石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

96条の会

2013-05-26 21:20:15 | 活動レポート

先週、「96条の会」という組織が設立され、5月23日に院内で記者会見が行われました。自民党がめざす憲法96条の改正に反対する有識者の皆さんが立ち上げた会です。

発起人に名を連ねているのは、現時点で36名の蒼々たる顔ぶれの皆さん。代表は、憲法学界の長老、樋口陽一東大・東北大名誉教授。そして、23日の記者会見に臨んだのは、樋口氏の他、山口二郎氏、桂敬一氏、千葉真氏、小林節氏らでしたが、中でも小林節先生が参加されているのがとても象徴的です。なぜなら、小林先生は熱心な改憲論者で、長年に渡って自民党の改憲論議のアドバイザー的役割を果たされてきたからです。その小林先生が「憲法96条改正は改憲でなく、憲法破壊」と言い切っておられるのですから、96条改正の愚かさがよく分かります。

下記に、96条の会結成にあたっての呼びかけ文を転載しておきます。今後の議論の参考にしていただければと思います。

 

+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=

呼びかけ文

 憲法改正手続きを定めた憲法96条の改正がこの夏の参議院選挙の争点に据えられようとしています。これまでは両院で総議員のそれぞれ3分の2の多数がなければ憲法改正を発議できなかったのに対し、これを過半数で足りるようにしようというのです。自民党を中心としたこうした動きが、「国民の厳粛な信託」による国政を「人類普遍の原理」として掲げる前文、平和主義を定めた9条、そして個人の尊重を定めて人権の根拠を示した13条など、憲法の基本原理にかかわる変更を容易にしようと進められていることは明らかです。

 その中でもとりわけ、96条を守れるかどうかは、単なる手続きについての技術的な問題ではなく、権力を制限する憲法という、立憲主義そのものにかかわる重大な問題です。安倍首相らは、改憲の要件をゆるめることで頻繁に国民投票にかけられるようになり、国民の力を強める改革なのだとも言っていますが、これはごまかしです。今までよりも少ない人数で憲法に手をつけられるようにするというのは、政治家の権力を不当に強めるだけです。そもそも違憲判決の出ている選挙で選ばれた現在の議員に、憲法改正を語る資格があるでしょうか。

 96条は、「正当に選挙された国会」(前文)で3分の2の合意が形成されるまでに熟慮と討議を重ね、それでもなお残るであろう少数意見をも含めて十分な判断材料を有権者に提供する役割を、国会議員に課しています。国会がその職責を全うし、主権者である国民自身が「現在及び将来の国民」(97条)に対する責任を果すべく自らをいましめつつ慎重な決断をすることを、96条は求めているのです。その96条が設けている憲法改正権への制限を96条自身を使ってゆるめることは、憲法の存在理由そのものに挑戦することを意味しています。

 私たちは、今回の96条改正論は、先の衆議院議員選挙でたまたま多数を得た勢力が暴走し、憲法の存在理由を無視して国民が持つ憲法改正権のあるべき行使を妨げようとする動きであると考え、これに反対する運動を呼びかけます。来る参議院選挙に向けて、96条改正に反対する声に加わってくださるよう、広く訴えます。

+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=

 

なお、6月14日(金)に、「96条の会」発足記念シンポジウムが開催される模様です。詳細は下記を。東京近辺に在住の方、お時間あればぜひ!

「96条の会」発足記念シンポジウム

6月14日(金) 午後6時開場 6時30分開会
会場:上智大学
テーマ「国民の総意なき憲法改定に抗して」
基調講演:樋口陽一
パネルディスカッション
司会・杉田敦、長谷部恭男、小森陽一、山口二郎、岡野八代
参加費無料。予約不要。直接、会場へ。
※詳細は96条の会ウェッブサイトで告知されるとのこと