サラ・ウォーターズの3作目。
前2作とは違い今回は戦後のロンドンが舞台。
1947年から始まり1941年まで逆に話が遡って行き、その中で登場人物達の
様々な感情や人生が語られて行く。
レズビアンのケイ、ジュリア、ヘレン。ヘレンの同僚で、妻子あるレジーと
不倫をしているヴィヴ。ヴィヴの弟ダンカンはゲイで刑務所に入っていた
経験があり、出所後は家族ではなく看守だったマンディさんと暮らしている。
今回は同性愛を前2作よりも真正面から捉えており、ラブシーンも少しハード。
19世紀とは違う同性愛者の立場や感情が描かれていて、現代により近く通ずる
ものがある。
それぞれの人物達の人生は複雑に絡み合い、読み進むうちにその関係性が
明らかになってくる。
「荊の城」なんかとは違いハラハラするようなミステリー的な展開や謎解きは
ないのだけれど、その分淡々としたお話の中でよりリアルに彼等の抱える
悩みや問題が伝わってきた。
実際の人生って、決してドラマチックではなくでもそれぞれに重くて深い。
そういう意味では私はこの作品がとても好きだ。
彼等の中で誰一人として、完璧で幸せな生活を送っている人間はいなかった。
そもそも完璧なものなど無いのだと、それでも前を向いて進むしかない人生に
想いを馳せたくなる。
読み終わって全ての繋がりがわかると、また最初から読み直したくなった。
「夜愁」というタイトルが心に染みる、霧のロンドンのしっとりした空気感を
肌で感じる作品。
前2作とは違い今回は戦後のロンドンが舞台。
1947年から始まり1941年まで逆に話が遡って行き、その中で登場人物達の
様々な感情や人生が語られて行く。
レズビアンのケイ、ジュリア、ヘレン。ヘレンの同僚で、妻子あるレジーと
不倫をしているヴィヴ。ヴィヴの弟ダンカンはゲイで刑務所に入っていた
経験があり、出所後は家族ではなく看守だったマンディさんと暮らしている。
今回は同性愛を前2作よりも真正面から捉えており、ラブシーンも少しハード。
19世紀とは違う同性愛者の立場や感情が描かれていて、現代により近く通ずる
ものがある。
それぞれの人物達の人生は複雑に絡み合い、読み進むうちにその関係性が
明らかになってくる。
「荊の城」なんかとは違いハラハラするようなミステリー的な展開や謎解きは
ないのだけれど、その分淡々としたお話の中でよりリアルに彼等の抱える
悩みや問題が伝わってきた。
実際の人生って、決してドラマチックではなくでもそれぞれに重くて深い。
そういう意味では私はこの作品がとても好きだ。
彼等の中で誰一人として、完璧で幸せな生活を送っている人間はいなかった。
そもそも完璧なものなど無いのだと、それでも前を向いて進むしかない人生に
想いを馳せたくなる。
読み終わって全ての繋がりがわかると、また最初から読み直したくなった。
「夜愁」というタイトルが心に染みる、霧のロンドンのしっとりした空気感を
肌で感じる作品。
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