星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

2010年を振り返る

2010-12-31 00:23:15 | 独り言
今年は年明けから賑やかな日々でした。
2010年に現れた新星のほとんどは1~3月だったように思います。

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Nova Oph 2010 = V2673 Oph: 1月
Nova Sgr 2010 = V5585 Sgr: 1月
Nova Oph 2010 No.2 = V2674 Oph: 2月
Nova Sco 2010 = V1310 Sco: 2月
Nova Sgr 2010 No.2 = V5586 Sgr: 4月
Nova Sco 2010 No.2 = V1311 Sco: 4月
Nova Aql 2010 = V1723 Aql: 9月
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今年発見された新星は計7個でしょうか。
そしてビッグイベントが二つ。
1月末のU Scoと、3月のV407 Cygは印象的でした。

いずれも時期的に朝方の観測で
修論でバタバタしていたこともあり、いつか血を吐くと思いましたw
しかしこういった稀な現象に巡り会えたことは幸せです。
発見者の方々、改めましておめでとうございます。

そして4月以後は矮新星三昧だった気がします。
特に長期間追ったのが
 5月のJ2138。
 9月のHS0417とJ0804。
 11月のHT Cas。
 12月のSW UMa。
といった感じ。
中でもHT Casはビッグイベント。

それから、8月からKT Eriの多色測光を再開。
一晩、美星に行ってスペクトルも撮りました。


研究発表のほうは...
3月に群馬で天体スペクトル研究会。U Scoのスペクトルについて発表。
同月広島で学会。KT Eriについて発表。

6月に京都で変光星観測者会議。デジカメ測光について発表。
初めての参加で、全国のベテラン観測者の方々とお会いできて感動しました。

7月に京都で国際会議。先生と連名でこれまで観測した新星のスペクトルを発表。
初めて海外の研究者の方々と接し、色んな意味で勉強になりました。

8月に愛知で夏の学校。撮りためていたWR137 & WR140のスペクトルについて発表。
とにかく暑かった。全然避暑地じゃないw

9月に金沢で学会。V407 Cygについて発表。

11月に仙台で連星変光星低温度星研究会。
KT EriとHT Casについて発表。

と、いった感じです。

論文は京都でSchaefer先生の強いすすめもあり
初めてIBVSにU Scoのスペクトルについて投稿しました。
しかし、色々タイミングが悪くてリジェクトされました。
次いでV2674 Ophについて書こうと思ったら、既にMunariさん達に先を越されていました。
我々で撮った新星のスペクトルが他にもあるので、ここはめげずに随時執筆していこうと思っています。

ちなみにデジカメの色変換の論文化ですが、年内に!などとほざきながら到底無理でした。
英文を書くことに慣れていないのもありますし、
関連知識がまだまだ薄いとも感じています(特にイントロを書く上で)。
とりあえず目下執筆中です。

それから、KT Eriです。
こちらも沢山データを持っているので、平行して執筆しなければ。


さてあと、わたくしIakは2010年に791点(眼視 & DSLR)観測したようです。
デジカメ観測は色々と試行錯誤しているうちに、観測スタイルが落ち着きました。
データ処理も「R」をのおかげで、観測初期より楽になった次第。


2010年、ネガティブなことポジティブなこと沢山ありましたが
これらをバネに2011年も奮闘していきたいと思います。

皆様、今年1年間大変お世話になりました。
では良いお年を。

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