宮下昌也の近況報告    MASAYA MIYASHITA 's News

美術家・宮下昌也の展覧会、ライブペインティングなどの活動情報と
南房総、鴨川の日々の生活から最新情報を掲載しています。

報告:ちっちゃな文化展+巨石と巨樹の物語

2015-11-02 | ライブペインティング

 第17回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展、今年はお天気に恵まれた素敵な三日間でした。

今年で9回目の参加,6月の駒ヶ根「くらふてぃあ・杜の市」と並んで、もう長~いお付き合いのアートイベントです。

100名以上のアーティストが入り込み、会場となる街全体の空気もすっかりお祭りムードが定着して、毎回思いますがこんなアートイベント他に無いです。っていうか、こんな街、他に無いです。

 

もう,この場所でのセッティングもすっかり慣れてきしました。

伊勢屋さんのガレージスペースでの公開制作も定着して来て、いつも皆さんに沢山お声をかけていただきます。

ここで描いていると会場の空気感が良く分かります。

街の人たちがすっかりアート慣れをしているので、会話も技法的な事から創作に対する精神性のあたりまではずむ事もしばしば。
特に街の子供たちが素晴らしいです。
小学生が会場を走り回ってお気に入りのアーティストと会話したり、高校生が芸術鑑賞の授業で廻ってきたり、今の高校生は生まれた時からちっちゃな文化展が開催されていた訳で、この17年間に町全体の芸術文化に対する考え方はきっと大きく変貌したんだろうなぁ、と思います。
子供たちは歯に衣を着せないから、この街で一番厳しい批評者かもしれません。

僕のところにも制作の進み具合を何回も見に来てくれる子達がいて、「夜は音楽と絵を描くライブペインティングするよ!」って誘ったらお母さんつれて見に来てくれて、嬉しかったです。
でも、最前列に陣取って「飽きたら帰ろうね....」って友達とひそひそ話してたりします。キビシーなぁ.....。

 

お客様が撮ってくれた写真。

 

完成間近。

40号、三日間の公開制作。天翔る大きな大きな鳳凰。

 

こちら伊勢屋さん二階のkuriとの展示空間。

 

去年はイギリス行ってて会えなかった。
ますます魔女っこ街道まっしぐらのmihoちゃん。

 

katsuちゃんと打ち合わせ中。

 

このスペースは普段使われていない私設ダンスホール。
かなりボロボロで、年々壁の穴がひどくなって来ている。絵の下の大穴に花を生けたkatsuちゃんの遊び心。

 

kuriとのライブペインティング。
モチーフはグラストンベリーの伝説に基づく光と泉。

子供たち、なんとか飽きずに最後まで見ていてくれました。

 

ところで今回の静岡ツアー、表現の場はちっちゃな文化展だけでしたが、その前後友人宅を訪ね、その流れが偶然にもふたつの聖域をつなぐ旅となってしまったのでその様子も報告します。

この旅の始まりは巨石で、終わりは巨木でした。

まずは巨石です。
こちらの方は昨年訪ねた藤枝のびく石、前回は山頂まで登り損ねたので今年はリベンジに訪れました。

 

山頂までの道、ほんと最近は家にいても旅に出ても山の中ばっかりです。

 

これがびく石。
比較対象物が無くて大きさが分かりづらいけど、二階建ての家くらいの高さ。

 

びく石山山頂は、他にも巨石がゴロゴロしています。
しばらくこの中でゆっくりして、気持ちをチューニングしてちっちゃな文化展会場に向かいました。


伝説ではデイダラボッチが琵琶湖のあたりの土を掬って富士山を作った時に落っこちた岩がこの山の巨石群だとか....。
規模がでかくて楽しいなぁ。

 

そして巨樹の方は旅の終わりに、コヅカ・アートフェスにゲスト作家で来てくださった内海さんを訪ねた春野町で「移住するきっかけになった木を見に行こう。」と連れて行ってもらいました。

 

県指定の特別天然記念物・春埜杉。樹齢1300年と言われているそうです。

この木に近づく間震えが止まりませんでした。
巨樹は好きで見に行きますが、こんな事は初めてでした。
木の南側にもたれかかってやっと落ち着いて来て、ゆっくりと見上げる事が出来ました。

 

写真ではその迫力は伝わり辛いと思いますが....。

春埜杉は養老2年(718)に開かれたと伝える古刹・大光寺の境内に有り、開山の行基菩薩(668~749)が植えたとされ、それが推定樹齢の根拠になっているようですが、春野のある北遠地方は天狗信仰のメッカで、この山も太白坊大権現という癒しを司る天狗が守護神。
霊山としては仏教以前にまで遡れそうで、春埜杉ももっと樹齢があってもおかしくないかも。屋久杉を見て来た人が屋久杉より大きいと言った話もあるそうですから。

 

大光寺本殿。
狛犬が山犬だ!

 

阿がメスで

 

吽がオス。

 

ご本尊に閻魔様が祀られているのも珍しいかも。
でも,秘仏でほとんど拝めないらしい。
開祖の行基菩薩は地元では行基さんと親しまれ、中部では信仰が厚い聖者です。

 

 

 

 


お知らせ:第17回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展

2015-10-16 | ライブペインティング

来週末10/23~25(金~日)は、静岡県掛川市で開催される第17回遠州横須賀街道ちっちゃな文化展に参加します。


100余名のアーティストが東海道の旧宿場町・大須賀町の街中に作品を展示する毎年恒例のアートイベント。僕は3日間の公開制作とスタジオkuriとのコラボ展示&ライブペインティングで、今年で8年目(9年目だったかな?)になる参加です。

 

公開制作は、伊勢屋肥料店さんのガレージスペースで。

 

スタジオkuriとのコラボ展示&ライブペインティングは、同じく伊勢屋さんの今は使われていない2階の私設ダンスホールで行います。

公開制作は23日(金)は13:00~17:00、24、25日(土、日)は9:00~17:00で行います。
kuriとのライブペインティングは24日(土)18:00~19:00です。

お越し下さる方は、まずは下記URLで、パンフレット、マップ等を入手してください。
会場は、じっくり見ると一日では周りきれない程の物量が有りますので、お時間に余裕を持って、作品や作家さんとの出会いを楽しみながら、秋の一日をアート探索していただければと思います。

http://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kankou/event/chittyanabunkaten.html


アートによる地域おこしや活性化の話は20年も前から各地で様々な試みが有るけれど、このちっちゃな文化展は、主催者と住民とアーティストの思いがうまくつながりを持ち続けて、成功している希有な例だと思います。

 

今年も掛川の皆さんにお会いできる事、楽しみにしています!

 

 

 

 

 

 


報告:金沢文庫芸術祭1dayイベント

2015-09-25 | ライブペインティング

金沢文庫芸術祭1dayイベント、秋晴れに恵まれた素敵な日になりました。

今年も先住民族広場にあるアサバアートスクエアのブースでの6時間の公開制作を行いました。
1dayイベントでの公開制作も5年目になり、沢山の方に声をかけてもらって楽しく描く事が出来ました。

このイベントは推定来場者数2万5000人という大規模イベントにも関わらず、会場の空気感がとても良い。
これは芸術祭が「子供の未来は地球の未来」をテーマに掲げていることが大切なんだと思います。
小さい子から年配の方まで、気持ちよく過ごせるアートに溢れる一日が実現化しています。

 

朝、会場準備中の先住民族広場。

 

ネイティヴアメリカンの象徴を描いたフラッグ。

 

アサバのブースも準備OK。ブースでご一緒したのは絵本作家の渡邊直加さん。

 

公開制作はじまりはじまり....。

 

写真を撮ってくれた直加さんが「周りの木が喜んでる!」って言ってくれました。

 

完成!

 

暗くなって来たので、制作を終えて会場内を散策していたところアートクラフトパーティーのブースを発見!
相変わらず完成度高いな~。
ブースそのものが作品になっている!

 

恒例、圧巻のサンセットパレード。

 

闇に浮かぶピースキャンドル。

 

 


報告:6月ツアー 前編

2015-06-28 | ライブペインティング

3週間に渡る6月ツアーより帰宅して、ようやく生活のペースを取り戻しつつあります。
帰って二日間はひたすら畑の手入れや草取りに没頭していました。この土地に生えている植物達のバイヴレーションに直に触れる事で旅モードに変化していた身体が、鴨川の気温や湿度や気圧などの生態系条件を徐々に思い出していくのを感じました。

ツアーの方は、予定していた3カ所での展示及び5カ所でのパフォーマンス(公開制作やライブペイント)から、さらに奈良大介さんとのライブペイントが2カ所増えパフォーマンスは7カ所となり、本当に充実したツアーとなりました。

各会場で受け入れてくださった皆さんには、感謝の言葉しかありません。
本当にありがとうございました。
お陰様で各地での新しい出会いと、必然のような再会と、沢山のリスペクトを頂いた夢のような日々を過ごさせていただきました。

思い出深い各会場での様子を報告しようと思いますが、今回なんとカメラを忘れてしまって自前の写真がまったくないのですが、Facebookにいろんな方がupしてくれた写真を拝借して記事にしていきたいと思います。
FBつながりの皆様に、ツアー中も随分サポートしてもらいました。
ありがとうございました。

 

 

さて、ツアーの出だしは6月6・7日の駒ヶ根「くらふてぃあ・杜の市」からです。

 

もう15年も続いている杜の市での100号公開制作。
100号の大画面を定期的に制作するのは年間でもこの時だけで、芝生のステージで繰り広げられる大道芸や音楽を聴きながら2日間かけての制作は、大切な年中行事となっています。

ステージのトリ、誰もがハッピーになる伊那谷のアフリカンリズム&ダンスチーム・サブニュマのパフォーマンス。

 

完成した作品。
ここで撮った写真を毎年ケイタイの待ち受け画面にしてくれている人もいます。
ありがとね!

 

杜の市ライブペインター3人衆!
左より連、修也、そして私。広い会場内のそれぞれ別の場所で描いているにもかかわらず、今年はみんなが大きな木のモチーフを描いていた。「いや~、シンクロしたね。」「同じモチーフを描いても全然別の物になるから、絵って面白いね~。」
イベント終了後にお互いの絵を見せ合って、言葉少なく語り合う絵描き同士の楽しいひとときでした。

 

お次ぎは天竜川を下って、浜松パヤカの14周年祭「虹色パヤカ祭り」へ。

 

パヤカに到着して待っていたのは、音楽ステージのタイムテーブル作りと出演者のためのフードチケット作り。(ついでに子守りのためのお絵描き教室)

 

僕がアタリをつけて、ユキミちゃんが清書してくれました。

 

一日目のトリ、サヨコとナラ&マロン。

 

この演奏で描いた絵。鳳凰だ。

パヤカでは他にも2日間の公開制作で完成した絵があるのだけれど、web上で画像が見つからなかったので、またの機会に。

 

 

パヤカの後は奈良大介さんと合流し、11日岡崎のONE LOVE STUDIO→12日春日井の十字の漢方→13日高山漫遊展オープニングとタイトなスケジュールでライブペイントを繰り広げる事に。

岡崎のONE LOVE STUDIOは、工場街の鉄工所の中にある音楽スタジオ。鉄工所のオーナーが仲間達とセルフビルドで創り上げたスタジオは機材も充実。まだまだ進化系で、こんな所にもひとつのパラダイスが存在しているんだなぁ、と感慨深かったです。

 

鉄工所の仕事が5時に終わると、スタッフがあっという間にステージを組み、ライブが始まる。

 

ここで知り合ったライオンのモチーフを描き続けている絵描きReddogさんがいい写真を沢山撮ってくれました。

 

 

翌朝は岡崎から春日井へ向かい「十字の漢方」という漢方薬局で、院長の晃太郎君とファシリテーター富田貴史君の陰陽五行に関するレクチャーと、奈良さんが演奏する約3時間の間に一枚の絵を描くパフォーマンスを行いました。

陰陽五行がテーマということで、僕が描き続けているオリジナルの太陽と月で表す陰陽マークを時間内に描き進める事にしました。

十字の漢方のFBページに動画もupされていますので、こちらもご覧下さい。

https://www.facebook.com/jyujikanpo?fref=photo

 

そして描き上がった絵は、その場でお客様が買い取ってくれました。
嬉しかったですね!ありがとうございました。

そんな感じで春日井には約5時間の短い滞在で移動。一路国道41号線を北上、夜には高山のピースランドに到着し、個展の搬入をすませ、翌日のオープニングを迎えるのでした。


 以下、6月ツアー後編に続く.......


awanova5周年祭・壁画ライブペイント

2015-05-09 | ライブペインティング

連休の前半に行ったawanova5周年祭の壁画ライブペイントの様子です。
地元のジャーナリストさとみさんがFBにupしてくれた当日の写真から抜粋して、ペインティングの流れを追いかけてみました。

新月の日に開くオーガニックなコミュニティカフェ&マーケットというマニアックな運営スタイルで、始まった頃は「どうなっていくかな~」と思っていたawanovaも、今ではすっかり地元に定着して、街の方からも沢山お客様が訪れている様子は、意義のある行動をマイペースでしっかり続けて行く事の力強さを感じます。

このコミュニティカフェに集う様々なジャンルの人々の交流を見ていると、鴨川の里山地区で育まれて来た独自の文化形態が目に見える形になり、伝わって行く様になってきていると実感します。

当日は風も無く、花盛りな穏やかな5月の日で、大自然の祝福を感じました。
awanovaの壁に絵を描く話は前々から出ていたのですが、この日このタイミングで実現したのは幸運だったと思います。


始まって1時間くらい経った様子。
ペインティングは10時のオープンから15時のクローズまでの5時間で仕上げる公開制作スタイル。
壁面自体はけっこう広いし、表面がデコボコで、目地まであるので条件としてはけっこう厄介。

 


ある程度の面積を埋める事と、ディティールへの描き込みの両立が課題。
脚立に登ったり降りたり、壁画ペイントは動きが大きい作業。

 

お昼頃になり、マーケットも賑わって来ました。

 


そんな中、ひたすら描き続ける。

 


ステージでは加藤登紀子さんとyaeちゃんの親子デュオという地元ならではの貴重な演奏も。
その背景で壁画はどんどん出来上がって行きます。
この後ステージでは、地元で様々な活動をしている人々のトークが続きます。


終了時間も近づき、制作も大詰め、細部への描き込み。
この太陽がここに集まる人たちを暖かく照らします様に。


モチーフは伸びる新緑の植物、そこに集う小鳥や蝶達、全てを照らす太陽と月、そして人々のheart。


最後は日付やサインをクレジット。

 


完成!


この日終わりに参加者のみんなで記念撮影。

描いた絵が徐々に場に馴染んでいき、ふとした時に見た人が、この日を思い出してくれます様に....。ってかすでにけっこう馴染んでいるな.....。

このペインティングをセッティングしてくれたawanovaの美穂ちゃん、やっちゃんに深く感謝します。

 

 

 

 

 


宮下昌也と巡る悠久の旅