はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

犯罪から子どもを守るには

2006-07-29 15:02:34 | つぶやきあれこれ
不審な葉書高校を卒業して家を離れている次男坊宛に不審な葉書が届きました。

一見すると、内容は全く過激ではないのですが、発信元組織名、住所が異常に読み取りにくく、文面は赤黒コピーで、宛名面と完全に筆跡が異なります。

何とか、発信元組織名、住所を読み取って早速、Googleで調べてみました。


該当すると考えられるページは、架空請求データベースの「スターツ企画」にありました。

追記/補足情報もよく見ると…電話番号と、連絡担当者名が違うだけ…。

同サイトの追記/補足情報からするとどうも、入手した名簿から20歳になったばかりの人間に対して送付しているようです。

この会社に実際に電話をかけてやり足りとした方からの詳しい情報は、同サイトの「第2事業部(会社名は記載なし)」の追記/補足のかなり下の方にあります。
パッションさん、Kさんからの追記情報が詳しいので、詳細に知りたい方は、上のリンクをクリックして同ページを表示させてから、ブラウザのメニューの「このページから検索」ないし「ページ内検索」で「パッション」や「K」としてみてください。

若者に人気のTV番組や雑誌の名前を語って、「説明会」なるものに呼び出しているようです。

書き込みの中には7月7日付けで警視庁勤務の父親を持つ方にも届いていて警視庁にはこの葉書が渡っているとのことですが、それから20日ほど経過した消印で届いています。

葉書・電話双方の内容をつぶさに見ても、相当に検討してあるようで、直接犯罪に繋がりそうな表現は避けられているので、警察としてもそう簡単には手が出せないでしょう。

「警察は被害者が出ないと動けない」が、「自分が被害に遭ってからでは遅い」のですから、やはり本人自身や家族が知恵を働かせて守る以外に手がありません。


さて、ここからは我が家での防衛策の一部をご紹介しましょう。

あまり詳細にご紹介すると、さらなる対抗手段を講じようとする連中にも肥やしをやるようなことになるので、矛盾する面もあるのですが…(困ったものです)…

ただし、高校卒業までは、親元に居ることが多いので、親の目が届いていると思いますから、ここでは高校を卒業した後のお子さんのお話が中心になります。
この年代は、成人という法的には独立した存在とみなされるものの、経済的にも精神的にもかならずしも立派に成人しているとは限らない、ある意味非常に微妙なバランスの上に生きている年代だと思います。

悪意を持って接近してくる連中も、そこを狙ってくるようです。


●子どもの個人情報を守るには
今回のように郵便物経由で、近づいて来るのを防ぐためには、個人情報を如何に守るかが基本になります。

しかし、その最も基本となる個人情報を一手に握って取り扱っている行政がザルで、住民台帳の閲覧を事実上、開放してきました。これを厳しく制限したのは、ごく最近のことです。つまり、既にある程度の年齢に達してしまった人は、「基本的に個人情報は人手に渡ってしまっていて、それを無効にする・取り戻す・削除させることは、不可能である」ということです。

ですから、現住所などの情報を隠すか、あまり意味は無いのですが、何処から漏れたかすぐに判るようにして置くことになります。

◎現住所を隠すには
親元から離れた子どもの現住所を隠す方法は、いくつかあります。
⇒高校の同窓会名簿には、現住所を登録しない
⇒大学などの上級学校での個人情報も万一に備えて親の住所にする
⇒住民票を移動しない

「新しい住所に届く郵便物を極力発生させない」ということが基本になります。
「全ての郵便物は、一旦親元を経由させる」のです。
子ども本人がこれに同意してくれることが前提であることや、多少過保護策であることも親子できちんと話し合った方がよいと思います。

特に、長男・次男ともに「高校の同窓会名簿が、名簿業者に流出した」としか考えられない状況があり、関係者には申し訳ありませんが、高校等の同窓会名簿に現住所を記載するのは、一定以上の年齢に達してからでも遅くないと思います。

数人の同級生と個人的に繋がっていれば、必要な情報は届くはずです。

私は、転居の連続で同窓会名簿から長く「所在不明」となっていたようですが、最近同級生からの知らせで、漸く復帰しました。

それでも、あまり影響はありませんでした…(^^;ゞ

ただし、最後の住民票を移さない方法は、厳密には法令違反となりますが、結果的にそうなっている家庭も多いようで、学生時代には良くあることのようです。

◎何処から漏れたか逆探知法
個人情報が何処から漏れたかが、すぐにわかる方法があります。
これは、年代に関係なく、誰にでも使える方法です。

ただし、これが判ったからといって、事態が好転するわけではありません。あたらな防衛策を考える手がかりにはなります。

国のある機関が実際に試した方法です。
することは一つだけ。
「住所を記入する際、本当に必要な住所の末尾に、識別するものを付け足す」のです。

例えば、
・アマ○ンへの個人情報の登録には、「○丁目○番○号-A」
・カード会社Sへの個人情報の登録には、「○丁目○番○号-1」
・M会の会員情報の登録には、「○丁目○番○号-10」
などです。

どこから漏れたか判らなくなりますので、別な登録に同じ追記情報は、絶対用いてはなりませんので、ご注意を。

こうしておいて、「○丁目○番○号-10」で、M会以外から郵便物が届けられたら、M会からの情報漏洩が確認できます。
「M会との契約を解消する/退会する」などの対策が検討できます。
ただし、契約解消/退会しても、漏洩した情報が引き続き闇の世界を漂うこと自体を止められません。

この方法は当然、手元にこれらのリストを控えておかなければ無意味ですから、それなりの手間が掛かります。


●家庭の電話
発信番号通知は、今や常識です。

昨夜も23:30という田舎では信じられない時間帯に電話が掛かりました。
(逆に田舎では早朝信じられない時間帯に平気で電話が掛かりますが…(^^;ゞ)

それも息子の友人を偽装する軽ぅいノリの兄いちゃん。
こちらは、公衆電話からと判って、受話器を取る前から警戒していたので、無愛想に不在と告げてガチャリ。
娘に聞くとここ数日、毎晩掛かってきているようです。

家庭の電話は、電話会社の発信番号通知サービスに加入した上で、対応する電話機に換えてあります。
しかるべき年齢の子どもをお持ちのご家庭では、まずこれは絶対条件だと思います。

その上で、電話機の機能を活用します。
つまり、次のような電話は受け取らない設定にします。

◎発信番号非通知
掛けた方の電話番号を知らせてこない輩は、身元を名乗らないのですから無礼千万。
受け取る必要はありません。

電話機によっては「何らかの方法で、番号通知ができないもの」も、別設定できるようですが、同様です。

ただし、家人が海外旅行などで、海外から電話を掛けて来る期間は、これらの設定を外しておかないと、受け取れないことがあります。

帰ってきたら、設定を忘れずに元に戻しましょう。

◎公衆電話など
公衆電話からの電話も、別な設定ができます。
子どもさんが、部活や塾の帰りなどで公衆電話から電話を掛けて来るご家庭を除き、公衆電話からの電話を拒否することも家族会議の議題にすべきです。

娘が中学生の頃、自宅から遠いので、自動車で部活修了後迎えに行っていました。学校の公衆電話から、連絡を受け取っていましたので、我が家の電話は、公衆電話からの着信okの設定でした。

このため、昨夜深夜の電話は、掛かってきてしまいました。
ただちに、公衆電話からも受け取らないことにします。
(自宅へは万一の場合でも、携帯からしか掛けられないことになります)

しつこい塾や教材販売会社からの電話は、個別電話番号を登録して着信拒否ができます。

◎国際電話など
自宅の電話から、国際電話は掛けられないようにしてあります。

長男が小学生の頃、ある月の電話代が高いことに気づきました。
調べてみると、国際電話を掛けています。相手先はロシア…

大人はだれも自宅から国際電話を掛けていないことが判明。
長男に聞くと、「しまった」という表情に。

何度聞いても口を割りませんでしたが、どうも雑誌か何かを見て、興味本位でやらかしたようです。

電話代の高額請求が一時期問題になりましたが、国際電話・有料番号発信不可の設定で、問題は解決します。


●携帯電話
子どもの携帯電話も、同様に「発信番号非通知」などからの着信は拒否する設定にします。

あと、毎月の電話代請求はきちんと、目を通しましょう。
何かあると、子どもの電話代が変動します。

ただし、判るのは数ヵ月後ですが…


●最後は…
月並みですが、やはり子ども本人の知識と自覚しか、残されていません。

日常的に、これらの犯罪のこと・手口・防衛策など、子どもと話し合うことが、一番の基本ではないでしょうか。

成人する前から、いつまでも親の眼が届くわけではないことを、双方が自覚して、徐々に想定外の事態に遭遇しても、道を踏み外さない人として生きていける知恵を身に付ける。
これは、学校ではできないことです。基本は家庭の中からではないでしょうか?

最近の「オレオレ詐欺・振り込め詐欺」の被害者になってしまった方のお話を伺うに付け、被害者の方には大変失礼ですが、世間知らずであることが一番被害に遭いやすい立場にあるようです。
報道によると、加えてそのとき、大抵家族に相談をしていないことが多いようです。

性善説に立って居たい私としては、甚だ悲しいことですが、世間の現実ということは、きちんと家族で共有しておくことも大切な家族を守る手立ての一つのようです。
「親も『世間で今、何が起こっているのか』を学ばなくてはならない」のです。


ある方が「詐欺という犯罪は、犯罪成立に被害者も協力している」と言っているのを聞いて、最初は「そんな馬鹿な。被害者に冷徹すぎる」と感じました。

しかし、冷静に考えてみると、一連の新手の詐欺事件は、あまりにも簡単に「騙される方が多い」ことが、犯罪に加わる不届き者の増加をエスカレートさせているようにも思えてきます。
騙される方が少なければ、その手口は流行りません。


情報がテレビでもしばしば流されるようになっていますが、敵もさる者。手口がかなり巧妙化してきているようです。

皆様も、くれぐれも被害に遭われませんよう。
被害者となってしまうことで、犯罪者を生むことも無いよう。

僕自身にも言い聞かせながら、お祈り申し上げます。

架空請求データベース
未成年者の契約取り消しについて:架空請求データベースから