応援をいただいている皆様へ
12月16日に行われた第46回衆議院議員選挙で、私ども民主党は大敗を喫し、野に下る結果となりました。
11月16日に衆議院が解散して以降、私も各地の選挙区に応援に入り、特に12月4日の公示日以降は、ほぼフル稼働で島根~岡山~京都~東京~新潟~千葉~広島~島根~鳥取~新潟~東京~千葉~岡山~島根と走り回り、声を枯らしながら候補者への支援を訴え続けました。
16日の投票日には、午前中に島根から東京に戻り、自分も投票所に足を運んで一票を投じてから支援組織の選対本部にお邪魔して、皆さんと一緒に開票速報に注目していました。結果は、同じ組織内の千葉1区、田嶋要さんが見事、小選挙区で当選を勝ち取ったものの、全体では57議席に留まる惨敗。2010年7月の初当選以降、2年4ヶ月にわたって一緒に仕事をしてきた1期生の仲間たちが軒並み落選してしまい、涙が出るほど悔しく、残念な思いでいっぱいです。
以下、この結果を受けた私の所感を述べさせていただきます。
はじめに、この大変厳しい状況下、また寒風吹き荒れる悪天候の中で、最後まで民主党候補のために各地で奔走していただき、声を振り絞って応援をいただいた皆さま方に、厚く、厚く御礼させていただきます。と同時に、熱心なご支援をいただいたにもかかわらず、このような結果に終わってしまったことに対しまして心からお詫びを申し上げます。
今回の厳しい結果は、3年3ヶ月に及んだ民主党政権に対する国民の皆さまの審判です。
私たちは選挙前から、前回の2009総選挙で国民の皆さまに約束した公約について、実現出来たこと、出来なかったことを全て整理し、出来なかったことはその理由も付して公表してきました。そして選挙戦を通じて、民主党政権だからこそ実現することが出来た多くの成果を懸命に訴えました。
この3年間で「何が出来なかったか」ではなく、「何が出来たか」を正当に評価いただくことで、民主党が目指す「人を大事にする共生社会」は、自民党が目指す「自由競争に基づく自助の社会」とは明らかに異なるものだということを国民の皆さまにご理解いただきたかったのです。しかし、結果は非常に厳しいものでした。
実現出来たことや目指すべき社会の方向性に対する評価以前の問題として、やはり、与党としての政権担当能力、政策実行力に信頼を持っていただけなかったことが一番大きかったのではないでしょうか。「期待が大きかっただけに失望も大きかった」というのが有権者の皆さんの率直なお気持ちだったのだと思います。私たちは何よりそのことを重く、重く受け止めなければなりません。
しかし私たちは、ここで挫けるわけにはいきません。嘆いて立ち止まるわけにもいきません。民主党に期待して下さっている方々、民主党を必要として下さっている方々は数多くいらっしゃるのです。だからこそ、落選した仲間たちの多くは、すでに今朝から街頭に立って訴えを始め、次なる挑戦に向けて行動を開始しています。そして、2013年7月には参議院選挙も予定されていますし、選挙を間近に控えた地方議員の仲間たちもいます。
私たちは、2009マニフェスト、3年3ヶ月の政権運営、党の分裂騒動、そして今回の総選挙について、これから全員で真摯に総括を行い、12月22日の代表選で選出される新代表の下で一日も早く、党の再建と再生を図り、国民の皆さんの信頼や期待を取り戻し、そして再び、政権を担える政党として認めていただけるよう挑戦していかなければなりません。
そしてそのためには、今一度、民主党というのはそもそも、平和を愛し、社会正義を重んじる「勤労者、生活者、納税者、消費者のための政党である」という基本理念を全員で共有し、みんなが支え合い、分かち合って創る「共生(共に生きる)社会」の実現に向けて、一致結束、戦い抜くことが出来る体制を再構築していく必要があります。それが出来るかどうかに、民主党再生の全てがかかっていると思っています。いや、今回、涙を呑んだ多くの仲間たちのためにも、そして、民主党に期待して下さっている多くの国民の皆さんのためにも、何としてもそれをやり遂げていかなくてはなりません。
私もがんばります。ご支援いただいている皆さま方のご期待に応えられるよう、愚直に、謙虚に、力一杯に努力を続けて参ります。どうか、私たち民主党の再出発と、新たな挑戦に、今後ともお力をお貸しいただきますよう、そして叱咤激励を交えた温かいご支援とご声援をいただきますよう、宜しくお願い申し上げます。
2012年12月17日
参議院議員 石橋みちひろ
【追記】今回の総選挙についての雑感を四つ。
まずは、投票率が大幅に下がってしまったことが本当に残念。戦後最低の59.32%。前回から10ポイントも低下して、有権者の4割が投票に行かなかったというのは本当に深刻なことです。結果、基礎票の固い政党に有利になったことは否めないでしょう。
二つ目は、非自民勢力の分裂が自民に漁夫の利を与えてしまったこと。本来、小選挙区制度というのは二大政党制を志向するもの。その片方が分裂してしまえば、他方を利することは自明です。自民への票がそれほど増えたわけではない(得票は4割に過ぎない)のに、前回と比較して圧倒的な議席の差になってしまったことがそれを物語っています。
三つ目は、メディアの役割。今回、早い段階からメディアは自公圧勝を伝え、結果、その通りに。投票行動を決めていない有権者が半数いたにもかかわらず、最終結果が同じになったということがどういう意味を持つのか、投票率が極めて低い結果になったことも含めて、改めて考えてみる必要があるような気がします。
最後に、維新の会の躍進について。あれだけバラバラな人たちが集まったにわか仕立ての政党が、あれだけ不明瞭な政策を掲げて戦ったのに、あれだけの票が集まったことについてはただただ驚きとため息。維新の会もみんなの党も、結局は保守(自民党)の別働隊。その意味では、民主党のふがいなさを改めて反省する一方で、リベラル勢力の弱体化を感じざるを得ません。それにしても、自民党と維新(とみんなの党)で憲法改正が容易に出来てしまうこと、有権者はどこまで認識して投票して下さったのでしょうか・・・。