ヒジュラ暦1426年ジュマーダー・ッサーニヤ(6月)3日 ヤウム・サブティ(土曜日) |
「ったく、アラブ人と知り合うのが目当てでモスクに来る日本人ムスリム、邪魔!」
「ロクにアラビア語も読めない日本人が、自分はムスリムだとか言ってんじゃねえよ」
「改宗したばかりのクセしてモスクででかい顔すんなよ、まったく」
などとブー垂れている日本人ムスリムをたまに見かける。いやあ、よほどエライんだねえ。拍手してあげる。立派立派!! パチパチ!!
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アラブ人とお友達になりたがっちゃいけませんか?
まずアラビア語の読み書きを習得しないと信仰しちゃいけませんか?
あなたには改宗したばかりの頃が無かったのですか?
それに、イスラームがすばらしいと感じたから、またはアッラーに導かれたから、「あなた」はムスリムになったんでしょ?
「あなた」が素晴らしいと感じたことを他の人も素晴らしいと感じたのならうれしいじゃない。
他の人もアッラーに導かれたのなら、ますますアッラーの慈悲・偉力を感じるじゃない。
誤解され続けて、なかなかイスラームが理解すらされなかった日本で少しずつ、ムスリムが増えているんだからとてもいいことだと思うけど。
なんでイラついているのかオジサンにはわかんないねえ。
「なんとなく」とか「ちょっと興味があって」という理由で入信したのが気にくわないの? いいでしょ、入信の理由なんて、人それぞれなんだから。
だれもが、「あなた」のように「立派な(と本人は思ってるんじゃないかな)」理由で入信するとは限らないし。
「日本人ムスリムなんて、どうせすぐにイスラームから離れるんだ」と思っていたりもするんでしょ。
そりゃー、離れる人の気持ちもわかるよ。「あなた」みたいな人が先輩ヅラして接してくればイヤになるでしょ。文句・説教・愚痴・自慢のオンパレードなんじゃないの?
そんな「あなた」には『玄奘西域記』(諏訪緑著:小学館文庫:2000年)という漫画を読んでもらいたいなあ。
ふふっ、「漫画だと! フン! バカにすんじゃねえよ!」という文句が聞こえてきそうだね。
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仏教系の漫画だけど、宗教と人間の関係について、とても深い考察をしている。少なくとも、世界でも例を見ない変なエリート意識を持った「あなた」より。
特に第1巻236ページと321ぺージは圧巻。
236ページでは、「人はなぜ、まじないに頼るのか」について兄弟が話し合うシーン。
イスラーム国家にだって、「聖者廟信仰」とか「護符信仰」はあるよね。それらだって、本来の教えとは関係ない。いわばまじない的なもの。土着の原始信仰と結びついたイスラームだって存在する。
「あなた」が思っているほどイスラーム世界は狭くない。「あなた」が思いこんでいるのだけがイスラームじゃないからね。
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321ページでは、「仏教が高尚な学問となった結果、何が起こったのか」を象徴的に描いている。イスラームだって同じような危惧はあると思うよ。特に「あなた」のような特権意識をもった人が増えるとね。
プラジュニャーカラという「インチキ祈祷師」がとてもいい味出しているなあ。
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自国人のムスリムが増えて、イライラするムスリムがいる国なんて日本くらいじゃないのかな?
威張るのは「あなた」の勝手だけど、「寛大で平和」なイスラームの良さを壊さないでね。
さらに言えば、見方が狭くなるあまり、テロを正しいことのように勘違いしないように気をつけてね。「あなた」みたいなタイプ、とても心配だなあ、オジサンは。
まわりからあまり構ってもらえず、イスラームという居場所を見つけたら、そこに閉じこもって視野が狭まってしまった。そして狭い世界でいつの間にかつけあがってしまった。「あなた」の過去の姿が目に浮かぶようだからね。
まあ、あまりカリカリしないで、みんな仲良くやってゆこうよ。ね?
かえってあおっちゃったかなあ…?