ひろ主任のひとり言2

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大人の男女に贈る~「氷平線」

2012-04-16 06:41:37 | 
久しぶりに大人な小説を購入。
札幌駅弘栄堂書店にてメインコーナーでの推薦もあり、
初めての作家だが、何かしらその雰囲気に魅せられて思わず本を取る。
ここで簡単な著者のプロフィール。本書より抜粋。

**桜木紫乃(さくらぎ しの)

1965年北海道釧路市生まれ。裁判所職員を経て2002年「雪虫」でオール読物新人賞を受賞。
07年初の著書となる本書「氷平線」を発表後、次々と話題作を刊行。
11年に発行した「ラブレス」が第146回直木賞候補になるなど、今最も注目の作家である。


そんな彼女のデビュー作を今回は購入。
それがこちら。



「氷平線」

全て北海道は釧路を中心とした物語である。
短編小説ではあるが、全部で6編を収録。

*雪虫
*霧繭
*夏の稜線
*海に帰る
*水の棺
*氷平線

どの作品も、何かとても静かな雰囲気がある。淡々とと言うか、本当にモノトーンの
世界で繰り広げられている情景だ。
しかし、そこには深い人間関係、性、男女の想いが激しく書かれている。
物語の中心は、ほぼ女性である。
そして必ずセックスが描かれる。しかし、なぜかそれは不思議と切ないと言うか、
いやらしくはない。

「海に帰る」では25歳で独立した理髪店店主圭介のもとに偶然現れたキャバレー勤めの女。
いつしか関係を持ち、彼女の訪問を待ちながら暮らす情景。
「雪虫」では、札幌で自己破産した36歳の男が酪農を手伝いながら、幼馴染の既婚者四季子との
関係を断ち切れないでいる中、フィイリピンより18歳の少女がお嫁さんとして嫁いで来る。
「水の棺」では、歯科医の院長との関係が切れない歯科医師良子が、やがて釧路の田舎街で独立して
行く。その後関係を断ち切った院長が脳梗塞となり良子は...

など、どれもはっきり言って男は弱く描かれている。
逆に女性が全て芯があり、強く、そして清く描かれる。
東京から田舎の酪農家に嫁いだ女性の葛藤を描いた「夏の稜線」も印象深い。

久しぶりに余韻の残る短編集。
物語に入り込みやすく、ふと涙腺も緩む場面もある。
これから少し注目して読んでみたい作家がまた一人登場だ。
この本は、大人の男女に贈りたい作品です


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