はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

ここのところ

2006-07-31 23:59:05 | 田舎暮らし雑記
昨日の日曜日は、早朝から草刈の日でした。

朝6時から集落の墓参道の草刈。
その後、9時から娘の高校が借りているグランドの草刈。


自宅がある集落は、集落の墓地を持っています。
周囲の集落も同様に、集落ごとにあります。

うちの集落は、里山の頂上付近にあり、車が通れない急で細い林道のような道が一本あるだけです。
この道に砂利を敷いて整備するとともに、草を刈ります。

車両が通れませんから、殆どの作業は人力です。
これも集落を挙げて出るため、なんとかなっています。

以前は、墓地の草刈はそれぞれの家庭でしていましたが、高齢化が進んだためか、草刈機を持った人は、今年から自然に、道だけでなくよその家庭の墓の周囲も刈りました。

さて、1時間ほどでこれらは終了したのですが、先の大雨で海岸には大量の流木が漂着しています。
こちらの整理も行うこととなりました。

ところが、私は娘の高校のボランティアに出なければならないため、ここで義母と交代です。

家に戻り、朝食をとろうとしますが、吐き気がして進みません。

・前夜のジャズコンサートで盛り上がったこと
・長時間、呑み続けていたこと
・4時間ほどしか寝ていないこと(ここまで、自分のせい(^^;ゞ)
・早朝とはいえ、梅雨も明けようかという季節でそこそこの気温になっていること
等が重なったようです。

たった一膳のご飯を、すっぱい梅干とお茶漬けにして、何とか済ませました。


少しやすんで、今度は車に娘と草刈機を乗せて、高校のボランティアに向かいます
集合時間の15分ほど前に着くと、そこは旧県立商業高校の広大なグランド…
その中心部分だけ丸く地面が顔を出しているものの、周囲は青々とした草…

娘の高校は地域の弱小私立で、昨年の春統合されたこの高校のグランドと体育館を借りて部活動をしているそうです。

手に鎌を持っている校長先生に伺うと、全部刈るのだとか。
「手刈りの人は手前をします。機械の方は、その他をお願いします…」
梅雨が明けたかのような空は、雲が晴れかかっています。

これからじりじりと日差しと気温が厳しくなる時刻。
それにしても、草刈機を持ってくる親を殆ど見受けません。

ただでさえ、体の強くない娘を連れている身としては、脱水症状が気になります。
私は、家からペットボトルを持参しましたが、娘は折角用意したものを置いてきたとか…

これはイカンと、早速一人で草刈機を動かし始めます。
しばらく草を刈っていると、先生と思しき方が歩み寄ってきます。

背中にエンジンを抱えていますから、そのままでは聞こえません。
機械を止めて伺うと、「開始まで未だ時間がありますから、機械を止めてあちらに集まってください」
はぁ~っ?
「こんな広いところを刈るんでしょ?それとも、刈るなって言うんですか?」と聞き返すと、無言で立ち去りました。

広大な敷地を見るとやる気が失せます。
足元だけを見て、黙々と草刈り機を振って行きます。

家の床を掃除する際、四角い部屋を丸く掃くと怒られます。
同様に四角いグランドを境界の外から順に内に向かって、掃くように刈らなければ、草刈をしたことになりません。

しかも、地面すれすれに。
平坦ではなくなっている地面すれすれに機械の先に付いた円盤状のソーを動かしてゆくのはコツが要ります。

最初は、2~3台だった機械が、徐々に増えているようです。
遅刻してこられる方でしょうか。

しばらく振っていると後頭部から首筋が張ってきます。
この機械は義父の身長に合わせてあるので、随分身長が違う私は、腰をかがめていて、首・腰・腕に無理な力が掛かるようです。

グランドの隅っこで、腰や背中や首筋を伸ばすと、青い空に白い雲。
深呼吸して、また黙々です。

一往復半した処で、始めてから1時間が経っていました。
他の方は、それぞれ離れて別別に刈っています。

手刈りの人は、集団になって屈んでいます。
これはこれで、腰が痛むはずです。

とても疲れたので、一服。
刈った草の上は、続いた雨のせいで濡れていて、とても腰掛けられません。
使われていないサッカーゴールのパイプに腰掛け、ボトルのお茶を飲みます。

草刈機を持ってはいるものの、ウロウロするばかりの人も見受けます。
早朝から続けているので、腹を立てる元気もありません。

この手のことは、自分のペースで仕事をするのが疲れないコツです。
一人で10分ほども休んだでしょうか。

また一往復を終えようとしていた時、先ほどとは違う先生のような方が、近づいてきます。
「あと10分ほどで終わりますので、あちらに集合してください」

時刻は10:20。
始まってから、90分で終えるようです。
でも、刈られた面積は、1/5程度でしょうか。

グランドの端から端へ戻る途中も、海の中に浮かぶ島のように盛り上がっている草むらを狙って、刈りながら歩いてゆきます。

既に、止めてしまっておしゃべりをしているお父さん方。
草を刈っているのか、遊んでいるのか良く判らない子ら。

腹が立つと疲れるので、他人は同でも良いと言い聞かせながら、戻ります。

草まみれになった長靴と作業ズボンを払い、草刈機を慎重に車に積んでいると、一人の男子が冷えたペットのお茶を持ってきてくれました。
「ありがとう」
元気な声、とは行きませんが、声は出せました。

生徒代表の挨拶と校長先生の言葉
校長は「時間が限られる中、どれだけできたかが問題ではない。やるという心が大切」と垂れられました。

やる気の無い大人ばかりだったのは、そのせいですか。
漸く判りました。

この高校は、初めてですから、事情が良く判っていなくて、どうやら一人で空回りしたようです。

世間では、成果が求められています。
教育には、成果が図りにくいことも承知しています。

しかし、目標を決め、達成するために計画を練り、着実に実行して、振り返る。
その反省を持って、学習し、次の作業を改善する…

このプロセスを経ないで、精神論だけをのたまっている余裕があるとは…
戦前の大政翼賛会を連想してしまいました。(^^;ゞ

娘にできたご縁の高校ですから、悪く思いたくはありません。

近々、PTA役員会があるそうです。
この高校では1年生の父兄が役員になることは珍しいそうですが、現会長と知らない間柄ではなかったため、白羽の矢が当たりました。

これまで、仕事の都合で役員会は欠席続きでしたが、次回は出席できそうです。
理屈をつけるのが本業でもあるので、論戦に負けることはまずありません。
この様子では、役員会がなかなか楽しみになってきました


愚痴っている場合でありません。
明日はまた早朝に起床して、またまた東京出張でした…

週末に肉体労働やイベントがあると、休まるどころではありません。
それでも平日に仕事をしながら体調の調整ができるのですが、ここ数週間は出張が入っていて、これもままなりません。

普段から体力をつけていないことを痛感します。
おっと、早く寝なきゃ…