スズキ卵巣の辛味噌漬け

スズキ ( 鱸 )
- Lateolabrax japonicus (Cuvier et Valenciennes, 1828) -



これ、何ぁ～んだ ? ?

これは、スズキの卵巣を味噌漬けしているところよ。


今回のスズキは、凛々しい男前にみえるけど、実際は、♀なんですよね。
大きな卵巣を持ってましたが、まだ薄っぺらな未成熟なものでした。

スズキは、白子も卵巣も味が良い事で知られているお魚なんです。
しっかり成熟してたらカラスミにしたかったのですが、それは断念。
辛味噌漬けにして味わう事にしたわ。

造り方は、基本的なやり方。

まずは、破けないように細心の注意でお腹から取り出します。
それを、太い血管をピンでプツプツと穴を開けてから氷水に漬けて放血します。
汚れたら水を変えて一晩くらい。

その後、たっぷりの塩に包んで冷蔵庫に寝かせて水抜き。
今回のは、大きいけど薄いので二日くらいですね。

取り出すと、グニョグニョだった卵巣が、水が抜けかなり硬く締まってきてますね。
この段階で、卵巣のあちこちに網の目の様に広がっている血管を取り除きます。
ピンセットで、そっと剥ぎ取りましょう。
でも、細かい毛細血管までは取るのは不可能。
太いものが取り除ければOKですね。

ポイントは、塩で水抜き、締めてから血管を取り除く作業をした方が良いと言う事。
締める前にやると、必ず卵巣の皮が破れて、中の卵がボロボロと出てきてしまうわよ。

血管が取り除けたら、お酒に浸して塩抜きします。半日くらいかな。
カラスミなどだと完全に塩抜きを目指すけど、今回は味噌漬けなので、そこそこ塩分が抜ければOKですね。

続いて、調合した味噌に漬けて、フリーズパックに入れ真空状態にして5日漬けこみました。

今回の味噌は、以前掲載した唐辛子味噌 ( 十石味噌に、生唐辛子・大蒜・生姜・玉葱の微塵切りを漬けたもの )。
それに味醂を少々合わせて、使ってます。
この辺は、辛くしたり、甘くしたり、個人の好みで調合ね。

上の写真は、その漬けている段階のもの。

完成～ !

味噌から取り出して、キッチンペーパーをちょっと湿らせて、パタパタ叩くようにしてこびりついて味噌を拭き取ります。
流水で洗ったりしない方が良いと思いますよ。

かなり硬く締まって、プリプリになっています。
あとは、適当に切り分けて食べるだけ。
辛味噌の風味が付いて、コクがあってとっても美味しいわよ～。

お酒の充てに最適です。
味噌風味なので、日本酒が合うかしら。

だし汁をかけて、お茶漬けも美味しいのよ。

今回はスズキの卵巣だけど、今ならマダラの卵巣が単体で大量に売られているので、それを利用するのがお手軽ですね。
もちろん、スケトウダラの卵巣「鱈子」も良いけど、鱈子は高価だし、既に塩漬けされたのが殆どなので使い辛いですね。
マダラの卵巣は、白子が高価なのに比べてとても安価なので良いですね。

ボラの卵巣ならベストですけど、西日本ではかなり流通している様ですが、うちの方では余り見かけないです。
あっても、とても高価だし、ボラの卵なら、やっぱりカラスミを造った方が良いですよね。


う～ん、このスズキの卵巣の辛味噌漬けは、何て美味しいんでしょう。
お酒の量が何時もの倍は、確実ね。

明日の仕事は辛いなぁ。(^_^;

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