"生活費も出る職業訓練制度、新卒者も対象に 就職難受け"朝日新聞社 (2009年12月2日)
来週高卒&大卒予定者の就職内定率が過去最大の下落率を記録する中、これらの若者の雇用可能性(employability)をいかに高めるかがカギになっています。その観点から言うと、この記事にある「生活保障付きの職業訓練制度(2009年度第一次補正予算)の来春新卒者への拡大」は、政府の緊急雇用対策が正しい方向を向いていると言えるのではないでしょうか。
ただ、これだけでは十分ではありません。「新卒採用に漏れると、就職が難しくなりがち」だという事実をなんとかしなくては、たとえ新卒者がスキルを身につけても、それが採用に結びつくとは限らないからです。
ここはなんとしても、「企業が既卒者も積極的に採用する」ことを促進する政策をセットで推進しなければなりません。それには、従来型の「雇用助成金(この職業訓練制度を修了した既卒者を雇用した企業に助成金を支払う)」だけでなく、職業訓練の中身そのものを、より企業や産業の短期的なニーズに合致したものにして(企業の技術者やOBに直接訓練に関わってもらっても良い)、企業に一定の雇用責任を負って貰うような施策も検討するべきです。
これを可能にするためには、政府による一方的な雇用対策ではダメで、政労使の三者による協議と合意が必要です。今後の政府のイニシアチブに期待しましょう。