昨晩の、E テレ、「日曜美術館」は、久しぶりにストライクだった。 「疫病をこえて人は何を描いたか」と題し、黒死病(ペスト)が人間、社会にもたらしたもの、その後のルネッサンスに影響を及ぼしたこと、を作家・小野正嗣氏が端的・明快に説明された。芥川賞作家・小野正嗣氏は、歴史・文化・芸術・哲学をバックに、人間と文学を語れる現代数少ない物書きの中のおひとりだと思う。言わば、小林秀雄のような! 人間は悪を他者に押し付ける傾向にあり、特に、ペストのような大厄災に直面すると、集団心理として負のエネルギーに感情が集中しやすく、ユダヤ人大虐殺のような悲劇をもたらしてしまう。 我々はそこをしっかりと認識しなければならない。 しかし、人知の及ばぬ災害が起き、それを乗り越えた場合、人間は思いがけない力を得られること。 ペストという苦難を乗り越えられた後だからこそ、生きる喜び、つまりルネッサンスが花開いたことを鑑みても、人間とは何かを考えるうえで、中世のペストは通らなければならない暗いトンネルだったのかもしれない。 人間のメンタリティは、500年経ってもあまり変わっていないと思う。今回の長い自粛期間は、大げさに言うなら、我々を考えるよい機会ともとらえることができるし、不自由のつらさを体験することで、自由の尊さを噛みしめることができると感じる。 それを言いたいがために、今回、この放送企画を組んだ、と僕は思いたい。
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