わが家への道―ローラの旅日記―ローラ物語〈5〉 (岩波少年文庫) | |
ローラ・インガルス ワイルダー | |
岩波書店 |
「大きな森の小さな家」シリーズは主人公ローラの幼少期から結婚に至るまでの物語です。
これすべてを読むとその後のローラの結婚生活はどんなであったかが知りたくなります。
新婚生活は『始めの四年間』で描かれていますが、喜ばしい出来事もありますが、
苦難の連続でした。
『わが家への道 ローラの旅日記』。
ワイルダー一家は1894年に酷暑にやられてしまった住み慣れた土地を離れ、
自分たちの新天地を求めて旅立ちます。
その時のローラの旅日記と娘のローズが書いた当時の生活の記録をまとめたものです。
もう今はない多くの森でのなつかしいキャンプの話をしはじめると、
母は、私の言葉をさえぎって、きつい声でこう言った。
「そのことは、考えるのもいやです。」(本文より抜粋)
物語と記録は違うものです。とくにやさしい語り口の文章になれていると
(翻訳者にもよりますが)この『わが家への道』は非常にそっけない感じに思えるかもしれません。
でもローラファンであれば、「毒食らわば皿までも」ではないですが、読んでみる価値はある本です。
生身のワイルダー一家が感じられる本です。