石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

最近のニュース記事から

2010-03-13 23:33:30 | 政策
今日は、時間が無くてずっと延び延びになっていた歯医者さんに行ってきました。歯医者嫌いの私は、長時間に及ぶ治療を受けてもうすっかりエネルギー消失・・・。3週間休みなしで動き回っても全然平気な私が、2時間の歯医者で完全に意気消沈してしまいました(苦笑)。

さて、今日も気になるニュースがたくさんありましたね。その中で特に二つだけ下記にピックアップ:

1.「派遣法改正案、国会提出先送り 政府と社民、調整つかず」

内閣は3月12日、2010年度予算成立後の後半国会で成立をめざす政府提出法案6本を閣議決定しました。当初、今回の閣議決定に含まれる予定だった派遣法改正案が見送られたのは、「事前面接の解禁」を巡って与党内で意見調整が遅れたためだという記事。

以前、このブログでも書いたように、今回の改正案は完全なものではなく、課題は残されています。しかし、(1)特に問題が多い登録型派遣や製造業務派遣の原則禁止に踏み切ったこと、(2)違法派遣の際の派遣先による雇用契約申込みみなし制度が初めて導入されることなど、1985年の労働者派遣導入以降、これまで一貫して続いてきた規制緩和路線からの転換をはかっていることも事実です。

そしてそれ以上に、この改正案は、労政審という政労使の三者構成の場で委員の並々ならぬ努力によって合意形成が図られた結果だということを認識すべきでしょう。この点を否定してしまうと、欧州などでは当たり前の三者構成主義による合意形成・政策決定システムを日本で真に育てていくことが出来なくなってしまいます。この点、東京新聞の3月13日付社説の訴えは傾聴に値すると思います。


2.「法人税、減税の方向に導くのが筋 首相が答弁」

3月12日の参議院予算委員会で、自民党の舛添要一氏の質問に答えた鳩山首相が、「日本は法人税が高いので、減税の方向に行くのが筋だ」と述べたという記事。

この問題を考えるのに重要な点は、この新聞記事の後半に書いてあります。それは、「政府の2010年度税制改正大綱は法人税について『社会保険料事業主負担をあわせると国際的に高い水準ではないという見方もある』と併記している」という部分です。

まず、法人税については、ここ20年の間に43.3%から30%へとすでに大幅に減税されていることを踏まえておく必要があります(ここを参照)。法人税の段階的な大幅減税がスタートしたのはバブル崩壊前後のこと。以降、法人税減税が企業を海外から呼び戻す、または外資系企業を呼び込むことに成功したのでしょうか?

次に、法人所得課税の実効税率の国際比較についてはこちらを参照して下さい。一見すると、確かに日本の法人所得課税の実効税率は高いですね。それでも、この段階で米国とほぼ同じだという点も注目すべきです。加えて、国税だけの比較で言えば、日本の法人税はフランスやイギリスよりも低く、中国ともそれほど変わらないのが分かると思います。

さらに、新聞記事にもあるように、法人の負担(=社会への貢献)という観点から言えば、税負担だけでなく、社会保険料負担も合わせ、トータルな法人負担で比較すべきです。こちらを見てもらえば分かる通り、対GDP比で見ると、日本は法人の税負担は高いですが、社会保険料負担がかなり低く、トータルではイギリスを除く欧州の国々よりもぐっと低い負担になっています。

もし仮に、「法人税が高いから企業が海外に逃げる!」という議論を受けて(すでに大幅に引き下げてきた)法人税をさらに引き下げる方向に進めるとするなら、その代わりに社会保険料負担割合を(他の先進国並みに)引き上げるという議論もセットですべきでしょう。でなければフェアじゃないですね。

ちなみに、日本で法人税を支払っているのは全企業の約30%に過ぎないと言われています。黒字の大企業が中心で、中小企業の多くは税金を納めていないのではないかと。しかも、大企業にはさまざまな控除や租税特別措置が適用されていて、実質的な税負担率はさらに低くなっていることや、消費税の「輸出戻し税」にかかわる問題も指摘されていることを併記しておきます。




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