宮下昌也の近況報告    MASAYA MIYASHITA 's News

美術家・宮下昌也の展覧会、ライブペインティングなどの活動情報と
南房総、鴨川の日々の生活から最新情報を掲載しています。

5年目、4回目の醤油搾り

2013-02-27 | 
我が家で4回目になる醤油搾りを行いました。
長野の手作り醤油の会から教えを受けて鴨川で醤油作りが始まって5年目、3年目からは会員が出資し合って自分たちの船(醤油を搾る道具)を造り、全部の樽を鴨川自然王国に集めて行っていた搾りも、里山お助け隊の今西君が搾る技術を習得して、各樽を廻って搾る様になりました。初め4樽から始まった樽元も、年々増えて今では20樽近い樽元がいるそうです。

醤油樽は春に仕込んで、1年後の冬に搾るのが醤油の会のやり方ですが、今回搾ったもろみは2年寝かせたもの。2年寝かせた理由は2つあって、ひとつは一樽で一升瓶30本分の醤油が取れるので、一家族で一樽作っている我が家では1年では消費しきれない量である事、もうひとつは家の保存環境では1年ではもろみの醗酵が今ひとつ進み切っていないのではないか?という事です。
毎回どんな醤油になるか?ドキドキの搾りですが、今回初の2年醸造の醤油搾り、さてさてどんな醤油が出来上がるのか?その様子をご覧下さい。


これが醤油を搾る船。昨年搾らなかったので、宮下家では自分達の船で搾る初めての醤油になります。


大きな釜で大量のお湯を沸かします。道具を洗ったり、もろみをちょうど良い粘度にのばしたり、色々使います。左の釜は、搾った醤油の火入れに使います。


広子さんが2年かけて育てたもろみの様子。「色もいいし、いい醤油になるよ!」とは醤油マスター今西君の弁。


先ずもろみにお湯をたして塩分濃度と粘度を調整します。


のばしたもろみを搾り袋につめて、船の中にきちんと並べていきます。この時の並べ方が偏ると、均一に搾る事が出来なくなるので、気を使う作業のひとつ。


ジャッキで圧をかけて最後の一滴まで搾り切ります。最後の方に出て来る醤油は、透明度も高く不純物が少ないので、火入れをせずに生醤油として使います。


2年醸造のかいあってコクがあって色も美しい、今までで一番出来のいい醤油になりました。
仕込む時の材料が同じでも、寝かせている間の環境や手間のかけ方で違う味の醤油に育つのが手作りの楽しさですが、5年目にしてやっと我が家流の育て方を掴んだ手応えを広子さんは感じた様でした。

これでまた向こう2年間使う醤油が確保できて一息つけた感じです。
過去の醤油作りのアーカイブも、興味ある方はご覧下さい。

2011年の醤油搾り
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=3468067

2010年の醤油搾り
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=2737091

2009年の醤油搾り
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=1963475

2011年の醤油の仕込み
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=3595765

2010年の醤油の仕込み
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=2819326

2009年の醤油の仕込み
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=2083841

2009年の醤油作り途中経過
http://pub.ne.jp/hoshimitei/?entry_id=2405172



かわせみ座あらわる!

2013-02-18 | 地域生活
先週土曜日にご近所のシュガーソルトカフェで「マジシャンテツヲ×人形劇・かわせみ座」の公演があり、息子達2人と見に行きました。会場にいた沢山の子供たちは、テツヲさんの楽しい話術とマジックの不思議さに「えー!?」と声を上げてざわめき、かわせみ座の人形劇が始まると、まるで命ある様な人形達の動きに魂を奪われたかの様に見入っていました。
緊張感のあるプロフェッショナルな芸に感銘を受けたひと時でしたが、その翌日、かわせみ座主宰の山本由也さんが我が家を訪ねてくれました。
山本さんとはfacebookでメッセージを交わした事はあっても、会ってお話しするのは初めてで、お互いの活動歴や表現者としての価値観やこだわり、今後の展開などについて密度の高い会話を交わし、共通の友人の名前も何人か飛び出して、楽しい数時間を過ごしました。そして土曜はパン焼き日で公演を見に行けなかった広子さんのために、庭先で操演まで披露して下さいました。


魔法の箱から飛び出したパーン(牧神)。


まるで生きているかの様な表情や動き。かわせみ座の人形は構造から操作法まで全てオリジナルで、近くで見るとそのディティールの完成度の高さにますます感心させられます。


いたずら者のパーンは家に置いてあるいろんな物に飛びついたり、引っ掻き回して、また魔法の箱へと帰っていきました。

山本さんとの会話はその後、絵と人形劇で何かコラボできないか?という話になりましたが、この日は具体的なアイデアまで至らず、果たしてその日が来るかどうかは、芸術を司る女神アテーナーのみぞ知る?と言ったところでしょうか.....。

お知らせ:ライブ&ペインティング房総半島ツアー with KURI

2013-02-15 | ライブペインティング
3月22、23、24日(金、土、日)の3日間、房総半島で話題のお店3カ所を廻るライブペインティングツアーをアジア&ケルト系音楽ユニット・KURIと行います。

八ヶ岳の麓に暮らすKURIの二人は日本各地での演奏活動はもとより最近はヨーロッパでの活動が盛んで、他にもフィリピン、台湾でツアーを行うなどワールドワイドに活躍しています。
僕とは2001年に長野での平和イベントで出会って以来、地域は違えど同じ様なオルタナティヴな暮らしぶりや価値観で意気投合し、CD制作、展示、ライブなどで数多くのコラボを展開、現在の僕のパフォーマンス型ライブペインティングのスタイルを一緒に作り上げて来た盟友と言ってもいいバンドです。
彼らはクラフト作家の一面も持ち合わせていて、10月に静岡県掛川市で行われる「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」では今でも毎年一緒に展示とライブを行っています。一時期は房総半島にも毎年来てもらっていましたが、今回の房総半島ツアーはなんと5年ぶり!
しかも今回、KURIとのライブペインティングは子供たちにも見てもらいたい!との僕の思いから、気軽に来場できるように料金を感動金(ドネーション制)にしてもらいました。ハイクオリティな演奏と息のあったライブペインティングパフォーマンスを、またと無いこの機会にぜひ体験して下さい!



アジア&ケルト系音楽ユニット・KURI & 美術家・宮下昌也 ライブ&ペインティング房総半島ツアー


3月22日(金)はちどり食堂 start19:00
       (山武郡九十九里町小関2264 tel:0475-70-3325)

3月23日(土)シラハマアパートメント start19:00
       (南房総市白浜町滝口6734-2 tel:0470-38-4448)

3月24日(日)シュガーソルトカフェ start16:00
       (鴨川市金束375-1 tel:0470-98-0616)

お問い合わせ先:各会場及び宮下(hoshimitei@gmail.com)

?料金は気軽に楽しめる 感動金+1オーダー
大人から子供まで全ての人に気軽にパフォーマンスを楽しんでいただくために、料金は全会場とも感動金。
パフォーマンス終了後、お客様が感動した分の金額を各自納めるドネーション制。お金を出演者とお客様の気持ちと心をつなぐツールとしてとらえる、草の根的経済実験です。

?同時開催!KURI&宮下の空想雑貨店!
里山の暮らしや旅から生まれたMihoのアート手ごね石鹸&手作りコスメ、宮下がグラフィックを描いたヘンプの服、CD、楽器、アートグッズなど、その日だけの幻の雑貨店が会場に出現します!



高所伐採

2013-02-04 | 地域生活
かねてより懸案だった家の裏の大きくなり過ぎた椎の木達を切りに、高所・特殊伐採の仕事をしている河内林業が来てくれました。河内林業の河内君はコヅカ・アートフェスティバル2012で、「そまびと」としてツリークライミング・ワークショップを開催してくれて大好評を博した人です。


ロープ、滑車といったシンプルな道具を駆使して、とても手が付けられないと思っていた大きな木達を次々に切り詰めて行く技術は、感嘆の一言です。


彼の仕事ぶりを見ていると、危険を伴い体力も知力もいる作業がまるで危なげなく見えてしまう。これはすごい事だと思いました。

10年以上前ですが唐椎(トウジイ→マテバシイ)に登ってチェーンソーで枝打ちをしていたところ、向こう側に倒れると思っていた枝が垂直に落ちて来て、身体をかすめ、登って来た梯子を潰される、という恐ろしい体験をした事があります。
生活のあらゆる事柄を自給的に楽しみとしていますが、やはりプロフェッショナルな技術が必要な場面は多々あります。信頼できる職人さん(クリエイター)達とのつながりは、豊かな地域生活の要かもしれません。


宮下昌也と巡る悠久の旅