今週は、この2冊。
■ミニチュア作家/ジェシー・バートン 2015.7.18
若い才能あふれる作家の良質な小説を堪能しました。
ジェシー・バートンの『ミニチュア作家』です。
舞台は、17世紀の末のアムステルダム。
オランダ東インド会社の帆船が世界の海で大活躍していた時代です。
この本の紹介には、「黄金時代のオランダの光と影を描き上げ、刊行前から世界の出版界の
話題を独占した驚異のデビュー作」とありました。
会話体の部分もほとんど見られずp481ですが、読みやすい。
青木純子さんの訳が巧みなのでしょうか。
アムステルダム、旧教会
一六八七年一月十四日 火曜日
読み始めてしばらくは、冒頭のこの部分の話が分からない、また、どのような展開になるのかなかなか先が見えてこなく、挫折しそうになりましたが、我慢。
そのうちに、だんだん面白くなっていきました。
ネラとコルネリア、この二人の女性は、健気です。
「はい」ネラがいう。「<ト・カン・フェケーレン>とだけ」
<時移れば状況は変わるはず>。
ふたりは、こんな世界に生きたのです。
「でっち上げる必要なんてないのに」
「この家でいちばん面白いのは本当の話なのだから」
ご一読下さい。
『 ミニチュア作家/ジェシー・バートン/青木純子訳/早川書房 』
■死のドレスを花婿に/ピエール・ルメートル 2015.7.18
『その女アレックス』の著者ピエール・ルメートルの『死のドレスを花婿に』を読みました。
大変面白い犯罪小説でした。
まだ読んでない方へ、この本書の解説(千街晶之)から得た情報を少し。
そもそも、『その女アレックス』が文藝春秋から邦訳されたのは、担当編集者が『死のドレスを花婿に』を読んで衝撃を受け、読んだ翌日からルメートルの新作を探しはじめたのがきっかけだという。単行本で邦訳が出た時点では本書はさほど話題にならなかったものの、『その女アレックス』の大ヒットでこちらも版を重ねることになり、今回、いよいよ待望の文庫化という運びになったわけである。
『その女アレックス』のあの決着については、「果たしてこれでいいのか」という疑問が湧いた読者もいた筈はずだ。
「単行本で邦訳が出た時点では本書はさほど話題にならなかった」とありますが、ぼくには、どうしてどうして、読んで大変面白かったです。
面白かったのではあるが、.............「生身の人間ではないフィクションの登場人物に対してそのように感じるというのもおかしな話だが、そう感じさせるだけの生々しい存在感をルメートルの描く人物が具えているのも間違いないのである。」(解説/千街晶之)
『 死のドレスを花婿に/ピエール・ルメートル/吉田恒雄訳/文春文庫 』
■ミニチュア作家/ジェシー・バートン 2015.7.18
若い才能あふれる作家の良質な小説を堪能しました。
ジェシー・バートンの『ミニチュア作家』です。
舞台は、17世紀の末のアムステルダム。
オランダ東インド会社の帆船が世界の海で大活躍していた時代です。
この本の紹介には、「黄金時代のオランダの光と影を描き上げ、刊行前から世界の出版界の
話題を独占した驚異のデビュー作」とありました。
会話体の部分もほとんど見られずp481ですが、読みやすい。
青木純子さんの訳が巧みなのでしょうか。
アムステルダム、旧教会
一六八七年一月十四日 火曜日
読み始めてしばらくは、冒頭のこの部分の話が分からない、また、どのような展開になるのかなかなか先が見えてこなく、挫折しそうになりましたが、我慢。
そのうちに、だんだん面白くなっていきました。
ネラとコルネリア、この二人の女性は、健気です。
「はい」ネラがいう。「<ト・カン・フェケーレン>とだけ」
<時移れば状況は変わるはず>。
ふたりは、こんな世界に生きたのです。
「でっち上げる必要なんてないのに」
「この家でいちばん面白いのは本当の話なのだから」
ご一読下さい。
『 ミニチュア作家/ジェシー・バートン/青木純子訳/早川書房 』
■死のドレスを花婿に/ピエール・ルメートル 2015.7.18
『その女アレックス』の著者ピエール・ルメートルの『死のドレスを花婿に』を読みました。
大変面白い犯罪小説でした。
まだ読んでない方へ、この本書の解説(千街晶之)から得た情報を少し。
そもそも、『その女アレックス』が文藝春秋から邦訳されたのは、担当編集者が『死のドレスを花婿に』を読んで衝撃を受け、読んだ翌日からルメートルの新作を探しはじめたのがきっかけだという。単行本で邦訳が出た時点では本書はさほど話題にならなかったものの、『その女アレックス』の大ヒットでこちらも版を重ねることになり、今回、いよいよ待望の文庫化という運びになったわけである。
『その女アレックス』のあの決着については、「果たしてこれでいいのか」という疑問が湧いた読者もいた筈はずだ。
「単行本で邦訳が出た時点では本書はさほど話題にならなかった」とありますが、ぼくには、どうしてどうして、読んで大変面白かったです。
面白かったのではあるが、.............「生身の人間ではないフィクションの登場人物に対してそのように感じるというのもおかしな話だが、そう感じさせるだけの生々しい存在感をルメートルの描く人物が具えているのも間違いないのである。」(解説/千街晶之)
『 死のドレスを花婿に/ピエール・ルメートル/吉田恒雄訳/文春文庫 』
「ミレニアム2 火と戯れる女」「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」がおすすめです。
面白いですよ。(笑)
機会を見つけて読んでみたいと思います。