棚からぼた餅な日々 色と香の生活提案・ イリデセンス

仕事も人生も棚ぼたで結構楽しんでいる!イリデセンスは2013年4月に20周年を迎え、今年は新たな一年の始まり

忘れない事

2016年03月11日 | 色や香りのお仕事
5年前、私は肝臓への転移のがんの手術を終え、私がやった4種類の抗がん剤のうち、最もハードな治療を前年末から始めたところでした。
激痛との戦いでしたが、特に冷えると痛みがひどく、両手足の指がすべてつってしまうことも度々
節電の寒い部屋で、私がこの治療をする決め手になった主治医の言葉を思い出していました。

「この治療は世界のスタンダードだから」

私はこの言葉を聞いて、病院の休みの時でも何かあったら、つぶやけば誰かが答えをくれるかも、と治療を決断をしたのです。

という事は、、、
この津波で被災した人の中にも、同じ治療をしていた人、痛みに耐えながら受ける点滴の最中だった人も大勢いるはず。もっと辛い闘病中の人も
免疫力が落ちているので、温泉施設や人が大勢集まるところへも行ってはいけないと言われるほどなのに。
どうしているのか、私に何ができるのか…
浦安の病院だった私でさえ、震災被害で大変だったのに。

そんな思いもあり、翌年、翌々年と全町避難の大熊町からの自殺予防セミナーの講師に招かれた時は、少しでも力になれるのならと、勇んで伺ったのを昨日のように覚えています。

私自身がまだ抗がん剤治療中であったり、父の介護中だったりと、万全ではなかった中でも、行く意味はあったと思っています。

しかし、3年目の訪問では、職員の人達は本当に疲れきっていました。
仮設は2年ほどの耐久性しかなく、天井にはカビ、壁には隙間、もうガタガタ
寄り添い、相談にのる職員も被災者、なれない土地、なれない仮庁舎で、心も体も疲れているのです。

それでも、「私達は仕事もあり、お金もあるので恵まれています。ここに避難してきた人は仕事さえないのですから」と話してくれました。

特に、他県の役所から派遣されてきた職員の中に、こちらへ移住を決め被災者と向き合う道を選んだ人がいて、その方々の話には胸を打たれました。
帰るうちがあり、いつか戻ってしまう人には「ありがとう」は言ってくれても、胸を割った本音のはなしはしてくれない。
地元の方言で話さないと、打ち解けられないから、言葉を必死で覚えた…などなど

いまだ、戻れない地域の方々には、5年が経った今では、もっと深刻な問題が起きているはず。
遠く離れた私たちも、この現実を忘れず、応援し続ける事。
せめてもの行動です。

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