約400人は入れる上映会場が、数分で
満席となった今回の企画「発掘された
映画たち2005」のトップに上映されたのが
「保津川の急流」でした。

午後4時、シアター内の照明が落とされ、スクリーンの幕が開きます。
最初に上映されるのは「保津川の急流」です。
シンーと静まりかえる場内、まだ何も映されてないスクリーンに
映写機の回っている音だけが響きます。
この間が、私達の緊張感をいやがおうにも引き立てます。
いよいよです!これを観る為にここまで来た!幻の
フイルムが今まさに目の前に、その全貌を現そうとしているのです。
スクリーンに光が映し出されました。
それは私達が毎日見ている景色から始まりました。
青の染色と緑の調色が施してある映像には
カメラマンが船に乗って撮影したのでしょう、
前で棹を差す船頭が映し出されました。
大きな壁岩に向かっていく船、前で棹を構える
船頭。ここは間違いなく保津峡の鵜飼ヶ浜です。
100年前とはいえかなりの鮮明度です。
巧みな棹さばき、一生懸命に櫂を引く姿、瀬を読んで
流す舵加減、どれも今と変わらない船頭の仕事
風景が映し出されます。
幻の映像が今、目の前に展開しているのです。
気持ちが高揚してくるのを確かに感じます。
ついつい「この場所は・・」「この仕事は・・」と
声が出てしまいました。
そして出てきました。引き上げのシーンです。
獅子ヶ口と呼ばれる保津川一番の激流箇所で
3人の船頭が船にロープを繋いで、綱道と呼ばれる
石積の道から懸命に引っ張ってます。
大きくカーブする箇所では、一人の船頭が船の上がって行く
のに合わせて、陸から棹を船の舳先に強く当て
歩いていました。
なんという力強いシーンでしょう!
この作業を350年間、先輩方はされていたのです。
写真では残っていますが、動く映像で観るのは初めて。
いつも通っている場所だけに、イメージをしっかり掴む
ことが出来ます。
「こんなふうにして、引き上げていたのか・・・」
当時のご苦労を思い、感慨もひとしおでした。
僅か4分間の上映でしたが、心から感動する
作品に出会えた気分です。
無声映像なので、静まりかえる場内には
私達の興奮した声が響いたことでしょう。
このフイルムを観終わって、驚いたのは、
ただ船に乗って撮影していたばかりでなく、
子鮎の滝や金岐の瀬、三棹、宮の下の瀬
という保津川が誇る急流ポンイト各所で待ち構えて
撮られたものを編集しているところです。
このシーンたちを撮影する為には、険しい山の
中を歩いて、谷間を降りて行かねばなりません。
かなりの動力と時間を掛けて撮影されたもので
あることがわかります。
このフイルムは今から約100年前(1906)に
フランスのパテ社というところが撮影したそうで、
発見されたのはオーストリアだったようです。
当時のヨーロッパの人が、日本の保津川下りに
かなりの興味を持たれていたのが、伝わるつくり
になっていました。
僅か4分のフイルム上映を求めて、
遠く東京へやって来た私達。
観終わったみんなの顔には、満足感と達成感
で溢れていました。
多くのお土産を持って東京を後にした私達の
胸には、行くべき目標を確かに見つけたという
力強い確信が広がるのを感じました。
満席となった今回の企画「発掘された
映画たち2005」のトップに上映されたのが
「保津川の急流」でした。

午後4時、シアター内の照明が落とされ、スクリーンの幕が開きます。
最初に上映されるのは「保津川の急流」です。
シンーと静まりかえる場内、まだ何も映されてないスクリーンに
映写機の回っている音だけが響きます。
この間が、私達の緊張感をいやがおうにも引き立てます。
いよいよです!これを観る為にここまで来た!幻の
フイルムが今まさに目の前に、その全貌を現そうとしているのです。
スクリーンに光が映し出されました。
それは私達が毎日見ている景色から始まりました。
青の染色と緑の調色が施してある映像には
カメラマンが船に乗って撮影したのでしょう、
前で棹を差す船頭が映し出されました。
大きな壁岩に向かっていく船、前で棹を構える
船頭。ここは間違いなく保津峡の鵜飼ヶ浜です。
100年前とはいえかなりの鮮明度です。
巧みな棹さばき、一生懸命に櫂を引く姿、瀬を読んで
流す舵加減、どれも今と変わらない船頭の仕事
風景が映し出されます。
幻の映像が今、目の前に展開しているのです。
気持ちが高揚してくるのを確かに感じます。
ついつい「この場所は・・」「この仕事は・・」と
声が出てしまいました。
そして出てきました。引き上げのシーンです。
獅子ヶ口と呼ばれる保津川一番の激流箇所で
3人の船頭が船にロープを繋いで、綱道と呼ばれる
石積の道から懸命に引っ張ってます。
大きくカーブする箇所では、一人の船頭が船の上がって行く
のに合わせて、陸から棹を船の舳先に強く当て
歩いていました。
なんという力強いシーンでしょう!
この作業を350年間、先輩方はされていたのです。
写真では残っていますが、動く映像で観るのは初めて。
いつも通っている場所だけに、イメージをしっかり掴む
ことが出来ます。
「こんなふうにして、引き上げていたのか・・・」
当時のご苦労を思い、感慨もひとしおでした。
僅か4分間の上映でしたが、心から感動する
作品に出会えた気分です。
無声映像なので、静まりかえる場内には
私達の興奮した声が響いたことでしょう。
このフイルムを観終わって、驚いたのは、
ただ船に乗って撮影していたばかりでなく、
子鮎の滝や金岐の瀬、三棹、宮の下の瀬
という保津川が誇る急流ポンイト各所で待ち構えて
撮られたものを編集しているところです。
このシーンたちを撮影する為には、険しい山の
中を歩いて、谷間を降りて行かねばなりません。
かなりの動力と時間を掛けて撮影されたもので
あることがわかります。
このフイルムは今から約100年前(1906)に
フランスのパテ社というところが撮影したそうで、
発見されたのはオーストリアだったようです。
当時のヨーロッパの人が、日本の保津川下りに
かなりの興味を持たれていたのが、伝わるつくり
になっていました。
僅か4分のフイルム上映を求めて、
遠く東京へやって来た私達。
観終わったみんなの顔には、満足感と達成感
で溢れていました。
多くのお土産を持って東京を後にした私達の
胸には、行くべき目標を確かに見つけたという
力強い確信が広がるのを感じました。