石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

マイナンバー法案質疑の模様

2013-05-21 23:53:03 | 活動レポート

お知らせしていた通り、今日の参議院内閣委員会でマイナンバー関連三法案に関する質疑に立ちました。
 

 

 内閣委員会でははじめての質問。ややこぢんまりとした委員会室で、答弁席にいる政務三役や参考人たちがやたらと近くにいる感じがします。冒頭、私が25年前にアメリカ留学をした際、現地に着いた翌日にまず最初にさせられたことが社会保障番号(SSN)を取りに行くことだった話を紹介。同じ経験を2001年にイタリアに行った時にもしたことをお話して「ほとんどの先進国でずっと以前から導入されていたものが、なぜ日本で今に至るまで導入されてこなかったのか?」と甘利大臣に最初の問いかけを行いました。

以後、住基ネットの現状、マイナンバーの導入目的と費用対効果、マイナンバー導入のメリット、国民の懸念や不安に対する制度的な回答など、多岐にわたる課題について政府の見解や対応を質しました。
 


今日の質疑で、いくつかの点(心配な?)が明らかになりました。

まず、現在稼働している住基ネットですが、今後も基盤部分は稼働を続けるので、現在かかっているランニングコスト年120億円は、今後も必要であること。つまり、マイナンバーを導入してもこれは削減にならない!

そして、マイナンバーシステムの初期費用とランニングコストについては、初期費用2,700億円(住基ネットの約8倍!)のうち、新規システムの構築が350億円、各種既存システムの改修費用が2,350億円という積算なのですが、後者についてはあくまで各省庁が出してきた粗々の概算で、実際はもっとかかるかも知れないとのこと。しかも、その後のランニングコストは、「一般的にシステム構築費用の10~15%だからそのように想定している」という根拠の薄い説明。ちなみに住基ネットの場合は、構築費用の30~40%ぐらいのランニングコストがかかっているので、よりセキュリティを強固にする今回のマイナンバーシステムは、同程度かそれ以上のランニングコストがかかる可能性もあると思われます。

このコスト面は、今回、法的な位置づけをした政府CIOがしっかりと機能するようになれば、よりはっきりとした形でコスト算定をしてくれると思われます。

また、メリットの方では、繰り返し「はっきりとしたメリットを国民に示すべきだ」と指摘したにも関わらず、甘利大臣は「難しい」の一点張り。まあ上記のようにコストもはっきりしないのではメリットの算定も難しいのは分かりつつも、しかしこれだけ多額の投資を行うわけで、そこはもっときちんと国民の皆さんにメリットを示さなければなりません。

あと実は、今回のマイナンバーの導入は、その利用目的を社会保障、税、そして防災対策という公的な分野に限定していて、民間での利用はできないようになっているため、本来、マイナンバーを導入する大きな目標であるはずの、所得の把握とか、脱税の防止などにはそれほど大きな進展はありません。「今よりは把握が可能になる」程度です。なにせ、金融機関での利用が含まれていないので、分からないわけですね。この点は、将来的な課題であり、実際、ここの部分がきちんと進まないと、社会保障と税における公正・公平性の確保は実現できないのです。

また、マイナンバーICカードの導入についても、イマイチ、政府内でもその位置づけがはっきり共有されていない様子が浮き彫りになってしまいました。例えば、カードにマイナンバーがプリントされることについて「セキュリティ上、よろしくないのではないか?」と指摘すると、担当官僚は「裏面に番号を記載するので大丈夫」と答弁し、甘利大臣は「裏面に記載されるというのは初めて知った」と回答。う~ん、もう少ししっかりと連携して政府としての方針を固めて欲しいと思う訳です・・・。個人的には、券面に番号を載せるのはやめておいた方がいいのではないかと思っています。この点、再検討をお願いしておきました。

以上、簡単に質疑の内容をご報告しましたが、実にあっというまの80分でした。せっかくだから、120分ぐらいもらっておけば良かった!