ナレーションコースの新しいクラスが始まりました。生徒さんは5人。このコースは少人数制で、スタジオで毎回収録してはモニター、を繰り返してレベルアップしようというもの。まあ僕としてはレベルアップもさることながら、朗読の楽しさを味わってもらえればそれでよしと思っております。それこそが上達の一番の近道だからです。
毎度同じテキストでは飽きてしまうので、今回選定いたしましたのはこの2冊。いずれも僕らしく食べもの関係のエッセイ集。
食通で知られた池波正太郎の「むかしの味」。伝統の味や店をいまになお伝え続ける名店を、ざっくばらんなれど重厚な筆致で綴っております。もう一冊は、晩年、江戸文化研究家としてテレビにも出ておられた杉浦日向子さんの「食・道・楽」。こちらはずっとくだけた文体も見られますが、一方で端正に綴られたエッセイもあり、バラエティーに富んでいます。読みやすさと適度な短さで、今回杉浦さんの作品をテキストに選んでみました。
みなさん、どんなふうにこれを朗読されるのか、とても楽しみです。