中国が約3年ぶりに利上げ、資産価格・物価上昇への懸念を反映 2010年10月19日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17735120101019
中国人民銀行(中央銀行)は19日、期間1年の金融機関の預金金利と貸出金利をそれぞれ25ベーシスポイント(bp)引き上げると発表した。中国の利上げは約3年ぶり。
中国当局が資産価格と物価の上昇に懸念していることを示す動きとみられており、20日から実施される。今回の引き上げにより、1年物の基準金利は、預金が2.5%、貸し出しが5.56%となる。
CITIC証券(北京)の首席エコノミスト、Zhu Jiangfang氏は「利上げはまったく予想外だった」とし「インフレ率がこのところ上昇していたため、実質金利はマイナスに陥っていた。このため、人民銀行はこうした性急な方法で利上げを実施する必要がある」と述べた。
ノムラ(香港)のエコノミスト、ロブ・スバラマン氏は「経済が約10%の成長を遂げるなかで、現在の政策金利水準は基本的に低過ぎる。ひずみのさらなる拡大を防ぐために、中国当局は金利をより適正な水準に引き上げ始める必要がある」と指摘。「中国経済の他の主要国経済からのデカップリングが進んでいるようにみえる。このため、中国の政策のデカップリングも起きて当然と考える」と述べた。
人民銀行のエコノミストを含め多くのエコノミストからこのところ、預金者の利子収入を実質的にプラス圏に保つよう、人民銀行は預金金利を引き上げる必要があるとの声が相次いでいた。
中国の8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.5%。エコノミストは9月の上昇率は同3.6%に加速したと予想している。
エコノミストの間からは預金金利の引き上げを求める声が出ていたものの、複数の中国政府高官から、物価上昇は制御下にあり、利上げにより海外からの投機的な資金の流入が加速する恐れがあるとの発言が相次いでいたことから、この日の利上げは驚きをもって受け止められた。
クレディ・アグリコルCIB(香港)のシニアエコノミスト、ダリウス・コワルスジク氏は「21日に発表される国内総生産(GDP)統計とCPIが強過ぎると予想されるため、このタイミングで利上げを実施したとみられる」と述べた。
中国は21日に第3・四半期GDP、およびCPIを含む一連の9月の経済指標を発表する。ロイターが集計したエコノミスト調査で、第3・四半期GDP伸び率は前年同期比9.5%になると予想された。第2・四半期は同10.3%。
またロイターが前月実施したエコノミスト調査では、2011年第2・四半期まで中国の利上げはないと予想されていた。
中国利上げ:識者はこうみる 2010年10月20日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnJT878881920101019
中国人民銀行(中央銀行)は19日、期間1年の金融機関の預金金利と貸出金利をそれぞれ25ベーシスポイント(bp)引き上げると発表した。中国の利上げは約3年ぶり。
市場関係者のコメントは以下のとおり。
●米国に対する政治的親善の可能性=現代証券
<現代証券(ソウル)のエコノミスト、KIM JAE-EUN氏>
米財務省が為替報告書の発表を延期したこともあり、利上げは米国に対し政治的な善意を示す意図があった可能性がある。
親善を意図したものであったとしても、利上げにより(中国への)資金流入が見込まれ、その結果、人民元相場の上昇が予想されるため、人民元相場の引き上げに対する外部からの圧力は軽減するとみられる。
今回の動きは、中国が外圧に屈して人民元相場の切り上げを行わないことを示唆している。
●確固たる金融引き締め策、中国経済は減速へ
<UBSの新興国通貨ストラテジスト、マニク・ナライン氏>
市場では、今回の決定が確固たる金融引き締めで、これにより中国経済が減速すると受け止められているため、高リスク資産が売り優勢となっている。
これは基本的に出口戦略であり、金融政策が一段と緩和的でなくなったことを意味している。加えて、中国が人民元相場の上昇を流動性引き締めのツールとして利用することに対し消極的であると解釈することもできる。
●10月CPI4%以下なら追加利上げの公算小さい
<キャピタル・セキュリティーズの株式市場アナリスト、ZHANG YUHENG氏>
市場に冷水を浴びせた格好だ。利上げは銀行セクターおよび不動産市場を大きく圧迫するだろう。
インフレの水準が予想よりも高いことを示している。ただ、10月のCPIが4%を上回ることがなければ、追加利上げの可能性は低いと考える。
利上げ自体の影響は大きくないが、将来的な追加利上げ観測が今後浮上するなど心理的な効果が大きい。
う~ん。本当にこの国は(エコノミストも予想もしない段階で)いきなり利上げをしてくるなんて、次から次へと予想外のことをしかけてきますね…(吃驚
まあ、資源国の一部は既に利上げに切り替えてきてはいますし、中国国内の不動産市場が過熱していたのも事実ですが、これで中国が人民元相場の切り上げを行わない可能性がむしろ高まってしまっただけに、アメリカも含めた各国に与える影響が懸念されますし、現に中国が2年10カ月ぶりの利上げを決めたことで、(世界的な景気の減速への懸念から)NYダウも開始直後に160ドルを超える下落を記録。さてさて日本を含めたアジア株式相場にはどの程度の影響が出てくるのでしょうか…。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17735120101019
中国人民銀行(中央銀行)は19日、期間1年の金融機関の預金金利と貸出金利をそれぞれ25ベーシスポイント(bp)引き上げると発表した。中国の利上げは約3年ぶり。
中国当局が資産価格と物価の上昇に懸念していることを示す動きとみられており、20日から実施される。今回の引き上げにより、1年物の基準金利は、預金が2.5%、貸し出しが5.56%となる。
CITIC証券(北京)の首席エコノミスト、Zhu Jiangfang氏は「利上げはまったく予想外だった」とし「インフレ率がこのところ上昇していたため、実質金利はマイナスに陥っていた。このため、人民銀行はこうした性急な方法で利上げを実施する必要がある」と述べた。
ノムラ(香港)のエコノミスト、ロブ・スバラマン氏は「経済が約10%の成長を遂げるなかで、現在の政策金利水準は基本的に低過ぎる。ひずみのさらなる拡大を防ぐために、中国当局は金利をより適正な水準に引き上げ始める必要がある」と指摘。「中国経済の他の主要国経済からのデカップリングが進んでいるようにみえる。このため、中国の政策のデカップリングも起きて当然と考える」と述べた。
人民銀行のエコノミストを含め多くのエコノミストからこのところ、預金者の利子収入を実質的にプラス圏に保つよう、人民銀行は預金金利を引き上げる必要があるとの声が相次いでいた。
中国の8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比3.5%。エコノミストは9月の上昇率は同3.6%に加速したと予想している。
エコノミストの間からは預金金利の引き上げを求める声が出ていたものの、複数の中国政府高官から、物価上昇は制御下にあり、利上げにより海外からの投機的な資金の流入が加速する恐れがあるとの発言が相次いでいたことから、この日の利上げは驚きをもって受け止められた。
クレディ・アグリコルCIB(香港)のシニアエコノミスト、ダリウス・コワルスジク氏は「21日に発表される国内総生産(GDP)統計とCPIが強過ぎると予想されるため、このタイミングで利上げを実施したとみられる」と述べた。
中国は21日に第3・四半期GDP、およびCPIを含む一連の9月の経済指標を発表する。ロイターが集計したエコノミスト調査で、第3・四半期GDP伸び率は前年同期比9.5%になると予想された。第2・四半期は同10.3%。
またロイターが前月実施したエコノミスト調査では、2011年第2・四半期まで中国の利上げはないと予想されていた。
中国利上げ:識者はこうみる 2010年10月20日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/wtInvesting/idJPnJT878881920101019
中国人民銀行(中央銀行)は19日、期間1年の金融機関の預金金利と貸出金利をそれぞれ25ベーシスポイント(bp)引き上げると発表した。中国の利上げは約3年ぶり。
市場関係者のコメントは以下のとおり。
●米国に対する政治的親善の可能性=現代証券
<現代証券(ソウル)のエコノミスト、KIM JAE-EUN氏>
米財務省が為替報告書の発表を延期したこともあり、利上げは米国に対し政治的な善意を示す意図があった可能性がある。
親善を意図したものであったとしても、利上げにより(中国への)資金流入が見込まれ、その結果、人民元相場の上昇が予想されるため、人民元相場の引き上げに対する外部からの圧力は軽減するとみられる。
今回の動きは、中国が外圧に屈して人民元相場の切り上げを行わないことを示唆している。
●確固たる金融引き締め策、中国経済は減速へ
<UBSの新興国通貨ストラテジスト、マニク・ナライン氏>
市場では、今回の決定が確固たる金融引き締めで、これにより中国経済が減速すると受け止められているため、高リスク資産が売り優勢となっている。
これは基本的に出口戦略であり、金融政策が一段と緩和的でなくなったことを意味している。加えて、中国が人民元相場の上昇を流動性引き締めのツールとして利用することに対し消極的であると解釈することもできる。
●10月CPI4%以下なら追加利上げの公算小さい
<キャピタル・セキュリティーズの株式市場アナリスト、ZHANG YUHENG氏>
市場に冷水を浴びせた格好だ。利上げは銀行セクターおよび不動産市場を大きく圧迫するだろう。
インフレの水準が予想よりも高いことを示している。ただ、10月のCPIが4%を上回ることがなければ、追加利上げの可能性は低いと考える。
利上げ自体の影響は大きくないが、将来的な追加利上げ観測が今後浮上するなど心理的な効果が大きい。
う~ん。本当にこの国は(エコノミストも予想もしない段階で)いきなり利上げをしてくるなんて、次から次へと予想外のことをしかけてきますね…(吃驚
まあ、資源国の一部は既に利上げに切り替えてきてはいますし、中国国内の不動産市場が過熱していたのも事実ですが、これで中国が人民元相場の切り上げを行わない可能性がむしろ高まってしまっただけに、アメリカも含めた各国に与える影響が懸念されますし、現に中国が2年10カ月ぶりの利上げを決めたことで、(世界的な景気の減速への懸念から)NYダウも開始直後に160ドルを超える下落を記録。さてさて日本を含めたアジア株式相場にはどの程度の影響が出てくるのでしょうか…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます