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保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

子どもたちの卒業式。

2011-03-24 22:03:50 | 船頭
3月は別れの季節です。

我が家でも昨日は、娘マリが小学校を卒業しました。

いつまでも小さいと思っていた娘も、この春から中学生です。
昨日の卒業式は、彼女のこれまでの生い立ちが思い起こされ
なんとも感慨深いものがありました。

娘は、出産予定日より約1ヵ月半早くこの世に生まれてきました。

生まれてきた時はまるで「鳥ガラ」のように細くて
小さな小さな‘赤ちゃん’でした。
呼吸するのも大変そうで、まさに「生まれてきたこと」
「生きていること」だけでも‘幸運’な子でした。

NICUのカプセルの中で、懸命に生きようと頑張っていた
姿が、式の最中も思い出されました。

そんな子が昨日小学校を卒業し春から「中学生」

真新しい中学校の制服を着て、卒業証書を授与される姿を
見たときは胸にこみ上げるものがありました。

お調子者で慌てん坊、いつもハラハラと心配は尽きないのですが、
「生きているだけでいい・・・」と願ったあの日のことを覚えている
から、そんなことは大したことではないと感じます。

これからも、いろんなことがあるでしょうが、
‘希望’と‘ロマン’をもって生きてほしい。


ちなみに我が息子も今年、中学校を卒業しました。

受験前に利き手の指を骨折するという、最後まで
お騒がせぶりを発揮していましたが、第一志望に
何とか合格、京都市内へ通学し、高校生活を始める。

こちらの式は、私がPTA会長だったので、祝辞として
檀上からしっかり自分の思うメッセージを贈っておきました。

いわゆる、校長とPTA会長で合わせて30分のスピーチをし
噂となった‘伝説の卒業スピーチ’(?)です。


まあ、この話はまたの機会に譲りたいと思います。

それでは、

子どもたちよ、卒業おめでとう!


生きていることは素晴らしい!



日本を覆う、自粛の空気に思うこと。

2011-03-21 23:03:53 | 船頭

東北・関東地方を襲った大地震発生から一週間を過ぎたが、
被災地から送られてくる情報は、日を追う毎にその爪痕を
浮彫りにし、胸を締め付けられるものばかりだ。

復興を支援するため、日本中が、日本人が一丸となって
立ち上がっている姿に心強さを感じながらも、心の晴れる時はない。

しかし、先日も書いたように、心を倒し、沈んでばかりいても
被災した人々には何の手助けにもならない。

とはいえ、わかっていても、気分が乗らないのだろう。
日本中が喪に服するがごとく、自粛ムードに流されている感がある。

保津川下りでもこの春、すでに約820名を超えるキャンセルがあった。
その上、ホームページの船頭ブログが「こんな時に能天気だ」と苦情があり
更新を自粛する事態にまで至っている。

京都の春の恒例行事でも、「京都東山・花灯路」が14日で自粛終了し、
あんどんなしの「京都・東山祈りの灯り」として被災地への鎮魂行事へ移行した。
また、春に予定していた法然、親鸞の遠忌法要の一大宗教行事も中止し、
秋へ移行し開催を検討している。

福島原発の被害状況を憂慮し、海外からの旅行者にも敬遠されツアーの中止が相次いでいる。

地域では、歓送迎会の季節。しかし、最大のお得意さんだった公務員系の歓送迎会が
周囲の目を意識してか?軒並みキャンセルとなることが多くみられ、この時期を
当て込んでいる飲食業は大きなダメージを受けることが必至な状況なのだ。

こうした状況が長引くと東日本をこれから支えていかねばならない、
関西経済への影響はとても深刻だ。

誤解を恐れず、あえて訴えたい。

このままでは、日本経済が立ち行かなくなる。
西日本は、通常通りの経済活動を再開しないことには
日本全体が自粛してしまったら、早期の復興はままならない。

被災された方々が望まれているのは、同情ではないはず。

被災地では、今すぐ現実的なサポートが求められていることを、みんなが知っているはずなのに。

被災していない者が支えなければならないことを知っているのに。

なぜ、どうして自粛を‘よし’とする空気が流れているのか?
また、自粛姿勢が感じられない者を糾弾するのか?

今、私たちにできることは何なのか?

それは・・・あえて今更、言うまでもないはずだ・・・


恐ろしいことが起こった・・・

2011-03-11 19:43:07 | 船頭
本日発生した東北・関東の大地震で、東日本の都市機能は壊滅状態だ・・・

津波で大地が飲み込まれていく映像に心が痛む。

東京でも交通や電力などインフラが停止して、都市機能が麻痺しているらしい。

先日、お世話になった山形県の最上川舟下りは大丈夫だろうか?

とても心配しております。

情報をお持ちの方、何卒、一報をよろしくお願いいたします。

ここまできたら、オール日本、すべての力を結集して救助対策にあたってほしい。


※ 3月11日(金)に発生した東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福を
  お祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして
  心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。







空手にお掃除・・・週末はイベントが目白押し!

2011-02-18 22:43:37 | 船頭
明日は午前中に亀岡市東部文化センターで、
主宰する「斯道会空手」の子どもたちに
よる「空手演武」を披露します。

今回は子どもたちがストーリーを考えた「空手寸劇」も
発表します。これは今年、市PTA協議会でテーマとした
子どもたちの自己表現力を引き出す狙いがあります。

はじめてのチャレンジで、どのような劇になるか・・・
でも、子どもたちは一生懸命頑張って稽古をしてきました。
恥ずかしさを超え、自分を解放しよう!

その午後からは斯道会空手の師範代である豊田覚司が、
市民協働シンポジウムでパネラーとして登壇します。
彼は亀岡市で設立した異文化交流団体「京・くろかる隊」
の代表者として、市内留学生と市民の交流事業を進めています。
私も演武会が終わり次第、駆けつけ参加したいと思います。

そして!明後日の朝、京都一長い川である「桂川」で府下一斉に
河川掃除を実施するイベント「桂川クリーン大作戦」が保津川の
大橋下などで開催されます。

嵐山や桂・長岡京など桂川流域に市民が集合し河川美化活動を
行う一年に一度のビックなお掃除イベントです。

ぜひ、お時間のある方はお近くの会でご参加ください!
当日参加、大歓迎です!

午後から亀岡市青少年育成協議会の「市民集会」に出席、夜は
亀岡市PTA連絡協議会の本部&理事会議を開かなくては
なりませんので、かなりタイトなスケジュールとなる一日ですが、
どちらも念を込めて取り組みたいです。


この週末は超多忙になる予想です。

雪見舟にテンションも上がる保津川下り。

2011-02-13 23:50:59 | 船頭
今日は朝から小雪が舞う寒い一日でした。

保津川乗船場から望む愛宕山にも頂上付近に雲がかかり、
雪しぐれの空模様です。

保津峡の山々は雪が被り、まるで薄い白い絹で覆われたような美しさでした。

こんな日の川下りは、雪見を景色を楽しみながら船内で「熱かん一杯!」
なんて、やるのもいいものです!

今日、大阪からお越しくださった男女若者グループ9人さんも、
雪見舟rにかなりテンションが上がり、船内は大盛り上がりでした。

寒い谷風が吹いていたのですが、前のホロを上げて、
わたしの説明を熱心に聴いて下さいました。
皆さん、ノリがとてもいいので、わたしもトークも冴える、冴える!
思いっきり膨らむわたしの話にも「ボケ」と「ツッコミ」をしっかり
入れて、盛り上げてくれるところなどは、さすが大阪人です。

盛り上げる立場のわたしたち船頭が、逆に盛り上げてもらいながら
お客さんとのコミニュケーションが深まっていく。
こんなところも保津川下りの楽しさなのかもしれませんね。

最近、何かと忙しく、なかなか舟を操船する機会が少なかった私でしたが、
今日は「やっぱり舟の仕事は楽しいな~」と心から感じられる
笑いの絶えない楽しい2時間の船旅でした。

明日も京都は雪が積もるような天気とか・・・

雪景色が一段と美しさを増す保津峡。

雪見舟、一度体験してみてくださいね。

冬の保津川舟、出航!はっちんもキャンプ・インです。

2011-02-09 22:53:46 | 船頭
今日は久しぶりに舟で出航です!

朝9時45分、ご予約をいただいていた千葉県の高校生の皆さん。
一気に4艘の船が同時に出航しました。

今日一日、京都観光をして、明日は大阪のユニバーサルスタジオへ
行かれるそうです。
時あたかも関西では、地方分権改革の実現を目指して関西広域連合が
昨年、設立されました。関西圏域を連携して、観光・文化振興をはじめ
産業振興、医療、環境保全など7つの分野について新たなアプローチを
模索する動きが活発化してくる中、我々も広域的な観光ルートの開発が
重要な企業戦略の核となることでしょう。
ユニバーサルスタジオとのルートも十分視野に入れていかないとね。


さて、冬の保津川下りはお座敷暖房船です。

お客さんの乗船スペースを透明のビニール屋根で囲い、
サイドはアクリルのスライド窓により、開閉自由。
船内は赤い絨毯を敷き絞め、お客様はそこにお座りいただくスタイル。
暖房というのは今ではお目にかかれない昭和の面影を残す年代モノの
石油ストーブが設置されています。

船床の樹脂板一枚の下はうねりをあげる保津川の激流です。
その川の流れや落差がじかにお尻に突き上げてくる感じがする
自然に最も近づける川下りスタイルがこの冬型の保津川下りの魅力とも
いえるでしょう。

2月に入ると少し寒さも和らいできたこともあり、ご予約の数が
徐々に増えてきました。

そろそろ、船頭・はっちんに戻り、川の暮らしを再開したいと思っています。


春の本格的観光シーズンに備え、体力、体調も整えていかないといけなし。

プロ野球も春のシーズン開幕を目指して、キャンプも盛り上がっていることだし、
わたしも、船頭家業のキャンプ・インと参りたいところです。

これからも船頭・はっちんに温かいご声援をお願いいたします。

保津川遊船、新社屋の定期総会を開催!

2011-02-01 16:40:04 | 船頭
本日1日(火)、保津川遊船企業組合の定期総会が真新しい乗船場で
開催されました。
 
今年で41回を数える定期総会。
会社法人でいうところの株主総会にあたり、年に一度、事業主である
船頭組合員が一同に出席し、事業運営等について協議する組合事業でも
最も重要な会議なのです。
しかも、今年は昨年末竣工した新社屋での開催となり、
保津川下り・405年間の歴史の中でも、記念すべき総会となりました。


午前9時から開かれた総会には、亀岡市長や地元選出の京都府会議員など
来賓の方々もお招きして、盛大に執り行われます。

総会で提出審議される項目は前年度の事業報告並びに
決算報告等9議案。

各議案について組合理事者から一通りの報告・説明が
なされた後、理事者側への質疑応答など活発な議論が繰り広げられます。


特に、昨年度は異常気象の影響を受け、営業休止となった日が
41日もあった上、長引く経済不況の影響から、インフルエンザで
京都観光が大きな打撃を受けた前年度をも下回るという
大変厳しい営業成績となりました。

一方、政府(観光庁)のインバウンド観光政策強化の追い風を
受け、海外旅行者、特にアジア圏からの観光客は119%増と
いう好調な伸びを示し、今後の営業戦略にとって、先行きに一抹の
明るい兆しを見つけることもできました。

今後は「日本の自然景観や地形を利用した和船川下り」を海外観光客に
アピールできるかが重要な鍵を握ることになるとおもわれます。

まだまだ、不況の出口は見えにくい中ですが、我々も観光産業を担う
一員としての自覚をしっかり持ち、地域は言うに及ばず、国の経済振興にまで
影響を与えられるように頑張っていかねばと気を引き締める総会となりました。

今年も、社会のニーズを読み取り、更なる技術とサービスの向上、
多彩な企画力の練り、魅力ある観光施設を目指していく所存です。


皆様の変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。


保津川遊船企業組合

豊田 知八


嵐電開業100周年記念観光立国フォーラムに参加して。

2011-01-15 22:30:30 | 船頭
‘らんでん’の愛称で親しまれている京都の京福電鉄・嵐山線の
開業100周年を記念した観光立国フォーラム「どうする日本・京都の観光振興」
が13日、二条駅前の立命館大学朱雀キャンパスで開催され、私も参加してきました。

会場には京都の自治体をはじめ、関連企業者、学生など約400人が来場。
京都観光に思いのある識者や芸術家がパネリストとして壇上に登壇し
これからの京都観光についての方策等の議論を深めました。

一応、京都観光の一翼を担っていると自負している保津川下りとしても
聴講しなくてはならないフォーラムであると判断した私は、自主的な
個人参加として会場へ出向いた次第。
事実、遊船からはどなたも参加されていなかったのは少し残念ですが・・・

京都、二条に出現した強大な近代的学び舎である立命館大学朱雀キャンパス。
足を踏み入れるのは今回が始めて。まさに高級ホテルを思わせる贅沢な造りです。


それはさておき、フォーラムはまず中村良夫東京工業大学名誉教授が基調講演として
「観光立国に向けた都市・国土のあり方」と題して京都の自然、歴史、生活文化を
より魅力的に観光資源力として高め、世界に発信していく視点とアイデアを提案されました。
講演では「その時代ごとに、古き日本と先進的なアートがほどよい融合をはかり、
形成された歴史を感じさせる京都の潜在力が観光資源」とただ古い景観が残っている
だけでないところに京都の魅力があると強調した上で、
「観光以上に、人が住んで魅力があるまちを創造することが京都の質を高め、
地域振興から企業誘致という‘超観光都市’を生み出せる」と未来の京都像を提示されました。

続くパネルディスカッションではテレビCMでお馴染みの服飾評論家・市田ひろみさん
や陶造美術家の近藤高弘など7名が登壇し、さらに京都の魅力をより効果的に
演出する方策を討論されました。

討論では「京都人の生活文化に備わっている‘おもてなし’の心という細やかな
気配りこそ、世界に発信できる魅力である」との意見が出される一方
「京都は依然、地方の観光客にとって敷居の高さを感じさせるところがある、京都人自身が
まちの魅力を手渡しで伝える努力が必要だ」という異なった意見も出されました。

長い歴史と文化を有する日本有数の観光都市として生きてきた京都が、
新たなグローバル化の波の中、地域力を基盤として、さらにどのような
特異性や希少性を掘り起こし、ブランド力を高めていけるかが、
重要な視点となると感じました。

この日、京都市役所では溝畑宏・観光庁長官が来京し、同市と
外国人観光者増加を目指す共同プロジェクト「観光立国日本・京都拠点」
を開始する調印式が交わされました。

国家プロジェクトとして本格的に「観光立国」として産業化を推進する
動きは、京都はもちろんのこと、日本全国各地が総観光業化すると
いう‘大きな波’が押し寄せていることを示唆しています。

この大きな荒波にさらされるであろう観光業間の競争激化は
我々、保津川下りにとっても今後「生存を賭けた戦い」
に突入していくことを意味するということを
組合員一同がしっかり自覚する必要があります。

一切の甘えは許さず、時代の求めるものを読み取り、
自らも変わり、懸命に努力するという意識なしには
「生き残れないのだ」ということを片時も忘れてはならない。

保津川下りブランドをさらに磨き、確立することの
具体的方策を、至急に策定していこうという思いを
強く意識付けられた、刺激多き、フォーラムでした。




あけましておめでとうございます。

2011-01-13 01:23:21 | 船頭
何とか、間に合いました・・・

はっちん船頭ブログをご覧の皆様、遅ればせながら、

新年あけましておめでとうございます。

年末年始、多忙を極め、新年のご挨拶が遅くなってしましました。

昨年、保津川下りのオフィシャルホームページがリニューアルされ、
正式に「船頭ブログ」が設置されたことで、2004年から保津川下りの
情報を提供してきた「保津川下りの船頭さん」ブログも、公共的な役割を終え、
今後はこのブログで「はっちん」という船頭の個人史、
生きてきた記録
として綴っていきたいと思っているところです。

2011年、今年は内外事情ともに多事多難であり、まさに世界が大きく動く
時代の変動期に立っているということが実感できる年になることでしょう。

そんな時代を生きていく「ひとりの日本人として」
日頃考えていること、感じていることを表現していきたい。

本年もよろしくお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

保津川下り 船頭

豊田 知八

平成23年  元旦

‘川根性’全開!はっちん船、爆弾低気圧に遭遇する!

2010-12-03 20:34:32 | 船頭
今日の保津川は前線を伴った低気圧が発達する爆弾低気圧の影響で大荒れの天気に。

その「大荒れ」の真っ最中に私はっちんの舟は、な、なんと、渓谷の川の上に浮かんでいたのです。
しかも、その爆弾低気圧と呼ばれる強風にさらされながら!

出航時は青空と太陽が照り、汗ばむほどの穏やかな陽気だったのに・・・
嵐山までの航路が半分地点を迎えた頃、上空一帯に濃いグレー色の雲が覆いだし、
川の周辺はまだ午後2時前というのに夕方のような暗さに一変。

と、突然、水面をもの凄い風が波立て、唸り声をあげながら舟へ向かってきたのです!

雨よけのテントをして運航していた舟に容赦ない雨と風が襲い掛かります。

強風に捲り上げられ三角型の雨用テントはアーチ型に膨れ上がり、
テントごと舟を吹飛ばさんばかりの勢いです。

こんな強風を受けたのは私の船頭経験上、あまり記憶にないほど勢いでした。

操船の要となる舵を持つのは私。
舟の舳先を思い切って強風の風向き方向へ舵を切ります。

高瀬舟である保津川下りの舟は船底が平らなため、横風が一番の強敵です。

風の強さでどれだけ舟が風下に流されるか、瞬時に読み、
舟一艘分しかない岩と岩の間を正確に通り抜けることが求められます。

この時ほど保津川船頭に高度な操船技術が必要とされる場面はありません。
五感すべてをフルに活動させ、体力の限りを尽くし、強風吹き荒れる難所を乗り切るのです。
しかも、乗船されているお客さんには悟られないように、顔はポーカフェイスで。

これぞ、保津川下りの船頭に400年間脈々と受け継がれてきた‘川根性’‘舟根性’です!

昨日まで艶やかな紅葉で訪れる人の目を楽しませてくれた雄大な自然が、
今日は牙を剥き猛威となって保津川の小舟に襲い掛かってくる、これが
ありのままの‘自然’なのです。

こんな時に頼りになるのは、自身の体に備わった操船技術と同じ舟に乗り込んだ船頭たちの協力だけ。
この時ほど保津川船頭として、師匠や先輩から厳しく操船技術を学び、
身に付けたことが心強く思えるときはありません。

舟を飲み込むほどの嵐は10分もすると嘘のように去り、舟が嵐山に着く頃には
曇り空の隙間から青空がのぞき、時折、太陽が射す穏やかな天候へと戻っていました。

あの大荒れの渓谷が同じ日だとは思えないほど・・・

まさに‘魔の10分’。

一時間後に出航予定だった私達の後の舟は出航目前に運航中止となりました。

それほど今日の低気圧はもの凄いものでした。

400年の歴史が生み出した保津川舟の操船技術の正確さと心を一つにして力を合わせて下った
乗り込みの船頭たちに感謝したい気持ちでいっぱいです。