現在、三谷幸喜は、川上音二郎を主人公にした戯曲の執筆中とのことで、このような実在の人物を主人公にすることについて、「ありふれた生活」第343回で述べています。
確かに原則的には、そのとおりでしょう。
しかし、川上音二郎となると、多少疑問がありますね。一体、私たちは、彼についてどれだけ知っているでしょうか。
「オッペケペ節」と奥さんのマダム貞奴ぐらいじゃあないかしら。
小生も、マイナー好みなので、どうしても小説に出す登場人物は、「歴史上の人物」でも、あまり知られていないのね。
たとえば、沢太郎左衛門や小野友五郎などです。
そうなると、一工夫が必要になってくる。
というのは、メジャーな人物との対比などで、親しみを起こさせる、などの方法ですね。
沢や小野の場合だと、勝海舟、榎本武揚、小栗忠順などの人物との関係がありますから、これは何とか解決がつくでしょう。彼ら、メジャーな人物との対話があっても、何ら不思議ではない。また、彼らから見た人物像などがあってもよい。
ところが、そのような周辺にメジャーな人物がいないと、これは大変ですよ。
三谷幸喜の場合、川上音二郎をボストンでの公演を通じて描くそうですから、果して、どうなるんでしょう。
他人事ながら、いささか心配になるところ。
ということで、「実在の人物を主人公にすることのメリット」というタイトルで書きはじめましたが、「デメリット」が主になってしまいました。
読者諸兄諸姉、宜しくご了承を乞う。
「歴史上の人物を描く時は、既に知られているイメージを逆手に取ることが出来て、そこが面白い。作者が頭の中で作り上げた架空の人物たちの物語に比べ、知ったな前が出てくれば、お客さんはそれだけ早く話に入り込める。その分、こっちも同じ時間内で、より深いところまで物語を描けるという利点もある。」(朝日新聞」2月14付夕刊)
確かに原則的には、そのとおりでしょう。
しかし、川上音二郎となると、多少疑問がありますね。一体、私たちは、彼についてどれだけ知っているでしょうか。
「オッペケペ節」と奥さんのマダム貞奴ぐらいじゃあないかしら。
小生も、マイナー好みなので、どうしても小説に出す登場人物は、「歴史上の人物」でも、あまり知られていないのね。
たとえば、沢太郎左衛門や小野友五郎などです。
そうなると、一工夫が必要になってくる。
というのは、メジャーな人物との対比などで、親しみを起こさせる、などの方法ですね。
沢や小野の場合だと、勝海舟、榎本武揚、小栗忠順などの人物との関係がありますから、これは何とか解決がつくでしょう。彼ら、メジャーな人物との対話があっても、何ら不思議ではない。また、彼らから見た人物像などがあってもよい。
ところが、そのような周辺にメジャーな人物がいないと、これは大変ですよ。
三谷幸喜の場合、川上音二郎をボストンでの公演を通じて描くそうですから、果して、どうなるんでしょう。
他人事ながら、いささか心配になるところ。
ということで、「実在の人物を主人公にすることのメリット」というタイトルで書きはじめましたが、「デメリット」が主になってしまいました。
読者諸兄諸姉、宜しくご了承を乞う。