの国際アラビア書道コンテストの課題

 昨日のアラビア書道のレッスンで、トルコ国際アラビア書道コンテスト(正式名称は知らない)の課題が発表された。
 2年に1回行われるコンテストで、世界的にも権威のあるもの。私の所属する教室からも過去に入賞者が出ている。

 「みなさんもできるだけ奮って応募してみてください」という先生の言葉に、「よーし、チャレンジしてみようかな!?」という気になった。

 ところが課題を見て愕然。
 コンテストは書体別に行われる。伝統的な筆と、伝統的な技法を用いて、与えられた課題を制作することが義務づけられる。自己流とか前衛とかはダメなのだ。

 ルクア書体はこのようなコンテストには向かないので、ルクア体部門は無い。ということは私が現段階でエントリーできるのはナスヒー体部門のみということになる。

 そして課題を確認した。39行…。上の写真の赤線で囲った部分がナスヒー体部門の課題である。
 しかも、ペン先の幅は最大1ミリまでとするというルールがある。細い筆で39行を書いていかなければならない。途中で間違えればもちろん書き直し。
 う~ん、気が遠くなる。

 ちなみに他の書体はどうかというと、ジャリースルス体部門は2行の課題か1行の課題かどちらかを選択(上の写真の青で囲った部分)。

 スルス体部門は4行(上の写真の緑で囲った部分)。

 他の書体も長くて9行である。

 スルス体は最高峰であり、難しいから仕方ないけど、他の書体と比べると、気が遠くなるな、ナスヒーは…。

 しかし、10月の作品展でもナスヒー体でクルアーンを書いていこうと思って、練習中だし、チャレンジだけはしてみてもいいのかもしれない。

 ただし、先生の顔に泥を塗るわけにはいかない。作品を提出するときに先生の名前も書くらしい。
 だから、事前に先生から「これなら出してもいい」と言われるような作品を書かなくてはならない。

 硬い竹を自分で調達してきて削ってカラム(筆・ペン)を作り、先生にアドバイスを頂いては改良してゆく。墨壺も普段使用しているモノでは耐えられないので、細いナスヒー体用のものを自作してゆく。

 相変わらず、線の意志はなかなか読めない。でもしばらくは太くて無骨な感じのルクア体と、細くて繊細なナスヒー体を練習してゆくつもり。

 トルコ国際アラビア書道コンテスト。出場できるといいな。
先生のアドバイスを受けながら、先の細い筆を試作してゆく。太いルクア体と、小さいナスヒー体の対比。試行錯誤の過程。

ルネ・ラリック博物館でわしも考えた

2006年07月04日 05時50分10秒 | イスラムライフ
ヒジュラ暦1427年ジュマーダー・サーニヤ(6月)8日 ヤウム・ル・スラーサーィ(火曜日)
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 今回のタイトルはもちろん『インドでわしも考えた』(椎名誠)や『トルコでわたしも考えた』(高橋由佳里)のパクリである。

 さて、土曜日に箱根のルネ・ラリック博物館に行ってきた。まずはラリックの簡単な紹介。
ルネ・ラリック Runé Lalique(1860-1945)
 フランスを代表する装飾美術家だが、ガラス工芸家として有名。アール・ヌーヴォーからアール・デコにまたがる時代に活躍。オリエント急行の内装を手がけたことでも名をあげた。


 私の活動範囲内には、ルネ・ラリックの作品が見られるところが多い。今回行ってきたルネ・ラリック博物館もそうだし、すぐ近くの「箱根ガラスの森美術館」「山中湖高村美術館」「SUWAガラスの里美術館」などなど…。
 著作権などの問題もあるので、作品の写真などは載せられないのが残念。

 乳白色をしたオパルメントガラスを使った日常品や、バロック真珠(丸くない、形の不揃いな真珠)を使った装飾品には惹かれる。
 一般的には丸いほど価値が高いとされる真珠。あえてバロック真珠を使い、独特の世界を作り上げている。そんなラリックの創作力が好きだ。見る人によっては不気味に見える作品もあるだろうけど。

 博物館内には、ラリックが内装を手がけたオリエント急行の本物の車両が室内展示してある。
 ただし、中を見学するためには、当日予約しなくてはならない。45分間車両内で飲み物とデザートを楽しみながら説明を聞くというイベント。2100円也。
 入場料もレストランの食事代も高かったので今回は見送った。いずれ値下がりすると予想しているので、そうしたら見に行こうと思う。

 オリエント急行と言えば、イスタンブールにも駅の跡があり、レストランが付属している。昔、トルコに行ったときにここで食事をし、デザートのあまりの甘さに驚き、「チョック・タートゥル! ス・ヴァルム!?(すっげえ甘い! 水ないか?)」と叫んだのを今でも覚えている。インパクトのある場面で使った言葉は意外に忘れないものだ。

 ラリックとほぼ同時期の、同じくフランスの有名なガラス工芸家にエミール・ガレがいる。この2人の作品が両方とも収容してある美術館も珍しくない。

 どちらかというと私はラリックの方が好きだが、ガレも嫌いではない。
 ガレは、ガラス工芸家フィリップ=ジョセフ・ブロカールに影響され、イスラーム・ガラスの技法を熱心に研究したこともある。いくつかモスク・ランプも制作している。
 アール・ヌーヴォーの騎手であり、ジャポニスムの先駆者であり、イスラーム・ガラスの研究者。他文化へのまなざしがいい。

 しかし、この2人の写真はときどき非常に似ていることがあり、「もしかして写真を間違えてるんじゃないか?」と訝ってしまうことがある。
 単にフランス人の顔をしっかり見分けられないだけかもしれないけど。2人とも巻き毛に口ひげなんだもん。

 昼食を食べた、館内のレストラン「LYS」はメチャクチャ高かったけど、味・量・サービスとも満足。
 特に「ヘーゼルナッツ・ソーダ」なる飲み物を発見したのは収穫だった。ソーダ水なのにナッツの味がするというファンタスティックなドリンク。
 う~ん、また飲みにいこう! もちろん作品もまた見たい。

箱根で、あるトルコ体験

2006年07月03日 06時33分53秒 | イスラムライフ
ヒジュラ暦1427年ジュマーダー・サーニヤ(6月)7日 ヤウム・ル・イスナイニ(月曜日)
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ぞわぞわぞわぞわ…

 あまりに疲れがたまり、整体師からの強い薦めもあって、箱根まで1泊旅行に行ってきた。
 初日は箱根ユネッサンで、丸一日温泉三昧。さらに宿でも温泉三昧。
 二日目は強羅公園→湿生花園→ルネ・ラリック博物館→星の王子様ミュージアムと巡ってきた。

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 箱根ユネッサンは、箱根小涌園の施設のひとつで、水着着用で混浴、温泉というより「温泉型テーマパーク」だ。
 広大な敷地に、ワイン風呂だの、緑茶風呂だの、炭風呂だの、コーヒー風呂だの、それはそれは多くの風呂がある。

 その中で目を引いたのが、普段はトルコ式の風呂になっているところでやっていた「ドクターフィッシュを体験しよう!」というイベントだ。

 暖かい水に住むトルコの魚ガラ・ルファ(通称:ドクターフィッシュ)は、人間が水中に身体を入れると、痛んだ皮膚を食べてくれる。大きくなると14センチくらいになるが、ここにいるのはいずれも10センチ以下のもの。
 トルコの温泉などでは有名な鯉科の魚。タイ北部や韓国にも生息している。

 1日3回、11時、13時、15時から20名ずつ5分間の体験。入れ替え制なので、1回につき20名×5組くらいは体験できる。

 きれいに足を洗い、いざ浴槽に足を入れる。
 ぞわぞわぞわぞわ~~~~!
 なぜ、私の足に大量に群がる? メチャクチャ皮膚が痛んでいるみたいぢゃあないか! と思ったら、温泉に長く入っているので、皮膚がふやけて魚が食べやすくなっているとのこと。
 ほっ! 良かった。単なる汚い足じゃなかったんだ。

 しかし、微かに電流が流れるような、ジジジジというか、ゾゾゾゾというような感触は何とも形容しがたい。くすぐったいのともちょっと違う。
 期間限定のイベントなので、いつまでやっているかわからないけれど、とても面白いので、11時、13時と2回体験した。我ながら物好きだ。

 続いて「死海風呂」に入るが、本物の死海より塩分が濃く、入った途端に皮膚が痛い。その割になぜかあまり浮かず、近くの女の子が沈んだときに鼻と目に塩水が入り、顔をぐちょぐちょにして泣いていた。
 本物の死海はそんなものではないので誤解をしないで欲しいものである。

 他に「クラゲ観賞風呂」などというものもあり、「エチゼンクラゲやカツオノエボシ(毒クラゲだろが)などがぷかぷか大量に浮いている風呂だったらイヤだな」などと想像するが、単に浴槽の外側にあるクラゲの水槽が見えるというだけだった。

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 帰りがけに土産物屋を覗くと、「アンデスの紅塩」なるものが売っていた。私は塩が好きなので、買っていこうと思い、原産国を確認。
 「原産国:パキスタン」
 こらこらこらーーー! パキスタンはアンデスじゃないだろ?

 外国人観光客も増え、なぜかフランス系の美術館(ルネ・ラリック、星の王子様など)が増えているが、微妙なところでまだまだ国際理解の足りない箱根だった。