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未払い賃金請求、最長5年に サービス残業抑制へ検討

2017-11-19 12:46:01 | Weblog
未払い賃金請求、最長5年に サービス残業抑制へ検討  2017年11月19日 日経有料記事
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23658740Y7A111C1MM8000/
 厚生労働省は働き手が企業に対し、未払い賃金の支払いを請求できる期間を延長する方針だ。労働基準法は過去2年にさかのぼって請求できるとしているが、最長5年を軸に調整する。サービス残業を減らし、長時間労働の抑制につなげる狙いだが、企業の負担を増やす面もある。厚労省は専門家や労使の意見を幅広く聞いて結論を出すことにしている。
 厚労省は年内に民法や労働法の学識経験者らによる検討会を設置。そこでの議論を踏まえ、来年夏をメドに労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で労使を交えた具体的な時効の議論を進める。法改正が必要となれば、2019年に法案を国会に提出し、20年にも施行することにしている。
 検討会では、請求可能な年限を何年にすべきかについて一定の結論を出してもらう。長時間労働の抑止効果や企業の人事労務管理の負担増などを点検。未払い賃金の時効期間を議論することで、有給休暇の取得が進むかどうかについても議論したい考えだ。
 労働政策研究・研修機構によると、未払い賃金の時効は英国とフランスで2年、ドイツは3年となっている。一般的な債権の時効より短めだという。日本は民法で1年とするが、労基法は労働者保護の観点を強くして2年に延ばしている。
 ただ5月に成立した改正民法では、賃金の支払い請求ができる期間を1年から5年になることを決めた。労基法を民法の基準に合わせるかが議論のポイントになる。
 労働者に賃金を払わず、残業をさせている企業は少なくない。望ましくない労働慣行といえるが、働き手も評価への影響を恐れ断りきれない面がある。暗黙のサービス残業が未払い賃金の発生につながっている。
 連合総研の調査では、今年9月に残業した人の31.5%がサービス残業があると答えた。厚労省は働きやすい環境づくりを進めるうえで、未払い賃金の請求期間延長は必要とみる。ただ企業負担が急増するようだと、採用を減らすなどの影響が出かねない。企業活動への配慮も考慮する。


 日本の場合は労働法関連の時効は2年か5年に揃えているケースが多いので、もし引き上げるとすれば5年になる可能性が高いのですが、お役所の是正勧告にも従おうとせず、特に悪質と認定された事業所が時効ギリギリの2年一杯まで支払いを命じられていると言われる中、もし本当に5年まで延長されると、従業員が退職してサービス残業代の支払いを求めてくる、今でもしばしばみられるパターンの支払額も2.5倍規模になる可能性もあり、場合によっては資金繰り破綻のリスクも否定できないだけに、慎重な議論がなされることになるんでしょうね。

 残業代をきちんと支払わない企業が悪いと言えばそれまでですが、支払いに応じたからといって過去の法人税まで遡って減額されるわけもなく、理由が理由だけに運転資金として借り入れるのも金融機関は嫌がりそう。
 自業自得といえばそれまでですが、企業経営者にとってはますますプレッシャーがかかることになるかと思います。