![天国からはじまる物語](http://ec1.images-amazon.com/images/I/41QQWAKQMPL._SS500_.jpg)
娘によると、「人生観が変わった」のだそうです。
小説では無意味ですが、ビジネス書を始めとして本を読む際は
全体の主旨を先に頭置きした方が理解が早いため、
最初と最後をまず読むことにしています。
プロローグ:最期
エピローグ:はじまり
と一見、最初が終わりで、最期がはじまりという
変なタイトルがついています。
表紙カバーの写真もなんだか変です。
少女がにっこり笑っていますが、その顔は少し年齢が高いような…
(実は読後、この写真がこの物語の全てを物語っていることに気づきました)
エピローグの後ろに「訳者あとがき」がありましたので、
ここから読み始めました。
人は死んだらどうなるのだろう?
天国に召される、地獄に落ちる、生まれ変わる、幽霊になる、肉体とともに魂も消滅する?
本作の主人公、十五歳のリズは、死んで“ある場所”にたどり着き、…
という文章で始まる「あとがき」。
寝台列車に揺られながら
ほんとうに久々に小説を読みました。
特に印象に残った一文。
死とは心のあり方にすぎない。地上には一生を死んだまま過ごす者がおおぜいいる。
「あとがき」にも、
いずれにせよ、実りゆたかな人生を送るには、“逃げない勇気”が必要だ。人はみな、どういう状況におかれているにせよ、そのとき自分にできることを精一杯やるしかない。そうして人生をあきらめずにいれば、いつかどこかで、大好きな人や、憧れの人、そして、まだ見ぬ大切な人と出会えるときが来るかもしれない。この物語は、そんな希望を与えてくれる。
とありました。
冒頭から死がでてきますが、
あたかも「千の風」のように
陰がなく、割りにカラリとした内容です。
13歳以上の思春期の方にお勧めの本となっているようで、
外国文学特有の勿体回って絡んだ表現が、やや気になる箇所がありますが、
それでも読みやすく訳されていると思います。
感受性が衰えていると、読んでも感ずるものが少ないかもしれません。
自分の感受性年齢を計るには、もってこいの本ではないか…
そんなことも感じました。