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脱ネガティブを計るべく、浮きつ沈みつ漂う女の戯言日記

「トランスジェンダー・フェミニズム」

2006-05-16 | セクシャリティ関連
田中玲さん著の「トランスジェンダー・フェミニズム」を読んだ。
FTM系トランスジェンダーの氏は「私は『男になりたかった』のでは
なく『女ではない』身体が欲しかっただけだ」と語り、女性として生きて
きた経験を大事にしつつ、トランスしているフェミニストの1人として
そこにいる。

トランスジェンダー(性別越境者)。
男と女。男から女へ。女から男へ。男と女のどちらかに必ずしもなら
なければいけない必要は無い。当たり前のようで気付かなかった事実。
田中氏はホルモンを打ち乳房は除去されているが、性器手術はされて
いない。
「私はもしも自分が下半身の手術をするとしても、戸籍上の性別変更を
するつもりは全くない。私はずっと「性別」という強固なものの境界線
上に立ち続ける。そして、トランスジェンダーが自らの境界線上の視点
から、フェミニズムにもたらすものがあると信じている」との氏の言葉に、
私は純粋に打たれた。
こういうスタンスもあるのだと。それはいつの間にか男と女の二元社会に
縛られて生きていた自分にとって、新鮮な驚きだった。

私はこの本を読んで初めて「ポリセクシュアル」「パンセクシュアル」と
いう言葉を知った。
・ポリセクシュアル 複数のジェンダー、性的指向の人、女、男、FTM、
          MTF、FTX、MTX、インターセックスなど
          色々な性的対象を持つ人。

・パンセクシュアル 全てのジェンダー、性的指向の人、女、男、FTM、
          MTF、FTX、MTX、インターセックスなど
          色々な性的対象を持つ人。または、あらゆるセクシュ
          アリティやジェンダーを持つ人々が集まれる場。

私は自分をビアンだと思っていた時期もあるが、結婚して子供も産んだし、
FTMの人を好きになった事でもビアンと名乗る事には抵抗があり、自らを
バイセクシュアルと表していた。でもずっとそれがどこかしっくりせず違和感
があった。
男女どちらにも惹かれるという点に間違いはないのだが、昔から私はずっと
中間の狭間の人に最も心惹かれてきた。正直純男の方には一番興味が
湧かない。それがなぜなのかはわからないけれど、自分はそういう人間なのだ。
ポリセクシュアル≒パンセクシュアルという言葉を知った時「ああ、私はこれだ!」
と感動に近いものがあった。
ずっとはめようとして上手くはまらなかったパズルが、ピタッとはまったよう。
私の性自認は女性なので、女性として他の誰かを愛するというただそれだけの事。
私にとっては愛したその人、そのままがいつも全てだ。
その人がどんなジェンダー、セクシュアリティであろうと関係ない。

田中氏はパンセクシュアルでポリガミー。私はモノガミーなのでそこは違う所。
(ポリガミーは複数の人と関係を持つ事が可能な付き合い方。モノガミーは
「1対1」。)
私は全てのジェンダーの人が対象になるけれど、一度に複数と付き合いたい
とは思わない。
勿論、自分が駄目だというだけでポリガミーを否定する気は全く無い。
それぞれが自分に合う相手と、合う生き方をすればいいのだから。

パンセクシュアルは場所も意味しているので、私は今後モノガミーのポリセク
シュアルと名乗ろうか。略して「モノポリ」。
略す必要ないじゃんって!(笑)←アホ
本の感想から離れてしまったけれど、いろんな意味で私はこの本を買って
良かったと今しみじみ思っている。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
モノポリ(笑) (ちょこ)
2006-05-17 11:45:36
いきなり略してるのに思わず笑いました(^^;)でも初めて聞く言葉です~、まだ混乱中~………とりあえずわが夫はポリ神~の素質十\分だからしっかり見張らなきゃ!!
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真面目に ()
2006-05-17 20:56:45
語ってみましたが、基本はモノポリだから(笑)

えっと私もポリセクシュアルという言葉は初めて知りまして、これまでどこにも入れないけど自分はこうなんだから仕方ないじゃん・・とカテゴリーにはめる必要もないとは思ってきたのですが、やっぱり人間ってきちんと説明をつけたいのかな。なんかすっきりしましたよ~(笑)

「ポリ神」ってなんかいいなぁ♪見張るという事はちょこさんは「モノ神」!?同志よ!(笑)
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Unknown (Unknown)
2006-08-10 15:41:01
正直純男の方には一番興味が

湧かない。それがなぜなのかはわからないけれど、自分はそういう人間なのだ。

ちょっとショック。それはきっと血だもんね。
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この記事を書いた時は (J)
2006-08-11 23:16:50
こう思っていました。その後色々と感じるところもあったので、今度改めてまたきちんと書かせて貰います。
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