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脱ネガティブを計るべく、浮きつ沈みつ漂う女の戯言日記

支那の怪人

2012-07-30 | 芝居
座・高円寺にて万有引力の紙芝居活劇オペラ「怪人フー・マンチュー」を観た。
原作:サックス・ローマー
台本:寺山修司
演出・音楽・美術:J・A・シーザー
構成台本・共同演出:高田恵篤

ずっと観てみたかった万有引力の舞台。
映画のオープニングのような始まりから、思わず鳥肌。
うわぁ~きた、きたと、ワクワクゾクゾクしっぱなしの約1時間45分。

舞台を観ていると、生きている実感がする。
この瞬間はその為にあったのだと。私は生きていて良かったのだと。
役者達の舞台上から発せられる熱が伝染し、抜け殻の私もしばし温かみを帯び
息を吹き返す。
つかの間でも幻でも、それは嬉しい錯覚。
こうして私は何度でも死に、また生まれようと思う。

どこまでも強い悪のヒーローは魅力的だ。
フー・マンチューは一人の人間ではなく、皆の恨みや復讐の想いが籠った怨念の化身。
神出鬼没。何度でも蘇る。
「世界は再び私の声を聞く!」

そして誰もの胸の中に。





水玉の誘惑

2012-07-29 | 好きなもの諸々
草間彌生とルイ・ヴィトンという奇跡のコラボ。
ただ今新宿伊勢丹のショーウインドウは水玉に浸食されている。
そのなんてポップで毒々しくも可愛い事か!

以前ヴィトンと村上隆がコラボした時は正直全然いいと思えなかったのだけれど、
今回はもう完全にやられてしまった。
普通のヴィトンは特に欲しいと思った事ないけど、この草間ヴァージョンのは
すごく欲しい。←とても手が出るお値段ではないが(泣)

草間氏の水玉には、とても生命力を感じる。
だからこそ今の自分が欲してしまうのかも。

今なら4Fの特設コーナーで実際に商品を手に取って見られ、水玉衣装の店員さんが
丁寧に解説をして下さる(笑)




毛皮のマリー

2012-07-16 | 芝居
『世界はなんでできてるか考えたことある?表面は大抵、みんなウソでできてるのよ。』

劇団☆A・P・B-Tokyoの舞台「毛皮のマリー」を観てきた。
言わずと知れた寺山の代表作。あの毛皮のマリー。
元寺山夫人九条今日子さんから上演の許可を得るまで3年超かかったという、それだけに
尚更熱い想いの感じられる作品。

このお話自体は以前から読んでいるし美輪さん主演の舞台のビデオも何度も観てたけれど、
A・P・Bなりの新しい表現が随所にあってすごく面白かった。
ストーリーはわかっているけど、次はどう来るの?という期待感に溢れる。
役者さん達、皆とっても魅力的。特に男性陣。
鍛え上げられた美しい腹筋にほれぼれ。そして女装姿のまたキュートな事!
美少女・紋白役を男性が演じ、しかも一人ではなく5人というパラドックス。
座長の浅野さん演じるマリーは、妖艶で逞しくそして哀愁に満ちていた。

この劇団はずっと寺山作品を上演していて前から気になっていたのだけれど、今回初めて
観る事が出来た。もっと早く観てれば良かったと激しく後悔。
かなり好きです。嵌ってしまった。
何より寺山作品への愛がすごく感じられる劇団。

今回の舞台で一人とても気になった役者さんがいて、マリーの従徒役の松本旭平さんという方。
顔だけ見ていると男女どちらかわからないぐらい中性的な美しい人で、やたらに彼に目が行った。
後で調べてみたら彼のブログなんかもあったんだけど、ところがそれを見るとごく普通の男の子。
舞台の印象とかなり違うのでやっぱ役者なのね・・と思ったり(笑)
まだ18歳と若かったので、あの中性的な美しさは年齢によるところもあるのかもしれない。
今後どういう大人の男性になって行くのか、それも楽しみでもある。
これからA・P・Bの舞台を観る時は、彼を追いかけてしまうのは間違いないだろうけど(笑)

小劇場のあの空間は大好きだ。
小さな宇宙。幻想と幻惑の別世界。
今宵もしばしのタイムトリップを。


暗く美しいもの

2012-07-13 | 好きなもの諸々
渋谷ヒカリエで開催中の「デビッド・リンチ展」を観てきた。

ドローイングと水彩画が20点余り。
どれも色はなく全てモノトーン。そこにリンチならではの拘りが。
いつか見た黒い夢の記憶。幸せではないけど悪夢でもない。
映画と同じ世界観を感じる。
『絵のこととなると、私が本当に美しいと思うのは暗いものの方だ。人生の明るい面を
自分にとって心地よい様に描くことは学ばなかったのだろう。』
(リンチ談)

規模が小さくさらっと観れてしまうのでちょっと物足りなさを感じるが、無料の展示
だし贅沢は言えないか。
デビッド・リンチの描く絵は初めて観たので、観られただけ良しとする。
会場内で流されているリンチ出演のビデオが面白い。

ヒカリエの8Fは色々な展示が細かいスペースに分かれ同時に開催されていて、ちょっと
不思議な空間。
今後も買い物でヒカリエに行った時には覗いてみたい。

日本一

2012-07-09 | お出かけ
今回の旅行で行った千葉鋸山の日本寺にある大仏様は、日本一大きいのだそうだ。
鎌倉の大仏が約13m、奈良のが約18mに対しこちらはなんと31m!
知名度では前者の2つに負けているが、この数字からどれほどの大きさか何となく
わかって頂けるだろうか?

これが一つの岩(山?)を削って作られているところがスゴイ。
下から見上げると圧巻。
こういうすごく大きいものとか逆に極小で精密なものとかを見ると、一体どうやって
作ったのだろうと不思議になる。←根が単純なので

人の力って意外と侮れない。

一足早い夏休み

2012-07-08 | お出かけ
千葉の白浜に一泊で行ってきた。

あいにく二日ともお天気悪くて雨が降ったり止んだりだったけれど、外を出歩く間は
運良くひどく降られる事もなく傘なしで過ごせた。

日本寺で大仏見て、木更津アウトレットパークへ行き、帰りに川崎太師へも寄った。
一足早い夏休みはあっという間に終わってしまったけれど、温泉入ってのんびり出来たし
子供と旅館のゲームコーナーでエアホッケー等に興じて楽しかった。
太鼓の達人やシューティング系はボロ負けだったけど、エアホッケーは私が勝ったぞ!
浴衣で熱く燃えるのが温泉ゲームの醍醐味だね(笑)

今回両親も一緒だったのだけれど、久しぶりに旅行して改めて歳をとった事を感じた。
あと何回一緒に旅行が出来るのか。終わりは目に見えないだけに、この一瞬一瞬を大切に
しなければと強く思う。
そして今回父の意外な姿を目にする事も出来た。
行きに昼食をとったお店で大きな長テーブルに相席だったのだけれど、隣にいた夫婦で
来ている旅行客に父から「どちらへ行かれるんですか?」等と話しかけていたのだ。
旅先ではこうやって知り合った人と会話するのが楽しかったりするのだけれど、うちの父は
無口で自分からそういう事をするタイプではなかったので、すごく意外でビックリした。
思わずそれを口にすると「最近二人で旅行する時はいつもこうだよ。」と父。
ブスッとしてただ座ってても楽しくないだろう・・と。
勿論そうなんだけれど、私には衝撃的な光景だったんだよ(笑)
昔は話しかけられたら逆に迷惑そうな顔するタイプだったから。

人は変わるものなんだと、当たり前だけれど普段気付かずにいる事を再認識。
昔は親と衝突していた自分も、今こうして笑って過ごせているのだし。
久しぶりの家族旅行はとても得るものがあった。
また一緒に行こうね。




そっとさよなら

2012-07-05 | 戯言あれこれ
うちのお隣さんがいつの間にか引っ越してしまっていた事を最近知った。

少し前から物音がしなくなり、ベランダの洗濯物も見なくなったのであれ?と思っていて、
子供に何気なく尋ねてみたら、この前引越屋のトラックが来ていたよ・・と。
私が土曜出勤で留守の時に引っ越して行ったらしい。

お隣さんとは会えば挨拶は勿論ちょっと立ち話をしたり・・という感じだったし、以前うちの
エアコンの室外機にハチが巣を作ってしまっている事を教えてくれたのもお隣さんだったし、
そこそこ近所付き合いは出来ていると思っていたので、一言も無くいなくなってしまっていたのは
正直ちょっとショックだったし残念だった。

都会の隣人ってこんなものか。
いや、私が勝手にお付き合い出来ていると勘違いしていたのかな。
反対側のお隣さんは不要なDMやチラシを玄関前に捨てる人で、風で飛んできては迷惑をしている
けれどずっとそのまま。
最近はうちと隣との間の通路にタバコの吸い殻を捨てるのでゲンナリしている。
他に誰も通らないところなんだから犯人は自分だって言ってるようなものなのに、きっとそういう
のを全く気にしない人なんだよね。
少しでも考える脳ミソあるなら、そんな事最初からしてないんだろうし。

都会生活の人間関係の空虚さを、改めてまた感じる日々。



贈り物

2012-07-03 | 子供と家族
子供から一日遅れで貰った誕生日プレゼントは、写真の定期入れだった。
これまでのプレゼントから比べるとすごい進歩。
自分で考えて一人で買ってきた事を考えると、大人になったなぁとしみじみ思った。
店員さんに相談しながら買ったのだろうか・・と想像してみたり。
箱にはリボンがかかって綺麗に包装してありました。

何だかもったいなくて使えないな~。
でも使わないともっともったいないしなぁ(笑)

普段はまだまだバトルを繰り広げてはいるけれど、少しずつ子供の成長を実感する
そんな今日この頃。

また一つ

2012-07-02 | 食べ物&お料理
子供がケーキを買ってきてくれた。ちゃんと今年もプレート付き。
ロウソクもあったのだけれど、さすがにそれは立てなかった(笑)
もう嬉しくもない歳だけど、お祝いして貰えるのはやっぱりいいものだ。

このケーキはジーゲスクランツというお店のポロネーズというやつで、実はこれで
モンブランなのだ!
ふんわりスポンジの上に生クリームがたっぷりで、その中には栗のクリームも
入っている。
以前「スッキリ」で紹介されたケーキなんだよ・・なんて、子供が教えてくれた。

ダイエットの事はしばし忘れ、しっかり味わって食べた。
美味しかったよ。ありがとう。

あ、でもプレゼントも用意してくれてるって言ってたのに、渡さないで忘れて
寝ちゃったじゃないか息子よ!←自分もケーキで満足して頭になかった。
一日遅れで明日貰えるのかしらね(笑)


夜 歩く犬

2012-07-01 | 好きなもの諸々
その犬は夜を食べる/折れた鼻で夜を嗅ぎだし夜を食べる
夜になるたびに犬が吠え始め/なにもない砂漠に月が影を落とす/誰もいないそこには/
盗むものさえいないというのに/小さな銀のピンを砂のナカに落としてしまうのだ
犬は長い時間をかけようやく夜を食べ尽くしそれでやっと「朝」が来たのだ
(マンタム)

浅草橋パラボリカ・ビスで開催中のマンタム個展『夜 歩く犬―崩れた塔に向かう郷愁 』を
観てきた。

時代を誤って生まれてきた孤高の錬金術師と評されるマンタム氏の作る作品は、動物の死骸や
骨に機械等を組み合わせた独特のもの。
その異形のモノ達の物言わぬ無言の圧力は、観ているこちらを搦め捕って離さない。
水を使った作品が一つあるのだけれど、その滴り落ちる水音が静かな部屋に響き渡り、一人で
観ていると怖いぐらいの妖しく美しい異空間だった。

狂気の天才。