心のハンドル操作方法 幸せに生きるための教習所

旧精神科医療は思想警察なのか?

2019年以降、看護業界は本当に売り手市場なのか?

2019年12月28日 | 看護師になってはいけない

「看護師免許もっていれば就職には困らない」

私はかれこれ10年以上前に、看護師免許を取得しました。

これが看護師になる前に私が抱いていたイメージでした。

 

しかし、看護教育の現場に入ってみると、実際そうではない。

2000年前後と看護師の就職状況が変わってきていると感じています。

 

今回の記事では率直な意見も述べながら、看護師の就職状況について書いていきたいと思います。

 

実は私が看護師免許を取得した頃は、「名前さえ書けば、採用試験は合格できた時代」でした。

何せ、大学病院が40名募集しても附属大学看護学科から10名しか応募がない状況だったのです。

 

1学年卒業生が80名近くいるのに、大学病院に就職しない風潮が広がってき始めている時期でした。

 

その理由は様々だと思いますが、一番に「ネットの口コミ」と「隣地実習受け入れ時の指導方法」にあると思います。

 

私が隣地実習に学生として勉強していた時代は、病院によってはパワハラは当たり前でした。

今から思えば当然の指導だと思うのですが、「看護学を学びに来ている大学生」と「看護師養成機関で即戦力になる学生」

とは全く同じ国家資格でも養成方法が違うのです。

 

どちらが良いか?

と言えば、私は看護師養成の専門学校で免許取得したほうが良いと思っています。

それは教育の中身に違いがあります。

 

寿司屋で例えると、

大学は、握り寿司の理論を学ぶだけの場所です。

実際にはカウンターでお客様の前で握ることはなく、シュミレータートレーニングなど模擬接客をしているだけです。

 

 

では、看護学校はどうかというと、「お店に住み込みで朝の掃除から、ネタの仕入れ、仕込み、接客、調理、配膳、会計、売り上げ管理まで全て実践させる」

というイメージです。

 

どちらが良いか?と言えば、結論からすれば、「専門学校」に決まってます。

(出席日数が足りていても、容赦なく落ちるのが専門学校。ましてやズル休みをしていたら態度面での減点により、高確率で実習は落とします。ですから、かなり隣地実習は苛烈を極めるものとなります。)

 

シュミレーター教育や模擬実践では、考える力はつきますが、実践力にまで結びつかないからです。

逆に、専門学校のような「現場100回」「とにかく実践」という厳しい教育システムであれば、即戦力になりやすいですし、何より、資格習得してから

「こんなはずじゃなかった」というリアリティギャップが少なくて済みます。

 

実際の臨床は、大学教育で受ける内容とは違い、日々ルーチンワークを手際よくこなしていく必要があります。

とはいっても、患者の状況、ベッド状況、職員の力量など様々ですから、臨機応変に対応する必要があるため、ライン製造のようなルーチンワークはありません。

常に、プレイングマネージャーの立場で、実際の受け持ちの状況と時間管理をしていかなくてはならないのです。

そこでえ要求されるのは、「手際の良さ」つまりテキパキ動けるか?ということです。

 

いくら国家資格を持っていても、「テキパキ動けない人」はそもそも看護師という仕事には向いていません。

 

その日一日の受け持ちのワークシートは存在しますが、実は臨機応変に対応していかなくてはならないため、ルーチンワークではないのです。

状況判断能力は経験によって蓄積されるものですが、人間は向き不向きが存在します。

「一人で熟考して論理的に結論を導く人」

もいれば

「とりあえず、目の前のことを対処しながら、近い未来を予測して先回りする人」

では、特性が違います。

看護師には「正確さ×スピード×接遇」が求められますが、正確さとスピードがなければやっていけない職業なのです。

それは、実習中の記録にも現れます。

受け持ちを持って、看護展開しなければならないのに、看護問題を導き出してこない学生は「スピードが不足している」状況です。

それこそ、睡眠や休憩を削ってでもやってこなくてはならない事があるのに、それをさぼるのです。

 

瞬発型の能力と持続型の能力が必要な仕事ですから、必ず人によって「向き不向き」はあるのです。

また「生活の療養上のお世話をする仕事」であるため、好き嫌いが分かれます。

 

そういうトレーニングをするのは、大学では強制されません。

専門学校でしか受けることができないのです。

 

何が言いたいか?というと、

「適正がないのに、3年間、大学なら4年間、ズルズルと居座って、取り敢えず卒業して国家資格だけとっても、宝の持ち腐れになりますよ」

という話がしたいのです。

専門学校の場合、「向いていない学生」「能力も足りないが努力も足りない学生」に対して、容赦なく切り捨てます。

保護者を呼んで面談して厳しい現状を伝えます。

仮に卒業して臨床に出ても、体調不良を起こしたり、心の病にかかる可能性が高いと率直に伝えます。

 

「卓球が得意なのに、サッカーをやりたい」と言っている人に気づかせてあげるのです。

 

逆に、「能力は足りないが、一生懸命努力する学生」に対しては一生懸命教員も応援します。

「何事も努力できる才能がある、興味関心があるから努力できる」かもしれないからです。

 

現在の学生の就職活動状況に話題に戻ります。

実際、学生に就職活動の状況を見てみると、不思議なことが起こっています。

 

専門学校では約半数以上の学生が「奨学金施設制度」を利用しています。

学費を奨学金施設と呼ばれる病院が肩代わりしてくれるのです。

しかし、支払ってもらった期間は奨学金施設で働いてください。

受け取った奨学金の返済はお礼奉公してもらえばチャラにしますよという話です。

つまり、『3年間学校に通学すれば、3年間分の授業料は支払いますから、3年間は奨学金施設で働いてくださいね」

という奴隷制度です。

しかし、奨学金を給料から天引きされることはありません。

デメリットは新卒時の就職先を決めてしまうということになるだけです。

逆に、奨学金を受けていれば、本来なら就職試験は合格しているようなものだということはお分かりになると思います。

 

ですが、実際は違うのです。

採用のために、奨学金試験に合格した学生も、いざ就職試験を受けると、不合格になる学生もいるのです。

とてつもない矛盾です。

それはなぜ起こるのか?

奨学金試験で合格を出した時期と実際就職試験をしている時期で、求人状況が変化してきているからに他ありません。

奨学金施設での面接に不合格になるということは、3年分の奨学金を卒業時に一括返済することになります。

 

確かに、奨学金を受けているのに、採用試験で不合格になった学生は留年していたり、成績不振があったりします。

ですが、人員不足、看護師不足があるなら、「取り敢えず採用しよう」となるはずです。

実際は、見事に不合格になるのです。

つまり、需要と供給のバランスが崩れ始めているのです。

 

これは、病院の看護部教育担当の方から直接聞いた話ですが、

現在は、

①「卒後教育に力を入れており、学業成績+実習の成績を考慮する」

②「プリセプターが困らないように、年齢や性別も重要」

とハッキリ話されました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・①「卒後教育に力を入れており、学業成績+実習の成績を考慮する」

卒後教育に力を入れる理由は、「教育コストよりも、採用コストの方が安いから」という経営的視点からだというのです。

1年目の離職率を下げることで、新卒の就職希望者が増え、能力の高い、質の高い学生が受験しに来てくれるという「好循環」が起こり、むやみやたらと求人広告コストをかける手間暇や費用も抑制できるからという理由です。

これだけの看護師転職サイトが存在します。

手に職があるからいつでも就職できるから存在しているのでしょうか?

私は違うと思います、採用側に良い人材を確保するためのニーズがあるため、こういった中間業者に依頼しているのだと思います。

 

一人の看護師を採用するのにかかる平均コストが300万円~400万円(広告費、面接人件費など)。

卒業までの奨学金が月額7万円、年間84万円、3年間で252万円。

 

卒後教育のしやすさからいっても奨学金制度は理にかなっているのです。

 

 

「沢山採用して、残る人材だけで回していく」から「良い人材を採用して教育コストをかけていく」

に切り替わっているのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・②「プリセプターが困らないように、年齢や性別も重要」

実際に病棟に配属されて、現場で教育するのは、師長であり、リーダーであり、パートナーやプリセプターです。

あまりに歳の差があったり、能力が低い人が就職してくると、病棟には負担がかかります。

特に「社会人経験が少なく、新人としては高齢の30代半ばから40歳以上であると、教育が上手くできない」

という問題があるようです。

「教育しても入っていかない」

ため、プリセプターがやる気を失う、疲れてしまうそうです。

ハッキリ言って、「社会人経験や人生経験があだになる業界」が看護師業界なのです。

ですから、社会人経験は当てにならないですし、むしろ20歳代のプリセプターを付けられないため病棟としては受け入れ困難な状況が生まれるのです。

 

上記2点から、看護師不足と世の中で言われながら、実は採用する側も選んでいるという現実がおわかりになったと思います。

 

確かに、未だに田舎の病院などに行けば、Tシャツ+ジーパンで面接に行っても

「いつから来れる?」

と即採用の病院や施設は存在します。

しかし、そういった施設や病院は

「教育システムもなく、フォローアップもしない」ため、職員定着が弱く、サービスよりも人間関係だけでで運営しているようなところが多いのです。

ですから、不人気となり、即採用となっているのです。

 

私もかつて、ギター職人になりたいと思っていた時期がありました。

「製造業なら、くいっぱぐれないだろう」

と感じていたからです。

そこで、職業相談をしに行ったのですが、はっきりと

「30代で修行見習いに入っても、独り立ちして食べれるようになるのは20年以上かかるからオススメしない」

と言われました。

看護師業界も同じことがいえるのではないでしょうか?

「社会人経験や人生経験が全く役に立たない業界だから、歳をとってから看護師を目指すのは止めた方がいい」と。

 

採用基準が

「面接→年齢→学業成績→性別」

となっています。

同じ面接結果なら年齢が若い方を採用します。

 

看護という仕事が悪い仕事とは言っていません。

 

しかし、向き不向きがある専門職であり、イメージだけで選択し、大学看護などを選択してしまうと、

『せっかく取った国家資格、費やしたお金、時間が無駄になってしまいますよ』

という事実をお伝えしたいという内容でした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 統合失調症が病気でない理由... | トップ | 看護師免許があっても仕事が... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

看護師になってはいけない」カテゴリの最新記事