「手に職をつけたい」という理由で、看護学校に入学してくる学生が後を絶ちません。
私は教員をしているため
「手に職といっても、様々な職業があるなか、なぜ看護を選んだの?」
と質問します。
すると決まって返ってくる答えが「感謝されたいから」です。
感謝してもらう職業は看護師以外、沢山あります。
飲食店などで働けば、「美味しかったよ。また来ます」と言われます。
しかも、飲食業なら特別国家資格も必要なく、「腕1つ」で超有名店にまで昇りつめることができます。
また、「給料も高く、仕事が安定しているから」という理由も多いです。
私も含め、医療業界を志望してくる人の多くは、
「国家資格=国家公務員=病院が倒産することがない」
という考えがあります。
ところが看護師の給料は上がっていませんし、夜勤をしないと食べていけないくらい手取りが少ない状況です。
(以下転載)~~~~~~~~~~~~~~~
●安いと思います。私も6年目で夜勤を8回〜10回やって、毎日2.3時間残業しても(サービス残業なので)手取り19万円です。
●市立の診療所で今年から働いていますが、給料低すぎる!手取り13万円台で、生活費やらローンやら払うと何も残りません。時給に換算すると悲しい結果になります。
苦しい思いしたくないから資格とったのになぁ…。
●安いなと思います。
昇級などでどれくらいupするかは、職場によるので一概には言えませんが仕事内容の割に基本給は安いと感じてしまいます。
夜勤や残業などで稼いでいる感じがします。
~~~~~『ナース専科 看護師の給料は安すぎる?昇給するのに必要なことは? https://square.nurse-senka.jp/articles/286559』
このような記事を見ると、「イメージと実態」に解離があります。
医療従事者の給料は安定していません。
それはなぜか?不規則勤務、残業代がないとまともに生活できないくらいの業界だからです。
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そして何より、再就職に困る業界だとは知られていません。
それが今回のテーマの「卒後3年のルール」です。
看護師は卒後教育というのがあります。
新卒で就職すると「3年間働けて、独り立ちできる」という慣習があるのです。
つまり、3年間勤務継続できない人は、卒後教育が終わっていない看護師と見なされます。
実際、3年間勤務したからといって、膨大な仕事や業務をこなせるようになるわけではありません。
とはいえ、看護師の求人には、再就職する場合「臨床経験3年」と書かれていますので、これが手に職の最低条件になります。
「国家資格+臨床経験3年」
これをクリアして始めて1人前なのです。
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ここまで話を聴けばわかると思いますが、看護師免許は
「卒後3年経験を積めるような職場環境を選ぶこと」が大切になります。
最近は奨学金施設で、3年分奨学金支払いしながら、お礼奉公は4年させる病院もあります。
かなり悪質です。
そういった病院に限って、お礼奉公期間が終わると辞めていきます。
病院経営的には、3,4年で辞めてもらえると人件費は安く済みます。
看護サービスの質は低下しますが、人件費だけで見ると「ベテランと新人」という構成が一番良いそうです。
「手に職」と言いながら、看護師国家資格が使えるようになるには、
「卒後3年の臨床経験が必要」になります。
この条件を踏まえて、キャリア形成をしていく必要があります。
逆に言えば、就職して合わなければ、おそらっく医療業界、看護の世界は合っていないと考えて、見切りをつけても良いかもしれません。
看護師免許を取得したら意地でも3年は働かないといけない理由についてお話しました。
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