山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

山に行かないで!と言われる日

2023年05月14日 | 山菜料理

 前回の休日が雨降りと強風だったため、山も海も断念。そして、暫く休みが来ないのだが、明日は夜勤。朝仕事の時間帯に山に出かけるだけなら何とかなるかもしれない。

 でもね、昨日までの雨量がかなり多かったので、そっちこっちで水が溢れ出している。この状態だと、目的としているS川上流部は、危険かもしれない

 妻は妻で、

「明日の朝って、すごく寒くなるって天気予報に書いてあったわよ。」

と言ってくる。

 確かに、予想最低気温が山形で3℃なら、山は氷点下まで下がるだろう。

 でも、ここで出かけないと、前回の山菜採りから10日近く間が空いてしまうことになる。自然界の変化が著しいこの時期の10日間は、大きい。植物の生育状況がガラリと変わってしまう心配もある。

 そんな葛藤に揺れ動いているところに、職場のWさんが、

「ほれ、出ったぞ。」

と、持ってきたのが、

       またまた出てたようです 孟宗竹

 有難く戴きます。これは、今日から明日にかけて調理しなくちゃいけないね。持ち帰って何とかしましょう。

 なんだか、みんなが寄ってたかって「山に行くな!」と言っているような気がしてきました。

 実は、これだけじゃないんだよね。

 冷蔵庫には、

       ウドさんと

       コシアブラさん(画像右側)とが

出番を待っているんですよね。

 ・・・正直なところ、ぐうの音も出ない。 降参です。

 これだけ「行ってはいけない条件」と、「やり遂げておかなければならない条件」とが揃っているのに、それでも遊びに出かけたら愚かだ。もし、出かけたら、祟りに遭うんじゃないかな。

 山行は諦めて、身辺整理から始めることにしましょう。まずは、孟宗竹から。

 妻に聞くと、土佐煮が一番使い勝手が良いし日持ちもするという。はい、決まりです。

       アク抜きして柔らかくなったら翌朝まで放置

       再利用分の姫皮を外して量ったら500g程

       食べやすいように切り分けたら

       結構ありますね

 多分、孟宗竹もこれが最後でしょう。思い切って全部煮詰めます。調味料の配分は、いつも通り。

       一丁上がり!

 次、ウドです。今回のウドは、根が土に埋もれていない、地元では『けつかけウド』と呼ばれるタイプです。よく日に当たっている分、アクが強くなります。これは、タケノコなんかと同じ。したがって、

       よく日に当たった枝葉を分けて

       アク抜きのためにひと茹で

 ※必要ないかもしれないけど、この方がアクは薄まると思います

 こちらも、前回美味しかったオリーブ炒めにします。

       やっぱり、簡単だけどすごく美味しいです

 ウドの軸の方は、斜め切りにして、煮物します。

       だし汁に酒醤油みりんと砂糖少々

       ツナ缶を加えてコトコト煮詰めていきます

       仕上がりました

 柔らかくなり、調味料と海鮮の味の染み込んだウドは、これまたすごく美味しいです。練り物でも缶詰でもいいから海鮮の風味が加わると、ウドの煮物は、美味しくなりますベーコン炒めも美味しいから、加える具材と加熱の仕方の組み合わせを工夫していくと、新しい料理が生まれそうな予感がしています。

 さあ、いよいよ最後になります。

       ウドの新芽(左)と、コシアブラ(右)とを使います

 これは、最初から決まっています。天ぷらです。たったこれだけと感じるかもしれませんが、どうしてどうして、

       1回に数本ずつしか揚げられません(右はウドの煮物)

       まずは、ウドを低温でじっくり揚げます(タラノメと同じ)

 そして、コシアブラ、

       吹き出す揚げ玉をどんどん掬い取っていくうちに

       泡立ちがおとなしくなってきたら裏返して

 長時間、揚げていると萎びてしまいますから、そうなる前に引き上げます。

 ※葉っぱが落ちやすいので、優しく扱います

       こんなにいっぱいになっちゃった(手前右がウドです)

 明日、妻が実家を訪ねるというので、届けて食べてもらうことにしましょう(大変喜んで食べてくれたみたい。良かった!)。

 採ってきてから7日目でしたが、全ての山菜+αを、大変美味しく戴くことが出来ました。

 やったぜ!

 これにて、もらった山菜と冷蔵庫に待機していた山菜(未調理)は、完売です。更に付け足すと、本日の食卓はもとより、お弁当のおかずや副菜が、これから暫くは豊かになること間違いなし。

 さあ、今度こそ、マタギに絡みついていた手かせ足かせがなくなりましたよ!

 ・・・それにしても、これだけご馳走が揃うんだったら、やっぱり、みんなが言うように出かけなくてよかったのかなと、あらためて思いました。 

 そして昨日、たまたまなんだけど、仕事から帰宅したら向かいの住人と顔があってしまった。即座に車を運転中のM氏を止めて声を掛ける。

「明後日、どうだ!」

「ん?・・・大丈夫だ!何時や?」

「この前より夜明け、早くなってきたから、3時40分でどうだ?」

「OK!」

一瞬にして、同行者と計画が決定! これは、神様の思し召しだよね。

 もしかして、この時を待っていてくれたのかな?

 ああ~、山に行ける!

 山の神様、天気の神様、どうか微笑んでくださいませ。