米子建築塾のまちトークvol.8で、建築の映画「だれも知らない建築のはなし」上映と石山監督さんとのトークを行いました。この映画は、建築関係の方はご存知かもしれないですが、2014年度のベネチアビエンナーレ国際建築展の日本館の展示の中で紹介するためにつくられた映像で、それを一般上映用に再編集され、この5月から全国20カ所ほどで上映されているものです。
今回の東京オリンピック新国立競技場問題と時期が重なったこともあり、一般の建築への関心への高まりもあってか、監督さん自身もこんなに長く上映することになるとは思ってなかったとのことですが、今回のまちトーク自身、最大級の参加者だったと思われます。
100名の劇場がほぼ満杯になるという。。この映画の力もですが、最近の社会の中での建築への関心の高さを感じました。もちろん、参加者はほぼ建築関係者ではありましたが、これまで来られなかったような方々も結構いらしたと思います。それに、もちろん建築以外のアートや映画や農家?の方も。
実は、前日に米子高専の学生向けにも上映して、石山監督さんにもそこからお越しいただけたので、いろんな話をさせてもらいましたが、学生にとっても、今回のまちトークでも、本当によい話をいただけたと思いました。
さて、映画の中身ですが、日本の建築家、磯崎さん、安藤さん、伊東さんは、誰もがみとめる現在のトップアーキテクト。それ以外に、海外はレム・コールハース、ピーター・アイゼンマン、チャールズ・ジェンクスと、建築家もいれば、ポスト・モダンという建築言語で世界にブームを巻き起こした建築理論家も。また、日本から世界に発信されていた雑誌、a+uとGAの雑誌編集者、中村さんと二川さんなど、日本の建築家が70年代から現在に至るまで小住宅からはじまり、現在に至るまでの活動やそこで世界の建築界へどういう伝わり方をして、現在それぞれどんな思いで。。というあたりの建築家たちの本音や、相手の批評(批判)など。。世界的な評価を得る伊東さんでさえ、日本の社会でそれが何の役にたっているのか、自分のことなんて認めてもらえてないという苦悩をもらされたり。安藤さんも、自分は建築界から排除されていると。それでも、国に対して、教育や建築業界の構造がまちがっていると指摘したり。。伊東さんも、国がこんなにも暴力的に地方都市をあやつり、建築行政もあやつっているのかというくだりなど。。本当にもういろいろ共感もしたり、自分はまだまだ何もできてないとか。。建築の無力感を同時に思ったり。でも、だからこそ、やれることはいっぱいあって、もっとアイデアを出して、何か建築物というアウトプットではないかもしれないけれど、建築のもつ力をいろんな形で社会に反映させていきたいなと思ったアツい二日間でした。。
最近、悩んでしんどいこともいろいろありましたが、元気ももらえた二日間でした。石山監督ありがとうございました!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます